まるで装飾品かのように整然と並べられ、 吊るされている干し魚たち。 ひとつひとつ人の手によって、丁寧に捌かれ天日を浴びる姿に、 日頃忘れていた「何か」を思い出したような心境になった。 自分が食べているものが、どこでどうやって獲られ、 どんな人の手によって、それが加工され、運ばれ、 自分の口に至るのだろうか、と。 目の前の無言の魚たちは、海中を飛ぶように泳ぎ、 精一杯生きていたことだろう。 それが今、次の目的のためにここに横たわっている。 次の目的、それは人が生きるためにその命を捧げること。