現場検証に訪れた「匠」。家族に迎え入れられ早速庭の様子を伺います。
娘さんがお母さんの手を引きながら「匠」と共に庭へ行くと、荒れ果てた光景が目に飛び込んできました。お母さんが作業できなくなってから1年、気が付けばこんな状態に。今はただそれを眺めているだけになってしまいました。
現場検証を終えていざ庭のリフォームへ!その前にこの荒れきった庭を片付けるところから始めます。生命力が強く繁殖しすぎたミントを丁寧に切り、その切り口1つ1つに除草剤を塗っていきます。地道な作業ですが他の植物を枯らさないためにはこの方法しかありません。
放置されていたビニールハウスの骨組みを解体し、伸びきった草木は植え替えるために丁寧に掘り起こされ、一時移動しました。そうして広大な庭が整地されてリフォームする準備が整いました。
お母さんが庭の世話を出来なくなって1年経ち、すっかり荒れ果ててしまった庭は今すぐ外に出たくなるような、お母さん憧れの美しいイングリッシュガーデンへと生まれ変わりました。円形にデザインされたこの庭は、人の和がモチーフとなっており、再び人の和が生まれるようにという「匠」の願いが込められています。
その輪の中にある花壇は、お母さんが作業しやすいようにレンガで丁度良い高さに立ち上げられました。疲れたときには座って作業できるようにベンチが設けられ、膝が当たらないように内側が掘り込んであります。鉢や苗を置ける棚もあり、お母さんのためにたくさん工夫されているのです。
レンガの花壇以外にも、丹波石で囲った花壇が設けられました。手入れしやすいように石に腰掛けて作業できる高さになっています。水やりには井戸水を利用しています。奥のほうにはあまり手のかからない植物を植えてお母さんの負担を減らしています。
庭の中央には姫リンゴの葉を這わせたアーチが。これはかつてのビニールハウスの骨組みを再利用したもので、お気に入りの場所だった藤棚が今度は姫リンゴのかぐわしい香りを漂わせる、自然のトンネルを創りあげてくれることでしょう。
新しいアーチの下には「匠」の手作りテーブルが置かれました。1つ1つ丁寧にモザイクタイルを貼ったテーブルは、この庭でくつろぐのにピッタリ!姫リンゴの木が成長すれば、木陰が出来てゆったりと過ごすことの出来る優雅な空間となるでしょう。
不安定な足場のせいで庭に出るたびに転倒の危険があった作業場は、掃きだしの窓からフラットに繋がるウッドデッキとなりました。家のリビングからスムーズにデッキまで出られるようになり、もう転倒の心配もありません。お母さんが動きやすい動線が誕生したのです。
デッキには以前はなかったひさしが設けられ、日差しが強い日や雨の日でも安心です。作業場の壁際には、庭に放置されていたアルミ製のアーチを再利用して園芸用具を掛けておけるように、さらに肥料などが仕舞っておける園芸棚に作りかえられました。
園芸棚の下には、新しい作業台が収納されています。キャスター付きで簡単に移動できて、作業台の蓋を開ければ土を混ぜるケースが隠されていました。ここで美しい庭を眺めながらだと、より一層作業がはかどるでしょう。
さらにお母さんのために「匠」は台車も用意しました。土を入れた苗を簡単に運べます。シルバーカーをデッキにつけておけば高さがそろえてあるので苗をシルバーカーに載せられ、そのままアプローチを移動すれば苗床に使っているサンルームまで簡単に移動できるのです。
「匠」はお母さんが使いやすいようにだけでなく、娘さんのために待望のガーデンキッチンを用意しました。自分で作った野菜を友人に振舞うのが夢だったという娘さん、庭が一望できる特等席でその夢を叶えることができるでしょう。
ガーデンキッチンは機能性も充実。床は掃除しやすいようにタイル敷きに、シンクは衛生面を考慮して収納式になっています。作業台を開けば広さは十分!友人と並んで一緒に料理もできて、これからの楽しみが増えました。これからますます人が集まる庭になるでしょう。
「匠」のアイデアは庭だけに留まりませんでした。荷物が詰め込まれていただけでもったいなかった車庫も、コストを最小限に抑えて畑仕事の作業場に改良!さらに隣のカーポートも整理して収納棚を設けて、休憩所として使えるようにしたのです。
車庫の奥には通り抜けられる動線が存在していました。作業場に改良したことでこの動線も活かしました。なんと家もプチリフォームしてほとんど使われていなかった和室を、作業中の休憩で使えるようにしたのです。
さらにトイレも一つ増やしました。作業場の奥の動線の近くにあり、仕事の途中にトイレを借りる仲間に気を遣わせることもありません。