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2011年5月29日(前編)・6月5日(後編)放送

ギックリ腰になる庭

この家が抱える問題

  • ■約50坪の隣の空き地を買い取り、親子で不法投棄のゴミを片付け、整地したものの、その重労働がたたってお母さんは1年間で3度もギックリ腰になってしまった
  • ■ギックリ腰を患うお母さん一人では無理が出来ず、庭の手入れは途中で止まったままの状態
  • ■お母さん手作りの倉庫があるものの、その狭さ故、収納しきれない工具や材料が、ビニールシートをかけた状態で庭に放置されている
  • ■手作り倉庫の扉は内開きのため、中に入って後、扉を閉めなければ荷物を取り出せず不便
  • ■赤土で水はけが悪く、雨の日は駐車スペースが水たまりでぬかるみ、車がスタックして出せなくなる
  • ■水はけの悪い土壌のため、土を盛って上のほうに植えないと、植物の根が腐ってしまう
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この家、実はこの人の実家なんです!

写真:依頼主の顔写真

ユージ

お母さんの楽しみが家庭菜園などの庭いじりなんですが、土地が約50坪もあり、整備するだけでも大変。手伝ってはいるのだけど、仕事が忙しくて僕が行けない間も、お母さん一人で無理して進めようとするものだから、ギックリ腰を患ってしまって…
でも、その趣味は奪えないので、お母さんが楽に作業できる環境を作ってあげたい。
 

リフォーム相談に乗ってくれたのは、この「匠」

写真:「匠」の顔写真

廃材のスタイリスト 金井良一

プロでも大変なこの土地を、女性一人でよくここまで開墾していると思う。
お母さんはプロ顔負けの技術を持っているし、ユージ君も手伝えば、低コストリフォームは可能だと思う。

現場検証 問題解決のために必要なリフォームは…?

二人で整えた庭

画像:ギックリ腰になる庭

「匠」を、出迎えるユージさんとお母さん。
早速、庭へと案内します。
玄関の階段も自分で作ったというお母さんが手がけた庭の飛び石。話を聞いていた「匠」がふと、『ハート型』の飛び石に気づきます。理由を尋ねると、飛び石を埋める作業が地味だったので、たまに遊ばないと続かなかった、とのこと。

画像:ギックリ腰になる庭

最初は雑草が生い茂り、不法投棄のゴミや廃車まで捨てられていた土地を、ユージさんとお母さんの二人で片付けて、重機で整え耕したとのこと。これにはさすがの「匠」もびっくり。

画像:ギックリ腰になる庭

さらに驚くことに、かつて建築関係の仕事をしていたユージさんの経験も活かして、途中までしか無かったブロック塀を、お母さんと二人で庭を一周するように仕上げたそうです。しかも鉄筋も入った本格的な作業。

プロ顔負けのお母さん

画像:ギックリ腰になる庭

ふと、庭に置かれたビニールシートが「匠」の目に留まります。シートの下から出てきたのは、ブロック塀を作ったときのセメントや道具。雨に濡れないようにとシートを被せてあったのです。
自前で揃えたプロ仕様の道具の数々。その中には、テコの原理で簡単に鉄筋が切断できる「鉄筋カッター」も。鉄筋を切断するお母さんはあまりいない、とユージさんも苦笑い。

画像:ギックリ腰になる庭

庭に置かれた倉庫。実はこれ、お母さん手製です。しかもキットではなく、完全オリジナル。外観を見た「匠」は、デザインも含め完璧だと言ってくれましたが、「実は問題あり」とお母さん。付けた扉が内開きで、中に入って扉を閉じないと物が取り出せないという難点が。

画像:ギックリ腰になる庭

更にお母さんの頑張りどころが…水はけの悪い赤土が、駐車スペースをはじめ庭全体を覆っていたのですが、石で壁を作り、土をさらに盛ることで、根が腐らない深さの土壌を持った畑を作り上げたのでした。全てを独学で学んだお母さん。今では30種類もの無農薬野菜を育てています。

畑仕事が楽々こなせる庭に

画像:ギックリ腰になる庭

親孝行リフォームは、「匠」やかつての仲間の助けを受けながら、無事終了。
想いを込めて作った庭がついに完成しました。
お母さん手作りの飛び石の回りに手入れが簡単な和芝が貼られると、生き生きとした緑が鮮やかに映え、庭に出るのがますます待ち遠しくなるアプローチになりました。

画像:ギックリ腰になる庭

庭仕事が好きなあまり、無理をして腰を傷めてしまったお母さんが、少しでも楽に作業出来るよう、60cmも高さがある畑を作りました。
ここでは、今までできなかった根の深い大根や人参などの根菜が育てられます。

画像:ギックリ腰になる庭

植木鉢が雑然と積まれていた庭の西側には、新たに畑仕事に便利な水回りの設備が整いました。地中には、500リットルの雨水が溜められる貯水タンクが設置されています。また、電動ポンプが装備されているので、普段は蛇口をひねるだけで、不自由なく水が使えます。雨水を使うので水道代がかからない上、停電でも使える手押しポンプも装備、万一の時に安心です。

画像:ギックリ腰になる庭

そして、もう一つお母さんの負担を減らすものがありました。足下の赤いバルブを開けると、畑の間を走る緑のホースからスプリンクラーのように自動で散水をしてくれるのです。
50坪の庭の畑仕事を一人でこなすには大助かり!

廃材のスタイリスト

画像:ギックリ腰になる庭

かつて、庭づくりに使う工具や農作業の道具が雑然と置かれていた家の軒先には、畑作業の合間に休憩したり、友人を招いてバーベキューなどが楽しめる多目的なテラスが完成しました。テラスの基礎の中には、本来使う砕石の代わりに、壊したブロックや駐車場からでた土を無駄なく再利用しています。
テラスに置かれた「匠」オリジナルのテーブルは廃材だけで作られており、脚には柱、天板には丸太が使われています。

画像:ギックリ腰になる庭

お母さんが腰を傷めたせいで、作りかけのままになっていた駐車場。ここでも廃材が活用されました。
雨が降るとすぐにぬかるむ赤土には、古タイヤ28本を埋めて滑り止めとしての役割を持たせました。間に砕石を敷いてタイヤをしっかりと固定すると、さらに赤土を敷き、芝生を植えて、緑が眩しい駐車スペースが完成しました。

画像:ギックリ腰になる庭

幅が1mほど広がった駐車スペースの入り口から続く壁は、廃材のアスファルトを『小端積み』という技法で積み上げ作りあげたもの。不規則な断面が自然石のレンガのような独特の風合いに仕上がっていきました。その壁の内側の植栽や、駐車スペース壁面を飾る「残った古タイヤと木の枝で作ったプランター」は、四季の彩りを添えてくれることでしょう。

恩返しを形に

画像:ギックリ腰になる庭

工具や農機具が入りきらなかった、お母さん手作りの小さな倉庫は、「匠」の手によって真っ二つに分けられた後、間をつなげ横幅を広げて約3倍の大きさに。その正面の壁にはユージさんが描いた、燦々と太陽がふりそそぐ真っ青な海と常夏のビーチ。それは、お母さんとの大切な思い出がある、自分が生まれ育ったマイアミの風景でした。

画像:ギックリ腰になる庭

得意の絵で想いを表現したいと、ユージさんが2晩かけて描き上げた絵が印象的な倉庫。
もちろんその中も完璧な仕上げ。
中の広さはおよそ4畳。棚が取り付けられ、工具や農作業の道具を整理して収納できます。

画像:ギックリ腰になる庭

廃材のスタイリストは、無機質で殺風景なブロックの外壁にも、楽しい演出を用意していました。今回参加してくれた仲間たちが、一緒に庭を作った記念にと、裏の空き地に落ちていた枯れ木や、余った廃材を利用して作品にしたものを、この庭の新たなシンボルとして、まるで壁に開けられた窓のように掲げました。

今回お手伝いいただいたユージさんのお友達の皆さん
写真:ユージさんのお友達の皆さん
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