■テレビでよしもと新喜劇を観ていたら、終幕近く、『マキザッパ』で悪者をパンパン叩きまくるシーンがありました。まだあるんだ~マキザッパ。ご存知ですかマキザッパ?■長さ数十センチ、弾力のある棒状の素材を茶色っぽくコーティングしてある、吉本独特の謎の小道具です。人を叩く時だけに使います■例えば履いているスリッパを脱いで相手の頭を叩くとか、目の前の灰皿でポコっとやるとかなら、まあ、舞台上のモノを自然に利用した芝居といえるわけですが・・・このマキザッパ、何の必然もなく、舞台の物陰にさり気なく置いていあります。そして、誰かを集団でボコボコにする段になるといつの間にかみんなが手にしている。シュールだなあ■(長らく本物を間近で見ていないので間違ってたら申し訳ないですが)芯の素材にビニールテープを巻いて作るので『巻きざっぱ』かと思っていたのですが、どうやら正しくは『薪雑把』。本来は薪にするための木切れですね。だから、木肌のイメージで茶色い。新喜劇伝統の小道具なわけですが、実はまもなく、年に一度の晴れ舞台がやってきます■そう、大晦日恒例の超人気番組『絶対に笑ってはいけない』シリーズで、笑った人のお尻を叩くのが、たしかこのマキザッパなんです。なんだか面白いなーと思いますね、温故知新というか何というか・・・■吉本で人を叩く道具としてはもうひとつ、『ハリセン』が有名です。こちらは東京発のバラエティ番組でも罰ゲームなんかに登場したりしますが、大抵"ベチャッ"と頼りない音しかしなくて全然面白くない。お店に売ってるものではないのでスタッフが作るわけですが、あれ、あまりしっかり折り目をつけるとコシがなくなって駄目なんですよね■厚紙をフワッと軽く折り曲げ、それを2枚分重ねてビニールテープで張り合わせボリュームを出す。これが正式です。ハリセン作りは、ふた昔くらい前まで大阪のテレビ局のAD修業のひとつでした。チャンバラトリオさんから直接教わったり、その伝統製法を正しく受け継ぐ先輩から教わったり。懐かしいな■あー、今から誰かを殴りに行こうか(艦長)
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- 2010年11月06日土曜日