2010年9月19日放送
八方ふさがりの家
■番組史上最小の、建坪がたった5.6坪しかない超狭小住宅で、1階は3畳の台所と6畳の部屋、そして階段下のトイレしかない
■傘をさすことも出来ない僅か70cmほどの幅の通路を、10mも進まないと玄関に辿り着けない。さらにその狭い通路は途中から舗装されていない為、水はけも最悪で、雨の日は大きな水たまりが歩くのを阻む
■跨がなければ入れない高い位置にある玄関扉や、家の中に点在する段差、急傾斜の階段などが、家の中でも杖が必要な足の悪いお母さんを悩ませている
■和式のトイレは、足を患うお母さんには使えず、その上、お風呂も無い
■四方を家に囲まれ、その距離も近く、窓から見える景色は隣家の壁ばかり。そんな狭い立地のため、工事用の重機が入れず、足場も立てられないため、リフォームを断られてきた
■親子2人で立つには狭すぎる台所は、設備が全く整っておらず、身長が165cm以上ある2人とって、シンクなどの高さが低すぎて使いづらい
ゆとり住宅の空間トレーナー
石井 亨
リフォームの作業をするにも厳しい立地で、東西南北を家に囲まれているけれども、その中の隙間から取り込んでいけるものを利用しながら、気持ちの良い家にしていきたい。
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赤いカメラをクリックするとビフォーアフターの変化をご覧いただけます
お母さんが安全に、楽に過ごせる家に
足が悪く、家の中でも杖が必要なお母さんが、安全で楽に過ごせる家を、「匠」は用意しました。
段差を小さくし、間口を広くした玄関には、ベンチを兼ねた収納を作りました。これで楽に靴を脱ぎ履きすることができます。
水回りスペースは、新たに作られたお母さんの部屋からフラットに続いているので、移動も楽々。トイレには手すりも付いています。
お風呂も、長い手摺がしっかりサポート。足を大きく上げなくても出入り出来るよう段差をつけた浴槽や、特殊な加工が施された壁や足元の滑り止めが、安全な浴室を実現しました。
そして「匠」の配慮はこんなところにまで。キッチンシンクの横には、お母さんが座ったままでも作業ができるよう、高さを下げて設置された洗濯機が隠れていました。
更に窓際のひもを引くと、天井から現れたのは、なんと物干竿!足が痛んだ時でも、座ったままで洗濯物を干すことができるようになりました。
段差を利用した空間活用
5.6坪という極端に狭い建坪の中、「匠」は立体的な作りで空間を有効活用しました。
玄関脇のクローゼットの奥は、広々とした収納スペース。普段使わないものを十分しまっておくことができます。
棚を動かせば、更に奥にも巨大な収納スペースが。とても5.6坪の家の収納とは思えない“ゆとり空間”です。
閉めきった収納で気になるのが湿気ですが、対策もばっちり。24時間可動の換気扇がついているので問題ありません。
娘さんの部屋も空間を利用した作りに。2階への階段の途中に作られたその部屋は、その位置関係を利用して生まれた縦の隙間を、掘りごたつ式の机として有効利用。
ベッドの板を持ち上げれば、その下にはベッドの高さを利用した収納と、先程の収納スペースへと続くハシゴが現れます。
変化するダイニングテーブル
2階のリビングダイニングに作られた「匠」オリジナルのダイニングテーブル。壁の大きな半円部分と、小さな三日月型のテーブルがくっついた形で構成されています。
狭いからこそ物を置かずに開放的に使えるよう、テーブルの下には収納がたっぷり。
三日月型のダイニングテーブルは、大きな半円の外周に沿って移動も自由自在。
すぐ横の小上がりの和室には、小さなちゃぶ台が用意されました。この机、ゆっくりお茶を楽しむための家具としてはもちろん、狭小空間を機能的に使うための仕掛けが隠されていました。
三日月型のテーブルと一体化させると…なんと次女が遊びにきた時に、ゆったり3人で食卓を囲むことができる丸いテーブルへと大変身!ついつい話が弾んでしまいそうです。
東京都八王子市
三昭建設株式会社
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