簪などに使われる「つまみ細工」は、正方形に切った生地を折って花びらを作り、1つ1つ花を組み上げていく技法です。こちらのお店では、創業時は糸問屋だったという伝統を守り、糸から染めた上質な正絹を使っています。今宮神社に厄除け祈願のため奉納したというつまみ細工の大くす玉は、おかみが企画。全国の有志の方が送ってくれたおよそ5000輪の花でできています。現実では集まれなかった期間に一つのものを作る喜びを分かち合えたそう。

高級料亭が立ち並ぶ嵯峨嵐山で、手土産として喜ばれたのが、このお店の代名詞でもある白い桜餅です。道明寺粉の色そのままの皮で漉し餡を包み、大島桜の2枚の葉で挟んであり、箱を開けるとまわりに桜の香りが漂います。もう一つの名物が、小倉百人一首が生まれた嵯峨嵐山ならではのお菓子、百人一首もなか。袋の中にかるたが同封されており、何が出るかはお楽しみです。