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2011年11月13日放送

階段を後ろ向きで下りる家

この物件が抱える問題

  • ■沖縄の平屋の家でずっと暮らしてきた93歳のおばあちゃんが、娘夫婦との同居を機に、階段のある家に生まれて初めて暮らすことに
  • ■家族が普段過ごす2階にトイレが無く、都度1階に下りなければならない
  • ■1階へと下りる階段は急勾配な上、廊下側の壁がなく転落の恐れがある
  • ■階段の手摺りは、ご主人が付けたもので、取り付け位置が低く、留め付けが甘くグラグラで危険
  • ■家全体がお年寄りに配慮した作りではなく、廊下やトイレ、お風呂にも手摺りが無い
  • ■5畳半の台所には、壁の棚の上に鍋やお皿が落ちてきそうなほど積み上げられ、食卓は椅子に座ることさえ苦労するほど狭い
  • ■せっかくある3階は、そこへの階段がさらに急勾配なため、誰も上がることが無くなってしまった
  • ■廊下が狭く、向かいあわせの部屋の扉同士がぶつかって、開けなくなることがある
  • 写真:サムネイル
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この問題を抱えた物件に、立ち上がった「匠」とその技

写真:「匠」の顔写真

繋がりの調律師 伊藤 孝

93歳のおばあちゃんが住む環境としては、かなり過酷という言葉が当てはまる。3階がほとんど使われていないといったような縦動線の問題を解消しなければ、手摺りなどを充実させても過酷な環境は変わらないだろうという印象を受けた。

全ての問題を解決したそのビフォーアフターをご覧ください!!

赤いカメラをクリックするとビフォーアフターの変化をご覧いただけます

家族の幸せを願った「匠」からのアイデア

おばあちゃんが暮らしやすい空間
場所を移した新しい玄関。磁器タイルの土間には、おばあちゃんの為の手すりが取り付けられました。腰掛けて家に上がれる特性のベンチは「匠」オリジナル。ストッパーもついていて余分にクルクルと回ることはありません。

おばあちゃんが後ろ向きに下りていた急階段は緩やかに。その下には、コートクロークと奥行きを活かした下駄箱をしつらえました。

さらに「匠」はもうひと工夫!なんと、階段下には台車も収納されており、買い物帰りなど重い荷物が楽に運べて、重宝しそうです。

玄関の奥には、「ビフォーアフター」史上初登場のホームエレベーターを設置。階段を使わずに、楽に2階や3階へと移動できます。そのエレベーターの室内には、おばあちゃんがずっと暮らしてきた沖縄の写真が。沖縄を恋しく思うおばあちゃんが、束の間、ふるさとに帰れる空間になりました。

そんな玄関やエレベーターからすぐに入れる、おばあちゃんの新しい寝室。落ち着いた雰囲気の部屋には、琉球畳でしつらえた収納付きベッド。腰掛けたまま手が届く押し入れも。

そのベッドサイドには、呼び出しボタンが。緊急時にここを押せば、別室の家族の元でアラートが鳴り響きます。

部屋に隣接して設置されたのは、おばあちゃん専用のトイレ。もう階段を上り下りする必要はありません。
画像: 匠のアイデア
生活の中心となる2階
無垢のフローリングが心地良い広々とした空間に生まれ変わった2階。

2面の窓からの明るい陽射しに包まれたリビングダイニング。その開放的な空間を見渡せる、お母さん念願のシステムキッチンは「匠」オリジナル。

もちろん、これまで不足していた収納はたっぷりと用意。高い棚も昇降式で出し入れ楽々。もう、いちいち背伸びする必要はありません。

IHコンロを組み込んだダイニングテーブルは、解体で出た柱を薄く切り、繋ぎ合わせて作ったオリジナル。天板が広がるので、子ども達が帰って来た時も、ゆったり食卓囲めます。

食卓を照らすのは、吹き抜けのトップライトの明かり。さらに、「匠」が沖縄の月桃紙で作った照明が彩りを添えます。

西側のベランダは、格子が外からの視線を遮りながらも、風と光を通す物干しに。もう一方のベランダには、植物好きな家族の為に花壇を設置。鉢を手軽に入れ替えることが出来る棚は、腰をかがめずに手入れが行える優しい高さです。

キッチン奥にまとめられた水まわり。以前は1階にあり、浴槽の深さが危険だったお風呂もここに移りました。手摺りを取り付け、浴槽もステップ付きの安全になった新しい浴室は、壁の檜の香りが心地よく、雨の日に便利な浴室乾燥機も備えました。
画像: 匠のアイデア
生き返った3階
急勾配な階段が立ちはだかり、長い間誰も上がらなくなっていた3階。新しい緩やかな階段とエレベーターで、気軽に使えるようになりました。

天井を上げて小屋裏の丸太梁を露わにし、開放感を演出した、夫婦の新しい寝室には、お母さん憧れのウォークインクローゼットも備え付けました。

寝室のドレッサーとアイロン台になるカウンターの上、沖縄の紅型柄の建具を開くと…
なんということでしょう!
吹き抜けとつながり、向かいの部屋を見渡すことができる開放感満点の大空間に。

その吹き抜けを挟んで空間が1つになる隣の部屋は、階段脇の廊下でつながる4畳半の和室。
琉球畳の上で昼寝するもよし、客間に使うもよし。もちろん、布団も十分に入る押入れも備えているので子どもや孫たちが泊まりに来ても安心です。
画像: 匠のアイデア
今回お手伝いいただいた工務店の皆さん
写真:工務店の皆さん
大阪府堺市 株式会社 創建
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