その昔、この先の辻にも人家があり、そこに生活があった。 街道の両側に石垣が組まれ、猫の額ほどの平地が突如として現れた。 今、そこは竹に覆われ、初夏の日差しが眩しく降り注いでいる。 道はいよいよ下りとなろういうのに、何かそこから立ち去りにくくて、ついつい振りかえってしまうのはどうしてだろうか。