2015年11月15日放送
窓の外でシャワーを浴びる家
■店舗兼自宅の玄関扉の幅が約50cmと狭く、車椅子のお客さんが入れない
■玄関土間が狭く靴の置き場所に困る
■収納不足で玄関に食器入れを増設している
■畳敷きの客席には段差が多く、カウンター席後ろの通路は狭く通りにくい為、荷物が当たり壁に擦れた跡がつく
■カウンター席のすぐ後ろに唯一のトイレがあり、家族も兼用で使っている
■家族の食卓も台所も、店と兼用
■厨房が狭く、収納不足で荷物が動線を邪魔している
■作業台は奥行が狭く窮屈
■2階の住居にあがる階段が急傾斜で、幅54cmと極端に狭い。荷物が上げられない
■押入れがなく床の間をカーテンで仕切って収納に。布団を仕舞う場所がない
■高い段差の窓の向こうにあるベランダに水回りを増設
■広さや重さの関係で、浴槽のあるお風呂は作れませんでした
■増設した水回りが母屋の屋根より高く、台風などで吹き飛ばされる危険がある
■1階の屋根に水回りの荷重がのり構造的に不安
型破りの薩摩隼人
宇都博徳
2人住まいとはいえお店を続けるため、9坪という究極的な狭さに生活空間の充実は難しい。住居と店舗をきっちり分けることが本当にいいことなのかも検討課題
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赤いカメラをクリックするとビフォーアフターの変化をご覧いただけます
「どんぐり路」をイメージした快適な住居兼店舗の玄関
幅が狭かった引き違いの扉は、間口の広い一枚扉に替えました。
店先でお客様をお迎えする砂で作ったかわいいリスたちは、地元出身のプロの砂像彫刻家 茶圓勝彦さんの作。
夜は明かりを灯してあんどんに。店の名前「どんぐり路」をイメージし、たくさんのお客さんに来て欲しいという願いを込めました。
間口が広がり、車椅子でも出はいりできるようになった土間敷きの店内。店名の由来にもなった、息子さんが小学生の時に書いた詩を大きく拡大して、店に入ってすぐ脇の壁に転写しました。
これまで店のまん中にあったトイレを入口側に移し、客席から離すことで音や臭いの心配を解消。
2階の住居への入口と階段を、玄関のすぐそばの引き戸の向こうに設けました。これからはお店を通らずそのまま2階に上がっていくことができます。
鉄骨で吊り下げ式にした階段の下には、以前はまったくなかった靴箱が。しかも、こんなにも大容量。
薄くても丈夫な竹の集成材を踏み板に使った階段は、傾斜が緩やかになった上、幅も前より20センチ以上広くなりました。
こだわりの店内装飾
客席から見える、可愛らしいメニューボード。
お母さんに開店祝いをしたいと大坪家の兄妹2人が匠と共に、自分たちで描いたアイデアスケッチを元に作ったもの。
カウンターテーブルの天板として利用したのは、鹿児島県産として有名な屋久杉の端材。
端材とはいえ、木目を見れば立派な屋久杉。高級感あるカウンターテーブルへと生まれ変わりました。
至る所に鹿児島の素材が散りばめられた店内。
手水鉢に使ったのも鹿児島で採れた石。その上の鏡の周りであでやかな光を放つのは、鹿児島を代表する伝統工芸品である薩摩切子。鏡の照明代わりに使い、その細工の美しさを際立たせました。
座敷席が大活躍
テーブルを囲んで座れる座敷席を残して欲しいと言うお母さんの要望に応え、足を下ろせる掘りごたつのあるお座敷を用意。人数によってテーブルの位置も変えられます。
大当(おおとう)の石を生かした坪庭を背に、足下には床下暖房を備え、桜島の溶岩プレートで蓄熱効果を高めました。
座卓を床下に仕舞うことができ、客間にもなります。
さらに、大容量の収納としても大活躍。
厨房と床がひと続きになっているので、配膳や片付けにも便利。
そこから、そのまま2階へも行けます。
水回り設備一式を室内に
お客さんを気にして我慢することもあったトイレが2階にも出来、母と娘、女性2人の生活にうれしい広い洗面台も。
大坪さん親子がずっと憧れていた湯船にゆっくり浸かれるお風呂。
10年ぶりにようやく夢が叶いました。
その水回りに面した廊下には、両側の壁に洗濯機置き場や収納スペースを確保。
収納やアイディアがいっぱいの寝室
2階に出来た廊下に面して母と娘それぞれの個室が完成。
南向きの大きな窓があるお母さんの部屋。
建具で仕切れるインナーバルコニーには、洗濯物をたくさん干すことができ、その隣には、階段上のデッドスペースを利用して、大容量のウォークインクローゼットを設けました。
2階の一番奥が、娘さんの新しい寝室。
廊下から段差なく入れる部屋の壁一面に大容量のクローゼットを作り付けました。
さらにその上に、広さが2畳分もあるロフトまで。
オシャレが楽しいお年頃。これだけ広いスペースがあれば、いくら洋服が増えても心配ありません。
何よりうれしいのは、誰にも気を使わなくて済むこと。
鹿児島県鹿児島市
丸久建設(株)
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