気比の松原

広い砂浜に延々と続く松原。
昔、この国の多くの海岸が、このような光景だったのだろう。
松の木陰に、腰を下ろし、遠く水平線に想いを馳せる。
海岸を見渡すと、まだ海水浴のシーズンでもないのに、
多くの人たちが、同じように海に向かって座り、語らい、
読書し、そしてなにもせず、ただ海を眺めていた。
ここには街に溢れている情報など、なにもない。
人々は海に何を求めてここに集まってくるのだろうか。
それでも人々はここに集まってくる。

 
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Photo&Essay:Shuji Enmando