2010年9月5日放送
階段でご飯を食べる家
■築50年・建坪9坪の元理容店の住宅で、増改築を繰り返しており、店舗部分だった土間にはコンクリートブロックで支えた寝室が作られている
■この家で暮らす70歳になるおばあちゃんは、長年の立ち仕事のせいで足を患ってしまい、杖なしでは生活できない。その上、高さ45cmの台所の入り口をはじめ家中に段差があるため、苦しんでいる
■コンクリート敷の寒々しい風呂場の浴槽は、固定されていないためグラグラで非常に危険
■2階への階段が60度の傾斜角で手すりも無く、まるでハシゴのよう。日課の2階の仏壇へのお参りに危険が伴なう
■台所が狭く、おばあちゃんの手料理を楽しみにやって来る娘さん家族全員が座ることができない。そのため、お孫さんが階段に座って食事をしている
■雨が激しいときには家の前の道路が冠水し、家の中の土間にまで浸水することがある
感動住宅の演出家
高橋浩伸
以前の理容店にそのまま増改築を繰り返しているため、余計なところに段差が生じたり、お風呂などがコンクリートの床のままであったりと危険。
今後も働きたいというおばあちゃんの笑顔がずっと続くような、家族でワイワイ楽しめるような、そんな空間が提供できれば、と考えている。
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赤いカメラをクリックするとビフォーアフターの変化をご覧いただけます
おばあちゃんの足を気遣って
玄関の緩やかなスロープと手すりは、足の不自由なおばあちゃんのために考えられた優しい設計。縦の手すりはロックを外して手前に引くと、靴を脱ぎ履きする時に便利なイスが出てくるという仕組み。その脇にも杖置きや小物掛けを付けるなど、細やかな気配りが行き届いています。
新しいお風呂場には、足を伸ばしてゆったり入れる浴槽。その横には、何やら円盤のようなものが。これは、浴槽に入る時、体の移動をサポートする専用のシート。この上に座りシートごと体を回転させて湯船に足を運ぶ事ができます。取り外して水洗い出来るので、いつでも清潔です。
かつて危険な思いをしながらお参りしていた仏壇は1階に。その下には、楽に座ってお参りできるよう、座面に畳を敷いた収納付きの椅子が収められています。
室内なのに室外のような物干し
おばあちゃんの足のことを考えると、階段を緩やかにしたとはいえ、2階に上がるのは一苦労。そこで「匠」は1階にこんなものを用意しました。
窓の横にあるこの大きなボックス。
先ず窓を開けて…アルミ製のフレームを横にスライドさせます。
フレームに収まっているパイプを手前に引き降ろすと…なんと室内用物干しに!
窓が開いていても、室内からの目隠しとなる扉を閉めてロックすれば防犯上も安全。
「匠」は、敷地一杯に立ち、外に物干しを出せないこの家の立地を考え、室内にそのスペースを設けたのです。
さらに、乾いたら、そのまま壁際に移動してクローゼットとして使うこともできます。
遊びに来る家族も快適に
おばあちゃんの楽しみは娘さん家族が訪ねてくれること。「匠」の手によって、いつでも来てもらえる、家族にとっても快適な家になりました。
玄関に備え付けられたのは、大きな靴箱。上段には娘さん家族の分も収納できるスペースを確保しています。
今までは階段に座らなければならなかった家族みんなでの食事も、「匠」オリジナルのダイニングテーブルで解決。普段は一人用の食卓が、手すりを支えにして折りたたみ式の天板を左右に広げ、窓際の収納ボックスを移動して椅子として使えば…7人掛けの大きなテーブルに早変わり!
食事を楽しんだ娘さん家族が泊まっていきたくなったら、2階の十分な広さの和室へ。全員分の布団がしまえる納戸も用意されています。
建坪9坪を広く使うために
建坪9坪という狭小住宅だからこそ「匠」は多くの収納スペースを用意しました。
リビングの中央に配置された階段の下5段は収納が隠されています。
おばあちゃんの寝室も収納がたくさん。ベッド周りに作られた棚は、小物の整理に便利です。その上には、衣類用の大きなクローゼットが。ベッドの下は、普段使い用の引き出しと季節物がしまえる開閉式の収納にと、無駄がありません。
2階の階段ホールには、減築した部分の屋根裏を活用した収納が。ホールいっぱいに引き出せる大容量です。
長崎県諌早市
石橋工務店
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