2009年9月6日放送
お風呂が遠い家
■お風呂が2階にあり、障害を持つ次男は父親が抱いて上がらなければならない
■階段は傾斜角が急で、踏み板も傾いており危険
■お風呂は増設されたもので、脱衣所も無く、身長190cmの父親が次男と入るには狭すぎる
■台所の流し台の前に洗濯機置き場があり窮屈
■押入れを潰して子ども達の勉強机を置いたので、1階に収納が無い
■ほとんど1階だけで生活しているので、2階が物置状態になっている
バリアフリーの熱血講談師
天野 彰
介護の必要な次男がどんどん成長して大きくなっていく。これは老人介護とは別の発想が必要。元の家を上手く利用し、立体的に逆転するようなプランを考えたい。
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赤いカメラをクリックするとビフォーアフターの変化をご覧いただけます
介護が少しでも楽になるように
ユニバーサルデザイン住宅の第一人者である「匠」の手によって、1階は介護が楽になることに重点を置いた構造になりました。
段差続きだった玄関は緩やかなスロープになり、奥の寝室までバリアフリーで一直線にスムーズに通れるようになっています。車椅子で通れる横幅も確保しました。
寝室の隣には、お風呂を設置しました。トイレから浴槽までつながる長いベンチや手摺りなど、介護に優しい設計になっています。もちろん、寝室を通らなくても廊下側からもお風呂やトイレは利用できます。
浴室のダイニング側の壁には窓が付いています。これは、いつでも家族を感じることができるようにと「匠」の介護生活への配慮で付けられたものです。
灯りを点けなくても明るい室内を
隣家との距離が近く暗かった台所は、吹き抜けの壁に貼られたフィルムミラーによって反射した2階からの日差しが降り注ぎ、明るさを手に入れました。
長さが2.5mもあるテーブルの奥にも、明かりが適度に反射する板を付け、室内に明かりが柔らかく広がるようになっています。
階段下に作られた脱衣所も、階段の蹴込みから光を取り入れる工夫がされており、階段下であることを逆に活かしたアイデアが光ります。
子ども達が楽しみながら自立できる部屋
2階の吹き抜けを挟んで長男・長女の寝室が作られました。
小学3年生と1年生の二人が早く自立できるようにと用意されたものですが、まだまだ幼い二人が寂しくならないようにと、工夫されています。吹き抜け側にある窓を開けると、対の位置にある相手の部屋に声をかけることができます。また、視線を落とせば、壁に貼ったフィルムミラーに1階の様子が映るので、常に人の気配を感じることができます。
この2つの部屋は渡り廊下でつながっているので、行き来も簡単。
天井を高くしたことで生まれたロフトスペースは、どちらの部屋からも上がれるので、兄妹で仲良く共有できます。
収納スペースの復活と配置の整理
介護以外の悩みでは、収納が足りないことと台所が使いにくいことがありました。この2つも「匠」はきっちりと解決しています。
収納面では、1階には巨大な壁面収納を玄関近くに設置しました。この収納の下半分には、あえて空けたスペースが。次男が使っているバギーを置くためです。
2階にも収納は多く作られ、部屋が荷物であふれかえるといった状況は改善されるでしょう。
台所を狭くしていた洗濯機と洗面台は、寝室へ続く廊下横の専用スペースに移動しました。このスペースは扉ではなくロールカーテンで間仕切ることで、バギーが通る時に邪魔にならないようになっています。
洗濯機と洗面台が移動したことで、キッチンは広々と料理が楽しめるスペースとして生まれ変わりました。
埼玉県さいたま市
中河原建設
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