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2012年1月29日放送

兄が帰れない家

この物件が抱える問題

  • ■通りに面した家の正面は店舗なので、玄関は隣家との間の細い路地の奥にある。路地の地面はがたがたで足場が悪く車椅子では入れない
  • ■玄関は極端に狭く、家の中に1人ずつしか入れないので苦労する
  • ■1階の生活空間はお風呂とトイレ以外に8畳一間しかなく、一家6人で生活するにはあまりに窮屈
  • ■車椅子と家族の介助が必要な兄と一緒に暮らすには不便な間取り
  • ■お風呂場の脱衣所は非常に狭く、着替えることが困難なほど。仕切りがカーテンなので年頃の娘たちは気を使う
  • ■トイレもとても窮屈で、座ると壁に膝が当たりそうになる。車椅子では到底使えない
  • ■2階へ続く階段は急なうえ、物干し竿を手すり代わりに付けただけなので危険が伴う
  • ■2階は廊下がなく4部屋が繋がっており、プライバシーがない状態
  • 写真:サムネイル
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この問題を抱えた物件に、立ち上がった「匠」とその技

写真:「匠」の顔写真

人と空間の交渉人 中西ヒロツグ

間口が約2間半しかなく店舗部分が大半を占めていて、かなり狭い印象。この中で家族6人が生活するのはかなり厳しい。お兄さんが帰ってくると、その動線や生活スペースを考えると、どのような間取りにするのか非常に難易度の高いリフォームになりそう。

全ての問題を解決したそのビフォーアフターをご覧ください!!

赤いカメラをクリックするとビフォーアフターの変化をご覧いただけます

家族の幸せを願った「匠」からのアイデア

コンパクトかつ機能的な店舗
長年叔父さんが営んできたバイクの修理屋さんは、住居部分を増やすために規模を縮小しながらも、以前よりずっと機能的になって再オープンしました。面積は小さくなりましたが、間取りを工夫し立体的な構造にすることで、これからお店を続けていくのにちょうどいい広さを確保しました。

「匠」は縦の空間を有効利用。たくさんの荷物を収納できるロフトを作り、その下にデスクや十分な作業スペースを確保。

デスクの脇の収納棚を、ぐるっと回転させて固定すれば、ロフトへ上がるための互い違いの階段に早変わり!脚立や梯子よりも上り下りしやすいので、重い荷物も楽に運ぶことができるでしょう。
画像: 匠のアイデア
フラットにつながる1階
玄関は以前よりかなり大きく3倍の広さに、かつてのように一人ずつ玄関を上がるようなことはもうありません。

コンパクトながら機能的なキッチンは、昇降式の水切り棚のおかげでお母さんも楽に家事がこなせます。さらに可動式の作業台が備えられており、料理の準備や洗い物の際には活躍してくれそうです。

「匠」がこだわった収納は、壁面や食卓のベンチの中などあらゆるところに設けられており、限られた空間の中で家族6人が快適に暮らせるように隅々まで工夫されています。

さらにテーブルにもひと工夫。車椅子の行き来の邪魔にならないよう、普段は4人掛けのテーブルは、折りたたんである天板を上げれば家族6人で仲良く食卓を囲むことができます。

ダイニングキッチンの奥、お母さんとお兄さんの寝室には、二人分の洋服が納まるたっぷりの収納が設けられました。その収納には、背の小さなお母さんでも楽に洋服を取り出せるように、棒を引っ張ると上段の洋服掛けが降りてくる仕掛けが。

部屋の間仕切りは、カーテンにすることでお兄さんの様子をうかがえるようになっており、お母さんも安心です。
画像: 匠のアイデア
車椅子で生活しやすく
玄関に新たに設けられた大容量の靴箱は、3世代6人の靴を十分に収容できます。それだけでなく、靴箱の一角には電動車椅子がおける充電可能な専用スペースも。床はバリアフリーで、玄関ホール目の前にあるトイレの出入りも楽々。

作り直されたトイレは車椅子でも十分な広さ、お兄さんの協力を得て使いやすいように設計されました。手すりや便器、洗面台にいたるまで、全てが計算の上で配置されているのです。

さらに洗面台にもアイデアが、扉の中に歯ブラシを寝かせて固定できるように作られています。お兄さんの生活がさらに便利になるでしょう。
画像: 匠のアイデア
使いやすく生まれ変わった2階
もともと廊下がなく、部屋が縦に並んでいた2階は、妹一家4人の生活スペースに。新たに生まれた廊下の一番奥には、夫婦の寝室が設けられました。この寝室にも2人分の荷物が収まるよう、可能な限りの収納が壁際に設置されています。

今後、お兄さんは施設の入浴車を利用するため、お風呂や水回りを2階に集約。そうすることで、1階の生活スペースをより広くすることができたのです。

夫婦の寝室と廊下を挟んでできた姉妹の部屋には、「匠」特製のキャビネットとセットになった勉強机を用意。この机にも仕掛けがありました。机の天板を上げると、なんとドレッサーが仕込まれていました。「匠」の細かい配慮が光ります。

さらにこの特製家具は可動式なので、家具を背中合わせにすれば必要に応じて部屋を分けることが出来ます。

これまで使っていなかった屋根裏も有効利用。かさばる荷物や、季節用品を収納しておけるおよそ4畳もの空間を確保しました。
画像: 匠のアイデア
今回お手伝いいただいた工務店の皆さん
写真:工務店の皆さん
千葉県船橋市 石井工務店
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