発心門王子にて

 熊野と聞くと、どうしても鬱蒼とした深い森を思い浮かべるのは、私だけだろうか。
 確かに見渡す限り山だということには違いない。
 背の高い木々に包まれたこの発心門王子でも、私の心を奪ったのは、竹筒から流れ出る清らかな水であった。
 木漏れ日に輝くその光景に、神聖な空気を感じずにはいられなかったのだ。

 
熊野街道
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Photo&Essay:Shuji Enmando