北山杉の産地としられる京北。最近は床柱としての需要が減って、山林の手入れが行き届かない状態になっていました。そこで農林業を営む村山さんは、北山杉の新たな利用方法として、油を取ることを思いつきました。手作りの蒸留装置で取り出した油は、北山杉100％の天然アロマオイルとして人気です。

山あいに建つ古民家は「泡糖（カルメラ）工房」と名づけられたアトリエです。あるじの和田さんは人呼んで、工芸界のパティシエ−ル。お菓子をモチーフにした家具や小物を作っています。なかでも、和田さんの名前を一躍有名にした作品が、いちごロールのかばん。2015年に開催されたミラノ万博に出品されました。

仕出し屋さんを営む畑段さんは、京北生まれ京北育ち。故郷の料理人として、京北ならではの名物を作りたいと常々考えていました。そこで、サバずしを削った北山杉で包むことを思いつきました。海のうまみと山の香りがとけあう、その名も杉鮓。翌日でもおいしくいただけるので、おみやげにも重宝されています。