2009年9月13日放送
家の半分が台所の家
■2階の居住部分に台所が無く、1階の元店舗を台所として使っている
■食事の支度を1階でおこなうと、2階の子ども達に目が届かない上、声をかけるのに外に出てインターホンで話さなければならない
■食事の度、靴を履き2階から下りてきて、外食のように靴を履いたまま、カウンターを挟んで食事している
■元店舗の台所がわずか10坪の家の半分を占め、唯一の生活空間の2階の9畳ひと間に3段ベッドと折りたたみベッドを置いている
■幅3m・奥行き80cmの窮屈な空間に、無理矢理作られたお風呂とトイレ
■雨天時には、雨が吹き込みびしょ濡れになる、穴あきブロックで囲まれた、外のような階段
素材使いの風雲児
蒲原 章
お母さんが仕事で疲れたあとにする家事なのに、非常にやりづらい環境で大変。その家事の不便さを解消することが先決。少しでもほっとする時間を作れるプランを提案したい。
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赤いカメラをクリックするとビフォーアフターの変化をご覧いただけます
特徴的な外観を活かしながら
家族のお気に入りでもあり、この家の特徴的な外観でもある、穴あきブロックの壁。家主の希望によりリフォーム後も残すことになりました。
しかし、雨が降れば階段は水浸し・冬は寒風が吹き抜けるという悩みの種でもありました。
そこで、この穴あきブロックの外側を囲むように木枠を作り、そこに すりガラスをはめ込みました。
これで採光も確保しつつ、雨風を遮り、外壁としての役割を持たせることができます。
また、この壁の穴を活かして、「匠」オリジナルの木製の棚が好きな場所に取り付けられるようになっています。しかも、棚に小さな穴がいくつも開いており、棒を差し込んだり、フックを付けることで用途が広がります。
思い出を呼び起こす再利用
ローコストでのリフォームという条件があった今回の物件。「匠」はリフォーム前の家にあった素材を色々と再利用し、その条件をクリアしました。
玄関扉は、お母さんが気に入っていたので、設置場所こそ変わりましたが、化粧直しして再利用。
その玄関の脇にあるベンチの脚は、喫茶店で使われていたテーブルを再利用したものです。
水周りの壁に取り付けられたゆるいカーブを描いた棚も、実は喫茶店のあのカウンター。丁寧に取り外し解体した後、防水処理を施して腐食対策も万全に行い再利用。お風呂に浸かりながら眺めれば思い出も次々蘇るでしょう。
子ども達の3段ベッドも、新しい自分だけのスペースを生み出す「匠」オリジナルの多機能家具のパーツとして活かされました。
ベッドにかかっていた梯子に貼られたシールや枠に書かれた落書きも思い出として残しています。それら一つ一つが、かけがえのない子供たちの成長の記録なのです。
機能や役割が変化する家具
限られたスペースを上手く活用するために、家具や間取りにもひと工夫した「匠」。
子ども達のベッド 兼 勉強机の多機能家具は、キャスターがついていて、子どもの力でも簡単に移動させることができます。配置を変えて、ひとり部屋のようなプライベートスペースを生み出せるのです。
キッチンのカウンターにもキャスターがついています。分割して動かし2つを向かい合わせにすればダイニングテーブルに早変わりします。
ダイニングキッチンの向こうにある4畳半の和室は、普段はリビングとして家族の憩いの場に。
そして間仕切ることで客間としても。
その和室の奥にある、土佐和紙を貼り、丸太をはめ込んだ建具。実は一部が取っ手になっていて、スライドさせると…なんと、かつて狭いお風呂が収まっていたスペースが大きな収納として生まれ変わっていました。
高知県高知市
(株)響建設
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