当時の自身の若さも懐かしみながら、訪れた「匠」。出迎えてくれたのは、変わらず明るいご夫婦と、当時11歳だった双子の姉妹。今では18歳というお年頃になっていました。
中にお邪魔すると、ほとんど当時のレイアウトのまま。開放的な間取りは、子ども達が部屋に篭もることもなく、常に家族の交流が育まれるという、良い結果を産み出していました。
娘さんから「匠」へ、家族が集まることができることについての感謝の言葉も。
ダイニングテーブルでの普段の様子を教えてもらう「匠」。家族で取り囲むその様子は、キッチンから顔を覗かせる明るいお母さんを中心に、みんな笑顔。一緒になって「匠」も笑い出します。
リビングダイニングに続いて、子ども達の勉強部屋を見せてもらうことに。部屋を覗いた瞬間、「匠」の口から出たのは笑い声でした。
3姉妹の机の上には、物が溢れんばかり。
三女からは…「ちょっと汚いかな?」
この光景を見て「匠」は、おもむろに鞄の中から古いファイルを取り出しました。その中には、リフォームの作業前に描いた完成予想図をまとめたデザイン画が。「匠」がどんな家にするかイメージしたものです。「匠」は、リフォーム当初から、子供の成長に合わせて家具を色々と組み替えることが出来るように考えていました。
3姉妹の机やベッドを可動式にすることで、将来、それらを組み替えれば、長女と双子姉妹の個室に分ける事ができ、プライベート空間を確保するというプランを提案していたのです。
「匠」は、是非その機能を使ってもらいたいと思っていました。そして…
「今日やってみます?」
思いがけない「匠」からの提案から、模様替えがスタート。家族みんなで、2時間かけて荷物を片付けました。
机の上がすっきりしたところで、「匠」とお父さんで、レイアウトを変えていきます。 2段ベッドの下の段、キャスター付きのベッドを引き出し、勉強部屋に並んでいた机を運んで、その空いたスペースに。さらにクローゼットのボックスを1つ、机の横へ入れると、ピタリと収まりました。向かい側も同様にレイアウト。こうしてそれぞれベッドと机と収納がワンセットに。
引き出したベッドは、机が二つなくなった勉強スペースにぴったり収まりました。家具の移動は、これで完了。
そこに「匠」は、もう一手間加えることに。購入してきた様々なパーツを新しくできた机の周囲に取り付けて行きます。
作業中に長女が帰ってきました。すっかりお年頃のお嬢さんになった、その姿に「匠」もビックリ。そして、長女も自分のプライベート空間が出来上がっていてビックリ!
かねてから夢見ていた個室は、ベッドの高さを上げて収納力も高めた使い勝手の良い部屋でした。
次女と三女のプライベート空間も、「匠」の工夫で快適に。机の上には蛍光灯を付けて、ベッドの下でも暗くないように配慮。お姉ちゃんの部屋とは、カーテンで仕切ることも。
こうして7年越しの「匠」のプラン、成長した3姉妹のためのプライベートスペースが、ついに完成しました。
子供達の成長と共に変化する家族の生活。そんな将来を見越していた「匠」は、その計算通りの結果になり一安心。
これで集中して勉強できるはず、と「匠」から新しい環境を渡された、子ども達の「頑張ります」の返事は、明るく力強いものでした。