隆生役 知念侑李(Hey! Say! JUMP)インタビュー
- 初めて出演を知らされたのは、マネージャーさんが何も言わずにただ「はい」って封筒に入った台本を渡してきたときです。中をのぞいたら、「必殺」って文字が見えて、「まさかあの『必殺』じゃないよな」って思いながらも緊張しました。取り出してみたら、やっぱり『必殺仕事人』だったので、本当にびっくりして。
台本を開いて、僕の役の下に「(仕事人)」って書かれているのを見たときは、本当に自分にできるのかって思いましたね。人気シリーズに大事な役で出るっていうことは、やっぱりすごいプレッシャーですよ。
- でも、いざ現場に入ってみたら、独特のやり方に驚いてしまって、プレッシャーも忘れました。ふつうは、撮影を始める前にシーンの最初から最後まで段取りして流れを確認してから、ひとつひとつのカットを撮っていくんです。でも、この現場では、その段取りがないんです。だから、演じていても次に何が起こるかわからないんですよ。今までいろいろな現場をやってきましたけど、こういうやり方は初めてだったので、最初はとまどいました。
実は、撮影に入る前日に東山紀之さんと松岡昌宏さんと一緒に食事に行って、「台本はあてにならない」っていう話を聞いていたんですよ。僕も現場に入ってみて、その意味がわかりました。
たとえば、台本に「月の見える丘」って書いてあったのに、現場に行ったら「滝のある川」で、そんなに変わっちゃうの?って(笑)。そこまで変わっちゃうと、想像すらできないですよね。本当に「台本はあてにならない」んだって思いましたね。
- この隆生という役は本当に重い役です。こういう役は今まで一度もやったことがなかったので不安でしたし、大変でした。
演じているときに気づいたんですけど、今回の僕はぜんぜん笑ってないんですよ。いつもの仕事では笑顔が多いのに、このドラマではぜんぜん笑顔がなくて、自分でもそれが少し辛く感じたときもありました。
でも、それは、隆生という人間が本当に辛い思いや苦しい思いをしてるってことですから、なんとか前を向いて生きていこうとする隆生を演じようと努力しました。隆生がどういう過程で仕事人になるのかは、みどころだと思います。
- 東山さんと松岡さんからは、撮影前に緊張しなくて大丈夫だよって声をかけていただきました。撮影の合間でも、いろんな場面でいじられたりしているうちに、先輩と共演するっていう緊張はなくなりましたね。
やっぱり先輩方の演技を見ていると、自分にあんなふうにカッコいい演技ができるのかなって感じることは多いですけど、いつかは僕も挑戦してみたいですね。そのためには、どうしたらカッコよく見えるか、もっとアクションを研究しなければいけないと思っています。
- 高橋英樹さんは、オーラがすごかったですね。冬の撮影だったので現場はすごく寒かったんですけど、暖房のところに高橋さんがいると、なんだか近づきがたい感じがしてしまって、寒いところでガマンしてました(笑)でも、川に入ったシーンの後に体を温めるときにご一緒させていただくことができて、昔の撮影のエピソードをたくさん聞かせていただけたのは、すごく勉強になりましたね。
佐々木さんは、なんていうか、ふわっとした雰囲気の人です。現場に入るとすぐに監督とも打ち解けて楽しそうに話してるんですよ。僕は、あまりコミュニケーションが得意じゃなくて現場でうまく会話できないことがあるので、いつも佐々木さんを見ながら「いいなあ」って思ってました(笑)
- 特殊メイクは初めてだったんですけど、3時間かかるんです。まずそれにびっくりしました。メイクをしていただいている最中につい寝ちゃったんですけど、気がついたらもうツルツルで(笑)自分の顔みて笑っちゃいました。今まで坊主頭にしたことはないですけど、一度やってみたいと思っていたので、うれしかったです。みんなに似合ってるって言われたのも、よかったですね。
- 隆生が初めて「仕事」をするシーンは、すごく大変でした。表情にしても、自分では相手をにらみつけているつもりでも、監督からは「目が優しい」と言われてしまったり。もっと勉強しなきゃいけないですね。
『必殺』は「スマートにカッコよく」っていうイメージだと思うんですけど、今回の僕の場合は、もっと人間らしさが出ていると思います。残酷さの中にも、ちゃんと人間らしさが出ていることが大事なんです。初めて挑戦した「仕事」のシーンをぜひ見ていただきたいですね。