2009年10月11日放送
カニ歩きで入る家
■玄関に向かうのに、隣家との幅40cmの隙間を体を横にして通らなければならず、壁にこすって服を汚すことも
■玄関は、扉が隣家の外壁にぶつかり半分しか開かず、土間も家族分の靴も満足に置けない、申し訳程度の広さ
■狭い1階は食事スペースもなく、急な階段を何往復もして2階に料理を運んでいる
■店舗と台所の間に60cmもの高い段差があり、その踏み台は一斗缶を二つ並べ、置いただけの危険なもの
■洗濯機を置いてある物干し台の床が腐り、今にも抜け落ちそう
■洗面所や脱衣所が無く、台所を代わりに使っている
森の木の代弁者
松永 務
店舗併用住宅ではあるけども、基本的には住宅部分がメイン。しかし、今はあまりにも店舗部分が広くて、生活部分がかなり追いやられている。住まいとしての部分を、ちゃんと作り込んであげて、いかにくつろげる住居にするか、を考えていきます。
「匠」のプロフィールを見る
赤いカメラをクリックするとビフォーアフターの変化をご覧いただけます
お客さんとの距離をより近くに
細やかな心遣いができる「匠」は様々な工夫を施しました。
路地にあり、人目につきにくかったお店ですが、そのトレードマークであるひよこの看板の向きを変えられるようにして、メインストリートを歩くお客さんの目に留まるようにしました。
更に夜になれば電気が点灯し、一目でお店の場所に気づいてもらえるようになりました。
焼き鳥が焼きあがるのを待つお客さんへの配慮も「匠」は忘れませんでした。焼き場の横にある玄関へのアプローチの壁には、折りたたみ式の小さなベンチが。焼き鳥を焼くご主人とお客さんの和やかな語らいが、待つ時間を忘れさせます。
そのアプローチに取り付けられた写真のフレーム。この小さなギャラリーが30年の店の歴史をつづり、お客さんに伝えていきます。
毎日の仕事が楽になるように
一回り小さくなった厨房から無駄をなくし、設備をコンパクトに配置して使いやすくした「匠」は、更に仕事が楽になるようにと、仕掛けを施しました。
これまで苦労していたゴミ出しを楽にするため、オリジナルの機能を設置。厨房のゴミ箱を玄関アプローチの壁にある小窓からひきだして、反対側の壁の小さな扉の向こうにあるワゴンに乗せ、楽々集積所まで運べるようにしました。
店の軒先の真赤な日よけルーフは、ボタンを押すだけで出し入れができる電動式。
そして重労働だったシャッターの開閉も自動で。
これからも末長くこのお店を続けてもらいたい。そんな「匠」の願いが込められています。
利便性を追及した仕掛け
「匠」は、より暮らしが快適になるように、あらゆる部分で利便性を追求しました。
対面式キッチンのシンクの上には、ワンタッチで飛び出す収納式の棚を設置。たくさんの料理でスペースが足りなくなってもこれで大丈夫。収納できるので、使わないときでも邪魔になりません。
ベランダの扉は、閉めたままでも風と光を取り入れられる、スライド機能がついたものを採用。
同じように、桟(さん)の部分が縦にスライドして格子が開く障子を和室に使いました。隙間から見える木々の景色が、季節の移り変わりを伝えてくれます。
クローゼットの一部は、床下を掘り下げて縦の空間を確保。ワンピースやコートなど、丈の長い衣類が掛けられるようになっています。
無駄な空間を活きた空間に
決して広いとは言えない物件で、「匠」はデッドスペースを極限まで活かし、狭さを感じさせないようにしました。
階段の上の空間を利用して、奥行きのある縦型の引出しを設置。物が出し入れし易く、大容量の収納力を発揮します。
更に大容量なのが、小上がりの畳の下に作られた床下収納。畳の一部はボタン一つで自動開閉し楽に開ける事ができます。
また、家族一同で食卓を囲める堀座卓式のダイニングスペースは、テーブル部分を取り外し、椅子を穴に収納すれば床がフラットに!これで娘夫婦が泊まりに来ても、布団を敷くのに困らない余裕の広さが確保できます。
東京都練馬区
(有)泉谷工務店
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