2010年8月22日放送
玄関がお風呂の家
■築110年の5軒長屋の1軒。建坪が8坪ほどしかなく、1階・2階それぞれに1間しかない。親子3人で住むことが出来ず、2人の子供は向かいの親戚の家に間借りしているが、食事・お風呂・お手洗いの度に実家に戻っている
■台所に冷蔵庫の置き場が無い為、玄関土間に置くしかなく、わざわざ履物を履いて食材を取りに行かねばならない
■給湯器が流し台から遠く離れているため、蛇口のホースが異様に長い
■剥き出しのままで玄関土間にユニットバスを置いている。脱衣所が無く、誰かがお風呂を使うときは、残った家族は2階で待機しなければならない
■2階への階段は、踏み板の奥行きが17cmしかなく、傾斜角が約60度と急勾配な上、手すりも無く危険
■洗面所が無く、玄関の水場で顔を洗っているため、洗面中に急な来客に出くわすことがある
住風景の俳人
木内一徳
110年前に建てられた家なので、今の生活スタイルにはまったく合わないところが出てきている。大人3人が同居するので、それぞれのプライバシーを保てる場所が必要。また、物を整理して合理的に収まる場所を作る。
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家族の食卓
スペースの有効活用として吊り階段の下に設けられた「匠」特製のダイニングテーブル。家族3人でゆったりと囲めるこのテーブルは、将来の生活も考え、堀座卓からハイテーブルへと形を変えることができます。
ダイニングテーブルの周囲には、収納がたくさん!ハイテーブルへと変化させた際に皆が座る椅子は、箱型で空間に物を入れることができます。
階段下のデッドスペースには、食品庫として使える大きな引き出しが。引き出しを外して、その床下を開ければ、保存食や買い置きを入れることができる収納スペースが隠されています。
テーブルを飾る料理は、お母さんの憧れだった食洗機付きのキッチンから。それは、小柄なお母さんの身長に合わせて特注で作られ、使い勝手は抜群。周囲にも上から下まで空間を有効に使った収納がたっぷり用意され、キッチンの使いやすさを増しています。
お母さんの夢
お母さんを悩ませていた玄関土間に置かれたお風呂や、存在すらしなかった洗面所。これら水回りは、リフォームによって本来あるべき場所に設置されました。洗面所の鏡は扉になっていて、開けると洗面道具の収納棚と風を取り込める窓が。そして天井には天窓が用意され、注ぎこむ光が新しくできた水回りスペースを明るく照らします。
お母さんの寝室は、1階の南側。日中はダイニングとして使われているスペースを建具で間仕切ると、お母さんのプライベートスペースに。子ども達が夜遅く帰ってきても、キッチンの灯りを気にすることなく、ゆっくり休めます。
そのスペースには、仏間とお母さんの衣類が全て収まる大きな収納も完備。ベッドの下にも収納を設けるなど、デッドスペースも徹底して活用しました。
お母さんの気持ちが安らぐ空間は2階にも。素足に気持ちいいウッドデッキと、お母さんの夢だったガーデニングが楽しめる小さなバルコニー。鉄筋フレームにはめ込んだ225個のプランターボックスによって作られた壁面緑化が、隣家との目隠しの役割も果たします。
4畳の小さな城
2階に作られたのは長男・長女のプライベートスペース。限られた空間を2間に分け、それぞれに4畳の部屋が。小さなスペースを「匠」は大きく使えるように工夫しています。壁には大容量の収納を用意。長女の部屋の本棚は趣味の三線がディスプレイできるようになっており、長男の部屋のテレビ台の下からは大好きなゲームが楽しめるゲームコーナーが現れます。
収納は天井にも作られました。折りたたみ梯子を引き出せば、5畳ほどの屋根裏の収納スペースへとつながります。季節ごとの衣類を収納するにはうってつけの空間です。
狭い空間に上手く収めた「匠」オリジナルベッドにもスペースを節約するためのアイデアが。壁際のボタンを押すと、なんと読書用のライトが。
部屋に挟まれた階段からの灯りが格子を通して室内を明るくしています。この格子は、ずらすことで灯りを遮断でき、姉弟の生活サイクルの違いによる睡眠の妨げがおこならいように考慮してあります。
大阪府岸和田市
d+bアーキテクチャー
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