2011年3月6日放送
お風呂にカニが住む家
■正面からは2階建てに見えるが、かつての石積みの堤防の上に家の半分を乗せた形で建っており、裏から見ると3階建てに見える特殊な造りになっている
■幅45cm、傾斜角50度の2階に上がる階段は、上がりきった所に踊り場が無く、階段の途中から部屋に出入りしなければならない
■地下に下りる階段は、幅42cm、傾斜角60度と更に酷く、天井が低いこともあり、真っ直ぐ立って上り下りできない
■地下に下りる階段の頭上には、柱を無理やり切って置かれた冷蔵庫があり、万が一落ちることがあれば一大事となる
■冷蔵庫を切った柱の上に置いたため、奥さんの背丈では踏み台を使わなければ食材を取り出せない
■お風呂やトイレ、洗濯機など水回りが集中している地下はゴツゴツとした岩肌がむき出しの状態で、湿気がこもり、野生のカニの住処にもなっている
■元々宝石珊瑚の加工場だったため、建坪8坪の小さな家には不釣合いな広さの玄関で、玄関を挟んだ2部屋の行き来では、宙を跨がなければならない
素材使いの風雲児
蒲原 章
室内に堤防がある家を見たのは初めて。後1年もすれば子どもさんが歩き出す。そうなると、この家で暮らすこと自体が非常に危険。この特殊な立地条件を活かしたプランを考えたい。
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赤いカメラをクリックするとビフォーアフターの変化をご覧いただけます
収納たっぷりの通り土間
玄関から地下への階段まで真っ直ぐに貫く通り土間。そこには「匠」のアイデアと心配りが散りばめられていました。
スチール素材に木材を組み合わせた玄関扉は、デザイン性と実用性を兼ね備えた「匠」のオリジナル。
玄関を入ってすぐ右側の壁には、家族3人分の靴がスッキリ収まる下駄箱が。ベビーカーも専用のラックが用意され、ラクラク仕舞えます。
足下の段差に収納も確保された開放的な玄関ホール。その収納の上には、空調効率を高めるアクリルがはめられた3枚の格子の建具が。この建具には、上半分を下にスライドさせて、部屋の空気を入れ替えることができる心憎い工夫も。
通り土間の一番奥には、地下への階段が。階段には、まだ幼い子どもの為に転落防止柵も用意。その階段を下りて扉を開ければ、そのまま緑豊かな広大な公園へと足を運べる、素敵な動線が生まれました。
納戸として生まれ変わった地下
カニの住処にもなっていたむき出しの岩肌から常に水が染みだし、まるで洞窟のようだった地下は、徹底的に湿気対策を施し、壁一面に収納棚が設けられた納戸として生まれ変わりました。
通り土間から続く階段の奥行きを有効活用した高さの違う5段の引き出しは、容量たっぷり。
天井には、1階の寝室と直接行き来できる縄ばしごが。これで不便だった地下をより効率的に使うことが出来ます。
夫婦が好むレトロな風合いの家具
「匠」は、依頼者夫婦が好きだというレトロな風合いを、家具や建具に取り入れました。
玄関ホールに置かれたレトロなスリッパ立ては、かつての2階への階段を再利用したもの。
1階の書斎では「匠」特製の備え付けの机と収納が、その趣を醸しだしていました。現在はご主人の書斎ですが、将来的には子供部屋として使われることでしょう。
新生活の中心となる2階のリビングダイニング。こちらでも落ち着いた色で統一された「匠」の特製家具が若い夫婦の暮らしを彩ります。
壁に備え付けられた引き出し収納に隠されていたのは、階段でした。収納の天板も階段の役目を果たし、スペースを有効活用。その階段を上がった先に続くのは、小屋裏。畳4畳分の広さを誇り、収納スペースとして十分な空間を確保しました。
多機能なキッチン
2階に設置された奥さん待望の広々としたキッチンは、全て開放できる窓を通して、家の目の前にある公園の景色が一望できます。
可動式の板を使えば作業スペースも有効に使え、引き出し式の水きりかごは、洗い物を楽におさめることが出来ます。
容器を横にして差し込む調味料入れには、この家のリフォーム前の柱を再利用しました。
キッチンのすぐ傍らに備えられた作業デスク。その下のワゴンに収納してある子ども用の椅子を、ワゴンに乗せてシンクに横付けし、キッチンの扇形の板をスライドさせて、椅子に固定すると…
なんと言うことでしょう!お母さんが水仕事をしながら、お子さんを見守ることが出来るテーブルが完成。くぼみに食器を置けば、ここで食事をすることも出来ます。
そんな多機能なシステムキッチンの裏側には収納があり、その扉が、そのまま階段の転落防止柵にもなっていました。
高知県高知市
フクヤ建設株式会社
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