漁村にて

まるで装飾品かのように整然と並べられ、
吊るされている干し魚たち。
ひとつひとつ人の手によって、丁寧に捌かれ天日を浴びる姿に、
日頃忘れていた「何か」を思い出したような心境になった。
自分が食べているものが、どこでどうやって獲られ、
どんな人の手によって、それが加工され、運ばれ、
自分の口に至るのだろうか、と。
目の前の無言の魚たちは、海中を飛ぶように泳ぎ、
精一杯生きていたことだろう。
それが今、次の目的のためにここに横たわっている。
次の目的、それは人が生きるためにその命を捧げること。

 
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Photo&Essay:Shuji Enmando