訪れた「匠」を、家族総出で出迎えてくれた木本さん一家。
家の中を見て回りながら、問題のお風呂場へと向かいます。
いざお風呂場を目の当たりにすると、今となっては無駄に広い浴室でした。ただ広いだけでなく、床はタイル、壁はコンクリートなので冬場はとても冷えてしまいます。
そんなお風呂場には、扉が2つあります。ひとつは脱衣所への出入り口。もうひとつは、その扉の向こう側に洗濯場がありました。そんなところに洗濯機があるせいで洗濯をするたびにお風呂場の中を横切らなければいけません。誰かがシャワーを使っているときとなると、シャワーを中断してもらい通してもらいます。しかし床が濡れているので滑りやすく危険な状態。
洗濯物を干すところは、廊下とリビングを越えた先にあるサンルーム。以前は一度庭に出て洗濯物を干しに行っていましたが、室内からいけるようにとリフォームされていました。しかし、洗濯場からかなり離れているのでとても不便です。
いよいよ、リフォームが始まった木本家。
やってきたリフォーム業者は木本さんの地元の仲間たちでした。そんな頼りになる仲間たちの力を借りながら、お風呂場の解体が始まりました。いざ工事が始まり、取り壊されていく我が家のお風呂を目の当たりにした木本さんは、少し複雑な心境のようです。
お風呂場を解体すると、その寒さの原因が判明しました。広い上にコンクリートの壁、それだけでなく、その壁の中に断熱材が入っていなかったのです!そのせいで外の冷気が直接伝わり冷える原因となっていました。
リフォームはお風呂場だけでなく裏庭も。段差がある為、おばあちゃんが降りることのなかったこのスペースを使ってもらえるよう、庭への出入り口と同じ高さにしたウッドデッキを設けようというのです。さらに、その庭の塀も塗装しなおします。ここでも仲間が大活躍、なんと木本さんの相方の木下さんも手伝いに駆けつけてくれました。
リフォームが終わり、新たに動線が整理された、生まれ変わったお風呂場。脱衣所には愛用の洗濯機が置かれ、壁にはたっぷりの収納も設けられています。床は足裏にやさしいウォールナットのフローリングに。もう洗濯のたびにお風呂場を通るようなことはなく、滑って転ぶ心配もありません。
脱衣所にある引き戸を開けたその先には、バリアフリーでつながる新たな浴室ができました。新しい浴室は断熱材でくるまれ、冬場の底冷えに悩まされることもありません。壁は白いタイルで覆われ、大きな窓から光も差し込み、以前よりも明るい雰囲気を演出します。シャワーは浴槽に近づき、もう不便はありません。
お風呂場の天井は湿気に強く、香りもいい檜の板に覆われています。さらに浴室暖房も完備!祖母が寒い時期にお風呂に入っても、ヒートショックにならないように守ってくれます。
浴室の壁には、ステンレスの板にエッジング加工を施した絵が掛けられています。実はこれ、以前の浴槽から切り取ったものを加工しています。その絵はかつて木本家にあった庭の絵。「匠」は、亡き祖父のお気に入りだった庭をお風呂場に甦らせたのです。おばあちゃんの新たな宝物になりました。
大きな窓の向こう側、デッキテラスへと繋がる扉にはある仕掛けが。下半分が雪見障子のように開くようになっており、そこからデッキテラスの木々が見えるようなっています。入浴中もプライバシーを守りながらも、外の風景を楽しむことができるのです。
物干し場のあるサンルームから、高い段差があるため普段使うことのなかった裏庭が、段差をなくしたデッキテラスに大変身!木本さんが仲間と共に作り上げた力作です。そこは風通しがよく、天気がいい日はここに洗濯物を干すこともできます。
脱衣所の中にある、もうひとつの扉もデッキテラスへとつながります。この扉を使えば洗濯場から直接デッキテラスへ出ることができるので、洗濯場との行き来がかなり近くなりました。さらにサンルーム、リビングを通って家の中をぐるっと1周できるので、おばあちゃんにとっては、小さな散歩コースです。
デッキテラスの一角に、使われなくなった階段を利用して木本さんと「匠」特製の小さなベンチが設けられました。洗濯物を干して少し疲れたら、ここで一休みできます。車が行き交うのを眺めるのが好きというおばあちゃん、ここが新たな憩いの場になることでしょう。
リフォームを終えた家を一通り見回った木本さん一家。おばあちゃん想いの木本さんの気持ちは、おばあちゃんにも、家族のみんなにも届いたようです。そして、そんな木本さんの想いを形にした「匠」。おばあちゃんは一生忘れないと、感謝の気持ちを表しました。家族だけでなく仲間との絆によって完成した今回のリフォーム。その絆の大切さを改めて感じました。