2010年1月31日放送
玄関を出るのが怖い家
■建設中止となった2階の基礎だけが、屋根の上に残っている
■掛けるはずだった階段も無く、廊下が無駄に広い
■家中がコンクリートでつくられ、冬寒く夏暑い
■ビニールシートを直接貼っただけのコンクリートの床は、足もとがおぼつかない赤ちゃんにとって特に危険
■屋根から玄関の上にはみ出して置かれた重さ1トンのプレハブ小屋は、直径5cmのたった1本の工事用ポールを支えにしている
■屋上を駐車場として使うために、道路と無理やりつないでいるコンクリートの橋も、同じく工事用ポールで支えており、その橋にはひびが入っている危険な状況
空間構成の自由主義者
長尾 健
とにかく、はみ出た屋上のプレハブ小屋と、道路と家をつなぐ橋の問題をクリアする。そして、コンクリートで出来た家、例えて言うとガレージのような場所で生活しているので、当然、寒くて暑い。そこを生活しやすい家に変えていく。
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赤いカメラをクリックするとビフォーアフターの変化をご覧いただけます
安心と温かさを得る
リフォーム前の家は、硬く冷たいコンクリートに囲まれていた上、危険と隣合わせな環境でした。
その原因の一つだった屋上のプレハブ小屋は解体。支えが不安だったコンクリートの橋も、しっかりとした柱を設置し、家の不安部分を取り除きました。
そして、コンクリートという取り除けない家の骨組みはそのままにしながらも、「匠」は、厚みのある木材や断熱材、ペアガラスなどを駆使し、完璧な断熱対策を施しました。
更に、陽あたりが良い場所には、保温性に優れたタイル風の瓦を敷くなど、アイデアを披露。快適な室内を生み出したのです。
外観も、瀬戸内地方に伝わる伝統的な「焼杉」という外壁材を使って、機能面と見た目の両方で効果を出しました。「焼杉」は、杉板の表面を炭化させることで、腐食しにくく防虫や耐火の効果を高くした、古来の家作りの知恵なのです。
時を超えて設置された階段と
生まれ変わった屋上
本来あるはずだった階段が30年間の時を経て、「匠」の手によって設置されました。
その階段を上がった先には…屋内と新たな役割を持った屋上をつなぐ、塔屋が誕生していました。ここから1階に光が入ったり風が抜けるようになり、快適さが増します。
その塔屋から広がる屋上。建てる予定だった2階の跡である基礎の立ち上がりを「匠」は利用して、その内側に芝生と花の苗を植えました。こうして出来上がった緑の絨毯で、外気からの断熱だけでなく、家族の憩いの場としての役割を持ったスペースが出来上がりました。
そこは、岡山の眺望を独り占め出来る、家族のもう一つのリビング。芝生の上で遊ぶ我が子を見守りながら、ウッドデッキでのんびりティータイムが楽しめます。
また、暑さの原因でもある日当たりの良さを、存分に利用できるよう太陽光発電パネルを設置。これで1ヶ月におよそ1万円の節電を可能にできるのです。
趣味を楽しめる家
ご主人の趣味は、モトクロスバイク。始めて3年ですが、国際ライセンスを持つほどの腕前です。
そんなご主人の為に、屋上の塔屋の側には、モトクロスバイク専用の整備スペースが。
座って作業できるベンチもあります。このベンチ、座面を開けると、そこは工具入れに。ご主人のモトクロス熱も、ますます磨きがかかることでしょう。
ご主人のモトクロスバイクの趣味は玄関でも目に飛び込んできます。扉を開けた正面に飾られているのは、モトクロスバイクのグッズやトロフィー。
中でも視線を集めるのは、その後ろにディスプレイされたご主人の勇姿。実はこれ、カメラが趣味の奥さんが撮った写真なのです。
「匠」は、夫婦の一番のお気に入りの写真をメラミン樹脂の化粧板に転写して、ギャラリーのように仕上げました。
岡山県岡山市
センコーホーム岡山(株)
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