渡辺小五郎役 東山紀之インタビュー
- 監督をはじめ、スタッフのみなさんも変わらず、素晴らしいプロフェッショナルの方たちばかりなので、すぐに現場の雰囲気に溶け込めましたし、役もいい意味で染み込んでおりますので、ふるさとに帰ってきたような気持ちを持ちながら、決意を新たに演じました。
- 僕自身が時代劇を始めたのが19歳、知念が20歳ということで、同じような年頃でこういう世界を経験するのは素晴らしいことです。彼がこの経験を将来につないでいってくれるものと信じて、期待しながら見守っています。
(昔の自分とくらべると)僕のほうが大人っぽい感じがしますね。子供っぽい童顔の彼がどう仕事人になっていくのか、そのギャップが今回、非常に重要な見せ場になっています。監督をはじめ、スタッフみんなが考えて知念に素晴らしい役を用意してくれました。知念自身も、2月の寒さの中で水の中や豪雪の中で演じているので、そのがんばりがみなさんに伝わるといいですね。
- 70歳になられたそうですが、2年前とほとんどかわっていないですし、そのすごさというか、存在感の大きさをあらためて感じました。今回も剣を交える場面があるんですが、向かい合った僕だからこそ感じるスケール感と力強さがありますね。さらにパワーアップされて戻ってきた英樹さんと、こうして同じ空気を吸えるのは光栄だと思いながら、良い日々をすごさせていただきました。
役の上では、お互いに尊敬する部分もありつつ、ライバル心が強くもあり、負けられない部分もあります。その関係性の強さが、英樹さん演じる仙吉と小五郎との間に、暗黙の了解のように存在しているように感じますね。それがいい相乗効果を生んでいるのは、僕ら自身もうれしいです。
- 世の中の不条理や理不尽な出来事を、ドラマ性の強いかたちで表現するのは僕らの役目でもありますし、それによって視聴者のみなさんにストレスを発散していただいたり、共感していただいたりできると思います。
必殺の良さは、市井の人々が感じている、いま現在の空気を社会風刺という形で時代劇として表現するところですから、それを視聴者のみなさんがどういうふうに感じるかは僕自身も楽しみです。必殺はとても深い歴史を持っていますし、そういうスタイルを貫いていますから、きっと面白さを感じていただけると思います。