7月に100周年を迎える新世界。当初は娯楽を集めた遊園地があり、街全体がテーマパークのようでした。通天閣は、昭和18年に火災に遭い一度解体。昭和31年に、地元の人々が資金を集めて再建しました。100周年を機にお色直しした黄金の展望台には、3代目ビリケンさんがまつられています。

新世界から程近い動物園前一番街にある｢南自由軒｣は、大正10年創業の老舗洋食店。創業当初から変わらない日本人好みの味つけの洋食を作り続けています。名物のオムライスは強火で一気に作るためごはんがベタつかず、うまみが凝縮しています。

新世界には昭和の雰囲気を残した喫茶店があり、名物メニューも当時のままです。そんな名物メニューに合わせたい飲み物が、「冷コー」。かつて大阪の喫茶店ではアイスコーヒーをそう呼んでいました。そんな喫茶店文化を再び盛り上げようと店主たちは「冷コー」という名前を蘇らせています。

通天閣のたもとに建つ一軒の洋館風の建物は、建築家・石井修氏の手により、昭和28年に喫茶店として建てられました。映画「カサブランカ」をイメージしたという外観やインテリアの装飾の見事さは時代を経てもなお色褪せません。今はギャラリーとして活用されています。