2010年8月29日放送
代替りできない家
■28年営んできた美容院を、同じ美容師の道を歩む娘さんに譲ることに。しかし、店舗用に建てられているので、娘さんとそのお子さんの親子二人が住居兼用で使うには、洗面所やお風呂が無いなど設備が整っていない
■台所も簡易的なものがあるだけ。蛇口はここしかない為、洗濯機も無理矢理押し込んで置いている。また、台所の換気扇は配置が悪く、役目を果たしていない
■トイレは店舗の1つのみで、家族が利用する際にお客さんと鉢合わせすることも
■店舗は昔ながらの造りで、お店に入るのに靴を脱いであがらなければならず、設備も古い
■雪国でありながら床下に断熱材が一切入っておらず、冬は暖房がほとんど効かない
■お客さんのほとんどが車で来店するが、1台しか停めることが出来ない車庫は狭く、ぶつけた後が幾つもある
■以前は着付け仕事に使っていた2階も、今は物置扱いになっている上、雨漏りによる染みやカビ臭い匂いが広がっている
あずましい家の仕立屋
今 隆
今の家主のお母さんと代わって住む、娘さんとそのお子さん。2人のために、お店を営みながら快適に過ごせる「家族の距離感」を考えた家づくりを設計したい。
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暖かく生まれ変わった美容室
美容室を受け継いだ娘さんの要望にあったのが、狭かった駐車場を広げること。2台分のスペースを確保した駐車場、もう壁にぶつける心配もありません。
東北の冬の厳しい寒さに対処するため、入り口脇の壁に風除け用の建具を備えました。店に来客の際、入り口を開け閉めしても店内まで寒気が入らない工夫です。普段は奥まで収納して邪魔にならないようにできますし、手がかじかんで引き出すのが辛い冬には、建具が奥より少し手前で止まるように切り替えて、スムーズな開け閉めができるようになっています。
床下にも寒さ対策。厚さ10cmの断熱材をはじめとした徹底した断熱対策が施され、底冷えを防ぎます。暖かくなった店内の設備は、お母さんが使っていた鏡などを出来るだけ再利用し、お客さん用の椅子は新しく新調しました。
シャンプースペースに設置した大容量のタオル入れは「匠」オリジナル。下から簡単に取り出せ、使ったらすぐそばにあるタオルダストへ。
もう一箇所別に作られたタオルダスト。その下には、取っ手を引き上げるだけで、切り落ちた髪の毛を、腰をかがめることなく掃き出せる、専用のダストシュートが現れます。
機能的で無駄のない空間
以前は椅子を2つ置いていただけの待合スペースには、新たにベンチを用意しました。そのベンチの座面の下も有効活用。大きな収納になっており、化粧品などの在庫を仕舞っておけます。
タオルダストに入れたタオルやダストシュートに捨てた髪は、裏側に回りこんで、簡単に後処理できます。普段は扉が閉められているので、お客さんの目に留まることはありません。ここは大容量の収納棚にもなっており、一緒に掃除道具も仕舞えます。
お店の奥には、仕事の手が空いたときに一休みできる休憩室が。タオルを洗うのに欠かせない洗濯機や流しもきちんと収まりました。
この場所は、建具の配置を変えることで着付けスペースに早変わり。これからはお母さんから娘さんへと、その技を存分に伝授してもらえます。
さらに、娘さんのお子さんが大好きなピアノを弾きながら楽しく過ごせるようにもなっています。ピアノは使わないときはぴったり収まる収納スペースへ。まさに変幻自在の多機能スペースです。
新しい生活がはじまる、「あずましい」家
2階はこの家に新しく住む娘さんとそのお子さんの生活の場。もちろんお母さんがいつでもくつろぎ、そして泊まっていける部屋も用意。それはリビングダイニングに隣接する小上がりで、建具で仕切って個室にすることができるのです。その小上がりの段差の下は収納スペース。無駄を一切許さない造りです。
大きな窓が開放的なリビングダイニング。作り付けの収納棚や机がひとつづきにぐるりと壁沿いを囲みます。そして、親子並んで料理を楽しめる広く大きな対面式キッチン。いつでもお子さんを見守ることができる空間ができました。
仲良し親子の寝室には、大容量の収納があります。実はこの収納棚、可動式になっていて、この棚を部屋の間仕切りとして使うことができるのです。お子さんが将来成長し、個室を持ちたくなったときに2つのプライベートスペースを創り出すことができます。
リフォーム前には欠けていた暮らしの機能、家族専用のトイレやお風呂、洗面台も用意され、新しい生活をスタートできる環境が整いました。
青森県三沢市
浄法寺工務店
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