期待と不安を胸に、「匠」が8年ぶりに訪れました。
塀に取りつけられた「匠」自身が作った表札を始め、変わらぬ外観を懐かしんでしると、家主のご夫婦が出迎えてくれました。奥様とハグを交わすと、そのまま家に招き入れられます。
家の中で待っていたのは、当時4歳だった娘さん。今は12歳になり、身長も150cmに。学校では、52人の部員がいる吹奏楽部の副部長を務め、ユーフォニウムを奏でているそう。姿だけでなく、精神的にも成長した娘さんを見て「匠」も驚きと喜びで一杯に。
そんな「匠」が、室内を見回すと、そこには…
リフォーム当時と変わらぬ姿で使われている、リビングダイニングを目にする「匠」。階段下の娘さん専用の収納式家具もそのままに。その天板の塗り絵ボードは、さすがに使っていないでしょう?と尋ねる「匠」に、今も家族でやってますよと、ご夫婦の返事。中の収納もきっちりと整理されていて、感動する「匠」。
ペットボトルで作った整理整頓用ボックスも当時のまま。
下駄箱の扉の裏につけたペットボトルのボックスも、入っているものこそ当時と違っていますが、今も大活躍。これだけの長い間、そのままに使われていることに「匠」も驚くばかり。
すべてがリフォーム当時のままかと思いきや、窓の外にあるはずのプランターコーナーが無くなっていました。実はこれ、「匠」自身が当時予測していたこと。物を大切にしたいという思いから、不要なった障子に防水加工を施し、急遽作られたプランターコーナー。やはり8年の歳月はもたず、泣く泣く元の状態に戻したといいます。
プランターコーナーを復活させるべく、「匠」は近所のお店へ。
花やプランターだけでなく、ガーデニングと関係なさそうなものも次々と購入する「匠」。一体どんなものを作ろうとしているのでしょうか…?
「匠」がたくさんの材料を持って戻ってきたところで、ご家族との共同作業でプランターコーナー再生作戦の開始!
奥さんとお嬢さんの笑顔が見たいと、お父さんも大奮闘。板で挟んだアルミのダクトを踏んで、ぺしゃんこにしてもらいました。
平らな板状になったアルミのパイプを、何を作っているのか解らないまま、お母さんが塗料で色付け。「匠」は、支柱を組んで作った柵に、それを絡ませていきました。実は、無機質なブロック塀を隠すための目隠しだったのです。
お母さんも娘さんも何に使うか見当がつかなかった、「匠」が買ってきた排水管のパーツ。お母さんと娘さんで塗装したこれを、「匠」はプランターとして使うというのです。T字型の排水管の3箇所の口のうち、2箇所に花を入れると、立体感のある仕上がりに。
「匠」から、プランターへの植え込みをお願いされたお母さんと娘さん。作業前に「匠」は、二人に植物にも向きがあると説明。将来は、お花屋さんになりたいと語った娘さんは、真剣な眼差しで植え込む向きを決めていきます。
二度と腐ってボロボロにならないよう、耐久性のある風呂桶などをプランターに利用。
こうして「匠」の知恵を借りながら、家族3人が一致団結。寂しかった窓辺に、再び癒しの空間が甦りました。世界にたった一つの小さな庭。手作りだからこそ、その愛着もひとしお。
たどたどしい手つきで一所懸命にお手伝いしていた4歳の娘さんは、8年経った今、お父さんとお母さんの13回目の結婚記念日をお祝い。
あの時と同じダイニングテーブルに、ひと際嬉しい3人の笑顔が溢れます。この笑顔はいつまでも変わることはないでしょう。