入った時に受けた元の倉庫の印象もどこへやら、バランスがとれた格子窓や玄関、壁のデザインに感動する渡辺さん。早速玄関へと足を踏み入れます。市松模様の床や石造りの階段といった玄関の雰囲気に感心していると、新たに娘さんが増えて4人になった家族が出迎えてくれました。
リフォームから2年と少し。可愛い仲良し姉妹の格好の遊び場でもある階段には、ちょっとした秘密が。足元に段数が漢字で書かれているのです。娘さんが数字を覚えるのが早かったと、ご主人。渡辺さんも驚きです。
階段に沿って天井まで続く竹で飾られた柱部分には、3箇所の収納が隠されており、生活用品などの置き場所として活用されていました。その容量に大満足で笑顔を浮かべるご夫婦。
更に階段の上へと目をやると鉄の棒を組み合わせて作られた飾りが。そこにはいくつもの球体が取り付けられていて、これがお子さん達の小さな手でも握りやすい手摺りとしての役割を果たしていました。
階段を上がって、内玄関へと案内された渡辺さん。扉の脇にある手水鉢に目をやります。早速使わせてもらいます。しっかりした水量に感心しながら手を洗う渡辺さん。手を洗いながら、苔に水を与えればいいんだ!と発見。
内玄関に入って見上げた渡辺さん、高い吹抜けにあるトップライトが気になります。元々倉庫にあったエレベーターシャフトの空間を利用して作られた吹抜け。その一番上にあるライトは、昼間に充電して夜には常夜灯になる優れもの。そして、吹抜けのもう一つの特徴である、空間に渡された竹に隠された秘密も。それは、構造上どうしても外せなかった鉄筋が、この竹のどれか一つに隠されているということ。渡辺さん、感心しきりです。
リビングダイニングに通された渡辺さんが、最初に気になったのが、奥の小上がり。食後の一服の場としての良さを語っていると、今はもっぱら子ども達のステージになっているとのこと。そして歌い終わると、そのままお昼寝のスペースに。お子さんがいる家庭ならではの使われ方です。
折りたたみ式で、面積が変えられるダイニングテーブルに、子ども達の様子を見ながら食事の支度ができる対面式のキッチン。そしてアイデアにとんだ収納と、台所周りは奥さん大満足。
上の階へと案内された渡辺さん。階段に施された組み紐の飾りに感動しつつ、子どもたちの声が聴こえる方へと足を運びます。幼い姉妹が遊ぶ子ども部屋。二人に声をかけながらも渡辺さん、作り付けの机と、収納がついた椅子に目が行きます。
廊下を挟んで反対側にある、家族4人の寝室。そして、その部屋から子ども部屋が望める無双壁を紹介してもらいました。スライドさせて出来たスリットから、廊下の向こうの部屋の声や気配が感じられます。倉庫がこうなるものかと改めて驚きを表すご主人ですが、無双壁の向こうから聞こえてくる子ども達の声に、表情が笑みに変わりました。
水まわりに通されて、その広さに驚く渡辺さん。そして奥にある浴室の扉を開けると…
「この香りは檜葉だ」
浴室内の壁に貼られた檜葉の木の香りに惹かれながら、中を探索。下呂温泉が出身地でお風呂にはうるさい奥さんも、そこらの旅館には負けない!と言い切る自慢の浴室に、渡辺さんも唸ります。
浴室の横のスペースに隠されていたのは、スライド式の物干し竿。屋内で洗濯物を吊るして、そのまま押し出せば洗濯物がベランダの外側へと運ばれていきます。思わず、洗濯物に付いてベランダに出る渡辺さん。軒先から洗濯物を見つつ、町並みを眺めて「イタリアの下町みたいな感じよね」とつぶやきます。
水まわりスペースで奥さんが一番気に入っているのが、備え付けのベンチ。座面を跳ね上げると、収納になっているのですが、ここまではよくある収納付きの椅子。しかし、更に驚きの仕掛けが。それは壁を挟んだ向こうの子ども部屋側から、その収納部分を引き出せるようになっていること。これで、子ども部屋でたたんで片付けた服を、今度は脱衣場側で取り出せるという「匠」のアイデアに、驚くばかりの渡辺さんです。