2009年6月28日放送
食卓の真横を車が通る家
■元々、1階を店舗、2階を下宿として貸していたため、建坪がわずか9坪なのに入り口が3つもある
■75歳の母親が生活する元店舗の1階は、コンクリートの土間にビニールタイルが貼られているだけの固くて冷たい床で、その高さもガラス一枚隔てた車が行き交う道路と同じレベル
■壁に穴を開けて無理矢理行き来できるようにした階段は、妊婦であるお嫁さんには傾斜が急で、昼間でも暗く、硬いモルタルで作られている
■依頼者夫婦は、2階の元下宿の狭い洗面台を台所代わりにしている
■まな板を置く場所がなく、狭い廊下に置いた食器棚を調理台代わりに
■階段下をくぐって行く、増築されたお風呂やトイレがとんでもなく小さい
優しい住まいの主治医
高橋孝栄
狭さそのものは、どうしようもないことだけど、生活を見ていると大変だな、という印象は受けた。高齢者にとって重要な水周りの改善と、有効な段差を取り入れて、快適な住まいにしたい。
「匠」のプロフィールを見る
赤いカメラをクリックするとビフォーアフターの変化をご覧いただけます
高齢者に配慮した水周り
高齢のお母さんが安心して暮らしていけるよう、水周りは特に気を遣ったものになっています。
水周りスペースの入口は廊下とバリアフリーで繋がり、扉も大きく開け放つことができます。
洗面脱衣所と浴室・トイレは隣合わせにあり、その扉も同様にバリアフリーで大きく開くことができます。
トイレは、洗面脱衣所からの扉だけでなく、廊下に面した側にも扉を設置し、どちらからでも使えるようになっています。
また、洗面台横の引き戸の一枚を全身鏡にしたり、室内物干を用意するなど、普段の利便性にも配慮しています。
複数の用途で活用できる畳の間
2階にある2畳ほどの小上がり。大容量の収納スペースでもあるこの畳の間は、別の顔を持っています。
まずは、奥さんの念願だったお茶室として使ってもらえるように。お茶室として使うのに、ちょうど手頃な広さの小上がりの横には、生け花や掛け軸が飾れる小さな床の間も設けて雰囲気作り。
更に、生まれてくる赤ちゃんのために「匠」特製のベビーガードが用意されていました!
子供の成長に合わせて部屋がコーディネイトでき、これで安心して家事ができることでしょう。
思い出を大事に
お母さんにとって、3年前に亡くなったお父さんとの思い出が詰まっていた我が家。リフォーム後も、その思い出を大事にしてもらおうと、「匠」の心遣いが現れています。
お母さんの部屋には、元JR職員だったお父さんと一緒に旅した思い出の品が、窓際や梁に飾られました。
玄関からお母さんの部屋へと続く廊下には、解体した家の廃材を使って、線路の枕木をイメージさせるデザインを施し、新居にお父さんの記憶を刻みました。
お母さんの嫁入り道具だった、年代物の桐箪笥。お父さんと一緒に大事に使ってきたこの箪笥は、2階の特製クローゼットにぴったりと収まり、息子さんのお嫁さんへと引き継がれました。
もちろん収納力も抜群!
たった9坪の家ですが、だからこそ収納が多く設けられました。
階段の下にあるスペースも無駄なく使用。傾斜に合わせた形で大容量の収納を実現。
お母さんの部屋の小上がりも、ほとんどの部分に収納スペースが。壁沿いに置かれた収納も合わせて、収納力抜群の部屋になりました。
各部屋の収納だけではありません。天井から光を落としている四角い穴。そこにハシゴをかけて登っていくと、そこには5畳分もの広さのロフトスペースが!
収納はもちろん、子どもの格好の遊び場になることでしょう。
東京都杉並区
有限会社 匠陽
放送リストに戻る
前の物件を見る
次の物件を見る
このページの一番上に戻ります
©ABC TV All rights reserved.