2017年3月
■ご無沙汰しております、艦長です■2008年5月の開館より、このABCホールの責任者として誰に断ることもなく「艦長」を名乗っておりましたが、ついに本日、この名を返上する時がやってきました。定年退職です。2007年の3月から開館準備の業務に携わっていたので、ちょうど10年になります。いやあ、いろいろなことがありました。でもこれまで大きな事件事故を起こさず、このホールが関西の舞台芸術の発信場所のひとつとして皆様に認知してもらえるように育ったのは、ご来場いただいたお客様、上演団体の皆さん、そしてド素人の僕を支えてくれた技術担当の柴田さん、制作の猪瀬さん、宮川さんを始めとするプロフェッショナルな皆さんのお蔭です。感謝の気持ちの一端を、ここに記させてください■元々演劇や演芸が大好きな性分で、そういう芸能に関わりつつ、自分でも作品を作り、広く発信し、なおかつ安定した生活も得たいというずうずうしい思いから放送局を志望し、願いは概ね叶えられ、最後は小劇場の支配人という、夢の原点とも云えそうな職を得ました。幸せな人生だね、とよく言われます。実際そうだと思います。有難いことです■でも・・・これは偏に僕の力不足からなのですが、10年前、「キミ来月から新ABCホール担当ねー」と、人事担当者から電話で告げられ、正直に告白すればかなりのショックを受け、無論一介のサラリーマンとしてその定めは受け容れざるを得ないと覚悟した時から、ずっと念じ続けてきた僕の目標は、遠くに霞んだままです。それは、ABCホールが、舞台芸術とこの会社の本業である放送を多角的に結び付ける架け橋になることです■ABCホールで上演された舞台作品を放送する、あるいはABCホールで活躍する舞台人がラジオ・テレビの出演者や作家として起用される、というのがまずはシンプルな形。一歩進んで、たとえば劇団と局が人とノウハウを出し合って、複数のメディアにまたがったコンテンツを構築する、などということも考えられます。放送業界も困難な時代に突入して久しく、こんな夢見がちな発想はきっと一蹴されるわけですが、巨大なお笑いプロダクション以外にも、将来の放送界を担うべき人材は隠れているに違いないのです■昨年、この朝日放送で『第1回 劇的!ABCドラマグランプリ!!』というテレビ番組が放送されました。関西で活動する演劇人を対象とした短編コメディの脚本募集に、およそ100の応募があり、3本が実際にドラマ化されました。「劇場には、こんなスゴイ才能を持った人たちがいたのか!」という、若いテレビディレクターの驚きがこの企画の原点にあります。僕が一番嬉しかったのは、その思いです。全体としては色々反省点もある1回目だったとは思いますが、なに、今をときめくM-1グランプリだって、1回目の審査方法なんか日本中から酷評されたのです。今なら大炎上です。願わくば、この小さな灯がこのまま消えてしまわないことを祈ります■そんなわけで、この9年、僕は何も出来ませんでしたが、劇場というのは有難いもので、たくさんの出会いがありました。「次もよろしくお願いします」と言われればホっとし、「いつかはここでやりたいです」と言われれば涙してしまいそうになりました。うん、いいものです劇場は。これからもABCホールをよろしくお願いします。長い間本当にありがとうございました!(2017年3月31日 艦長・山村啓介)
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- 2017年03月30日木曜日
中之島春の文化祭2017屋外ステージ出演者発表!!
さて、中之島春の文化祭2017ホール内の事前ご予約開始は
この土曜日、4月1日(土)10:00AMよりホールWEB内の
チケット申し込み より予約が可能になります!
そして、文化祭はホール内だけではございません!
屋外ウッドデッキステージは観覧無料で素敵な音楽が奏でられております。
屋外ステージ出演者も決定致しましたのでご案内致します◎
5月3日(水祝)
12:30~
ダイナマイトしゃかりきサ~カス/JBQ/Permanent Fish/MITUNGO、
14:30頃~
シマクマガンホーズ/オオザカレンヂkeisuke/大久保茜/佐合井マリ子
16:30頃~
康伸with WA YO SET/清水明日香/大野賢治/ダイナマイトしゃかりきサ~カス
5月4日(木祝)
11:30~
ダイナマイトしゃかりきサ~カス/ボイスオブウェストハーレム/Cooley High Harmony
お花畑heads
13:30頃~
AGATA/プラモードレシピ/human note/チキンガーリックステーキ
15:30頃~
岩本三千代/Another Sky/ruua/SugarS/ダイナマイトしゃかりきサ~カス
観覧無料
荒天中止の可能性有り
出演者の変更、出演時間の変更の可能性もあり。。。ですが
何か不測の事態がおきましたらABCホールTwitterで発表致しますので
是非ともチェックしておいてください!
【飲食ブースも今年も充実♡】
こだわりのメニューを引っさげてバラエティ豊かなお店が今年も出店!
ホール内、屋外でお楽しみの間におなかも満たせます!
売り切れ御免ですので、是非お早めにチェックしてください!
【ウッドデッキ解放開始時間】
設営の都合上
5月3日(水)は11:30より、4日(木)は10:30よりウッドデッキの解放を行います。
が、それ以前はお立ち入りいただけませんのでご了承くださいませ。
あとは本当に「晴れますように!!!!!!!祈!!!!!!」
皆様のご来場お待ち申し上げております!(乗組員N)
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- 2017年03月30日木曜日
アジア各国・地域の様々なジャンルの映画が上映されています!
各日、各会場の上映日程は大阪アジアン映画祭 公式サイトを要チェックです!
さて、先日「開催日程&出演者」の発表を行いました、
5月3日&4日開催の「中之島春の文化祭2017」
今日はチケットについてご案内します♪
4月1日(土)10:00AM〜チケット予約受付を開始します!
先日のブログでもお知らせしたとおり、この2日間の文化祭、
5月3日→【Aブロック】【Bブロック】【Cブロック】
5月4日→【Dブロック】【Eブロック】【Fブロック】
と、全部で6つのブロックに分かれています。
そこで今年も、一日楽しめる【1日通し券】と、
A〜Fブロックの中から選んで楽しめる【1ブロック券】、
2種類のチケットをご用意しました!
※各ブロック終演後に、ブロック券(2F席)
[チケット料金]
【1日通し券】3000円(1F席・自由席)
【1ブロック券】1500円(2F席・自由席)
※1F席と2F席の客席内は通り抜けできません。
チケットは全て「予約受付」となり、当日精算です。
ご予約を頂いたお客様は文化祭当日、ホール入口受付にて
「入場整理番号付きチケット」
入場整理番号付きチケットの引き換え時間など、
詳しくは「中之島春の文化祭2017」特設ページ
最後にもう一度...
「中之島春の文化祭2017」チケットご予約開始は
4月1日(土)10:00AMから、です!
是非、ひとつでも多くのパフォーマンスと新たに出会う「場所」
ご予定やお好みに合わせてご予約ください♪(乗組員A)
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- 2017年03月10日金曜日
■書かなければ、と思っていて少し遅くなってしまった件■京都の劇団・ヨーロッパ企画の代表で、作・演出をつとめる上田誠さんの作品『来てけつかるべき新世界』が、第61回岸田國士戯曲賞を受賞しました。ほぼ満場一致といってよいほど文句なしの受賞だったそうです。いやほんとうにおめでたい!■『来てけつかるべき新世界』は昨年秋、全国10都市で上演されていますが、大阪公演はここABCホールにて。ヨロキカの舞台としては珍しく、「大阪・通天閣のほど近く」と場所が特定されている作品で、まあウチが"ご当地"といってよいでしょう。それはともかく、僕は京都、大阪と2回拝見したのですが、これまでとは少し語り口を変え、ヨロキカらしさを保ちつつも、万人に文句なくお勧めできる作品に仕上がっていたと思います■関西からの受賞はたしか久しぶりです。想像ですが、戯曲賞の選考って本当に難しいはずです。戯曲はいわば演劇の設計図です。岸田戯曲賞はその名の通り、舞台成果ではなくあくまで戯曲に対して与えられえる賞ですが、やはり上演された作品を観た人とそうでない人とでは、読んだ際のイメージの広がりに差があるはずです。審査委員は野田秀樹さん、ケラリーノ・サンドロヴィッチさん始め当代を代表する演劇人ばかり、戯曲読みのプロ中のプロの皆さんです。それでもやはり、東京在住者にとって鑑賞機会の限られる地方発の作品は、ハンディキャップがゼロだとは言い切れないような気がするのです。そんな中、ぶっちぎりで受賞する快挙!いやー喜びを言葉で表わしきれません■ご存知の方も多いと思いますが、上田さんの実家は上田製菓本舗というお菓子製造業を営まれていて、ご自宅と工場が一体となった建物の一角を、劇団の事務所、通称・ヨーロッパハウスが占めていました■個人的な話で恐縮ですが、実は僕も京都の町工場の倅で、学生劇団などをやっていて、けれどプロになれるなどとは夢思わず、さりとて家業を継ぐわけでもなく、サラリーマンとしてとうとう60歳を迎えました。だから、とてもおこがましいのですが、同じく町工場の息子として生まれ立派な演劇人となった上田さんに、自分が選べなかった人生を見るような気がして、一際思いを寄せてしまうのです。同時に、そんな長男の意思を受け入れ、先行きの不透明な芝居の道に進むことを許し、工場の一角で活動する劇団メンバーをいつもわが子同様に可愛がっておられた上田さんのお父様のことも、とても愛おしく思っていたのです■そのお父様が、去年6月急逝されました。工場は閉鎖されたとのこと。名物のラスクも、もう食べられません。受賞がもう一年早かったら、と周りの大勢の方が思われたのではないでしょうか。けれど、今回の受賞の報は、きっとお父様のところにも届いているはずです。それに、日本の演劇史に刻まれる受賞作品名は、『来てけつかるべき新世界』が、ヨーロッパ企画にふさわしいような気がします。だから、今回でよかったんじゃないかな、って■いつまでも瑞々しい感性を失わず、全国の舞台や、テレビや、WEBや、イベントで、今日も各メンバーが活発に活動を続ける『永遠の若手劇団』ヨーロッパ企画、これからも新世界目指して躍進を続けてください(艦長)
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- 2017年03月10日金曜日
■昨日劇場入りされたお馴染み京都の劇団・MONOさん、『ハテノウタ』、明日初日です■日本の演劇の世界は、最近は何といっても2.5次元もの、そして相変わらずミュージカルが大人気。アニメやマンガの世界を再現するべく若い俳優さんたちが舞台上で飛び跳ねたり、高らかに愛や勇気のメッセージを謳い上げたり・・・。劇場に足を運ぶ新たな若い女性層が生まれてきたような気がします■MONOはそういう派手なお芝居とはずっと無関係な場所で、緻密な台詞の掛け合いによる演劇作りを続けてきました。飛んだり跳ねたり歌ったり、は決してしない劇団だったのです。しかし今回のMONOは、おそらく初めて歌唱シーンいっぱいの作品に挑戦します。ダンスシーンも登場するはず。ミュージカル、というわけではありませんが、新作『ハテノウタ』は、舞台の設定がカラオケボックスなのです。一風変わった、学校の教室風にデザインされたそのボックスに集まっているのは、8人の男女。何故彼らがこの部屋を選んだか?実は彼らはかつてある高校の吹奏楽部に在籍していた同窓生で、今日は久しぶりの同窓会なのです■しかし、何かがおかしい。観ていて違和感がある。男たちは既に中年の風体なのに、女たちはどうみてもまだ20代です。いったい卒業して何年経っているんだこの人たち・・・?■MONO代表の土田英生さんが紡ぐ、いつもの通り可笑しみに溢れた台詞のやり取りが進んでいくうち、次第におそろしい状況が明らかになってきます。一見私たちと同じ空間に生きているかに見える舞台上の男女は、実は私たちが暮らすこことは重大な相違点がある、架空の世界の住人だったのです。さらに、物語中盤で9人目の女性が登場することによって、この世界の在り様の複雑さは一層鮮明になります■淡い恋の思い出話、一緒に歌う懐かしいヒット曲・・・同窓会ならではの本来胸キュンなシーンが、まったく別の感情を伴って観る者の胸に迫ってくるのです■5人の劇団メンバー、常連となりつつある若い女優客演陣に加え、ミュージカルの世界でも活躍する実力派ヴォーカリスト・浦嶋りんこさんがMONO初出演。オリジナル曲も素敵な、現代の切ない寓話がひとつ、誕生しそうです■明日から当ホールで6ステ、そのあと東京ほか3都市で公演です、ぜひ!(艦長)
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- 2017年03月02日木曜日