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2011年4月24日(前編)・5月15日(後編)放送

台所が4つ並ぶ家

この物件が抱える問題

  • ■48年前に平屋で建てた家に、12年後4畳半ひと間4室の2階を増築し、単身者用アパートとして貸しだしていた。更にその後も、1階南側に縁側、1階の台所と2階の寝室、上下階を繋ぐ内階段と、次々に増築をしている
  • ■アパートの頃の名残で、2階の廊下には台所が4つ一列に並んでいる
  • ■家の前の通りから2階へ直接つながる外階段は、急勾配な上、入り口間際まで踏み板が続き、踊り場が無い。そのため、家に入る際には外開きの扉を避けて数段後ろに下がらなければならない
  • ■車や自転車の往来が多く危険な家の前の通りは、道幅が狭いT字路になっており、曲がりきれない車が家のブロック塀に接触することがある
  • ■飼い猫が家を飛び出して通りに出てしまわないように、使っていない部屋の扉を廊下側に開いて、ペットゲートの代わりにしている
  • ■脱衣所が無い浴室の扉は、透けて見える曇りガラス戸で、その戸は洗面所の戸と同じレールの上にあり、片方の出入りの際には、もう片方の戸を閉めることになる
  • ■終戦後の鉄不足の折に建てられたため、基礎部分に鉄骨が入っていない
  • 写真:サムネイル
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この問題を抱えた物件に、立ち上がった「匠」とその技

写真:「匠」の顔写真

狭小の細工師 福島慶太

元が平屋で、2階に増築しているので、やっぱり構造的に危ないだろうなと思う。そして基礎も…

全ての問題を解決したそのビフォーアフターをご覧ください!!

赤いカメラをクリックするとビフォーアフターの変化をご覧いただけます

家族の幸せを願った「匠」からのアイデア

二世帯住居としての暮らしを考える
「匠」は、高齢のご両親と息子さんのご家族の二世帯での暮らしを考慮してリフォームをおこないました。

生活時間の異なる2世帯、お互い無駄な気を使う事のないよう、2階への階段は玄関のすぐ脇に作られました。

生活時間の差への考慮は、入浴についても。1階の浴室まで行かなくても、2階にシャワールームを設置したことで気軽に汗を流せるようにしたのです。シャワーユニットは、わずか畳半畳ほどの省スペースに収まりました。

そのシャワールームには、2階に新たにお目見えした洗面所と連動した仕掛けが。洗面所で使った化粧水などを棚にしまい、奥に押し込むと、隣の脱衣所に棚が現れ、取り出すことができるのです。

それぞれの暮らしを守りつつ、二世帯の繋がりを維持することも「匠」は忘れていません。2階のリビングダイニングにある雪見障子で囲われた吹き抜けは、2階の光を1階に導くと同時に、1階で暮らすご両親の気配を2階で感じることができる心の通り道としての役割を持っているのです。
画像: 匠のアイデア
高齢者に優しい1階に
お年を召したご両親の生活の中心となる1階は、高齢者に優しい作りに。

古い屋根瓦を滑り止めとして再利用した玄関前のアプローチは、スロープを設け、おじいちゃんおばあちゃんを安全に家へと迎えてくれます。

家族6人全員分の靴が納められる大きな下駄箱が設置された玄関には、座って靴が楽に履けるベンチが用意されました。

腰掛けベンチは、これまでなかった家族念願の脱衣スペースにも設置され、着替える時やお風呂あがりに役立ちそうです。

かつて洗濯機が置かれ、窮屈だった浴室は、これまでと比べ物にならないほどゆったり。お年寄りも安心して使えるよう、手すりもつきました。

専用の置き場ができた洗濯機を挟んで脱衣スペースの向かい側に設けられたトイレ。ご両親の寝室から近い場所で、そのスペースも広めに作られるなど、ご高齢のご両親への配慮が見受けられます。

そのご両親の寝室は、家の一番奥、物音があまり聞こえない静かな場所に。静かな環境でゆっくり眠り、明るい朝日で目覚める。そんな健康的な生活が送れるようにと「匠」が拘った間取りです。この部屋の日当たりの良さを活かして、外壁には洗濯物が干せる器具も取り付けられました。
画像: 匠のアイデア
使い勝手の良いキッチン
1階の明るいリビングダイニングに面したキッチン。ここにもおばあちゃんが使いやすいようにと「匠」の工夫が散りばめられました。

家事動線を最小限に抑える為、あえて二つに分けた対面式キッチン。アイランド型に設置された大きいシンクの向こう側には、洗った先から、すぐに水きりが出来る食器置きが。

料理の下準備がしやすいよう、シンクの下にはゴミ箱が置けるスペース。背面に回れば、たっぷりの収納も。

シンクの横に付いている跳ね上げ式のテーブルを出せば、作業スペースを拡大することができます。

ミニシンク付きの壁面側のキッチンは、おばあちゃんの日課であるおじいちゃんの食事作りを、出来るだけ楽にしてくれる機能が満載。「匠」特性の麺ストッカーは、スライド式で左右に移動できるため、棚奥の空間も無駄なく使えます。

また、伸びる蛇口は、重い鍋を移動することなく、直接水を注ぐことも。ミニシンクにセットしてある「匠」オリジナルの湯きり専用のザルを外して、専用のまな板をシンクにのせれば、作業スペースも増やせます。
画像: 匠のアイデア
多量のコレクションも全て収まる収納力
「匠」を悩ませたのが、ご主人の持つ700枚を超えるDVDと、子どもたちの2000冊を超える漫画本。これらを収納するため、「匠」は様々な箇所に収納スペースを確保しました。

2階のリビングダイニングに残る、構造上どうしても抜くことができなかった柱。その柱を逆に利用して作ったのが、空中に浮かせたDVD収納スペースです。

大量の漫画本を収納できる、娘さんの部屋の本棚。落下防止用の安全バーも取り付けられたこの本棚は、移動させれば、娘さんの部屋をリビングスペースの続きに変えることができます。

もちろん、コレクションの為の収納だけではありません。1階のご両親の部屋には、洋服以外の物もしっかり収納出来るウォークインクローゼットが。きっと物持ちのいいおばあちゃんのこと、大活躍させてくれるに違いありません。

息子さんにも用意された2階の個室。やはり自分だけのクローゼットは欠かせません。さらに、壁の厚みを利用したパソコンテーブルも、備え付けられました。

ご夫婦の寝室にも壁一面に作られた大容量の収納が。ここにも「匠」の一工夫。元々あった着物タンスの引き出しを再利用することで、大収納の一角に、奥行きをいかした着物棚ができました。
画像: 匠のアイデア
今回お手伝いいただいた工務店の皆さん
写真:工務店の皆さん
埼玉県川口市 有限会社 畑建設
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