2012年9月30日放送
頭の痛い家
■増設したサンルームの土台は、本来の基礎の木が腐ってしまったのか雨樋を置いてサンルームを支えている
■玄関は段差が重なり合っており、高さがバラバラな上60センチもあり、介護が必要なお母さんが一人で上がるのは難しい
■屋根を支える大切な柱が半分に割られていて、厚さが3センチしかない板状になっており、柱として役割を果たしていない状態
■台所の天井は屋根が一段下がったところに増築されたため低く、頭を打ってしまいそう
■三和土の上に増築された床は、断熱材が入っておらずとても冷たい。そのため立っているのがつらいほど
■調理場の天井はさらに低く、換気扇のフードは顔の正面にきてしまう
■お風呂場の天井も低く、洗面台で顔を洗って体を起こしたときにうっかり頭を打ってしまいそう
■お風呂場の天井にはヒビが入っており、そのまま放置しておけばいずれは天井が落ちてしまう危険がある
■全体的に冷たいお風呂場の床は、タイル張りで凍えるような冷たさ。真冬はその冷たさが足の裏から伝わってくる
■居間と台所の段差は35センチもの差があり、柱を手すり代わりにしなければ上り下りがとても大変
■物干しに使っているサンルームのサッシはとても低く、雨戸を開閉するのに屈む必要があるので面倒
■トイレはサンルームのとなりにあり、扉を共有している。内鍵がかけられないので落ち着かない
■書道教室を開いているが、玄関から入ってもらうのは大変なので掃きだしの窓を出入り口にしている。そこも段差があり不安定な踏み台で、出入りが危険
ほどよい家の仕立屋
佐々木寿久
今の家の生活では大変そう、これが一番のテーマになる。お母さんの足も少ししか上がらないので、玄関の段差が一番の問題になる。
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段差に苦労することの無い玄関
新しい格子の門扉の向こうには、緩やかなスロープが家族用の玄関へと導いてくれます。両側に手すりがついて、介護が必要なお母さんが一人でも行き来できるようになっています。万が一車椅子が必要になったときにも、スロープのおかげで苦労することはないでしょう。
玄関を入って左側、減築したこの場所には、以前は家の一番奥にあった書道教室用の玄関が設けられました。高い段差を不安定な足場で上り下りすることは無くなり、教室に通う子供たちも安心です。
スロープを上がってくると、段差無くこの玄関に入れます。広さも十分あり上がり框もとても低いのでスムーズに行き来ができるようになりました。靴箱の大きさもたっぷりあり近所の友人たちが訪ねてきても安心、もしものときの車椅子の置き場も作られました。
書道に集中できる教室
書道教室のための部屋には、壁際に棚が設けられました。真ん中には作品を展示するためのギャラリースペースが設けられ、両側には書道の道具置き場と手洗いや道具を洗うためのシンクが設けられ、とても便利になったのです。
「匠」特性のこのテーブル、4つのテーブルのレイアウトを変えることで4人掛けから8人掛けまで対応。その時々によって必要な空間を作り出せるようになるなっています。
壁際には生徒さん専用の収納スペースが設けられており、大事な上着や鞄などはここに置いておくことで、墨で汚してしまう心配もありません。さらにその奥に扉があり、収納になっているのです。
明るく開放的になったLDK
生まれ変わったリビングダイニングキッチンは大きな窓から差し込む日の光で、明るく開放的に生まれ変わり見違えるほどです。以前のように冷たい床に凍えることも無く暖かく暮らせます。
キッチンカウンターには大容量の食器棚が設けられました。そしてその高さはお母さんが歩くときの手すりになるように合わせてあるのです。もちろんキッチンの収納も大容量、大きな食品庫も設けられました。
システムキッチンの下は空間が空けられていています。これは万が一、車椅子が必要になったときのために、車椅子でも使いやすいよう考えられたものなのです。
重さ2トンもある屋根を支えるために作られた大黒壁。リビング中央に作られたそれを無駄にせず、壁と壁の間のスペースを棚として有効活用しています。この大黒壁のおかげで屋根裏の梁が露になり、天井の高い吹き抜け空間が生まれました。
本来の天井高を利用した屋根裏収納は、不要な荷物をしまっておくのはもちろん、ちょっとした作業にも使えるのです。障子の向こうはリビングに繋がっていてこの空間からも開放感を感じます。
気付きやすい寝室
娘さんの部屋には大容量の収納が設けられました。天井際の壁はガラスで隣のお母さんの気配が感じ取れます。何かあったときにはすぐ駆けつけられるように扉が設けられました。
お母さんの部屋は南向きで日の光が差し込み、サッシの向こうには庭が見える景色のいい部屋になりました。大きなサッシはフルオープンにできて、縁側にも段差無く出られるようになっているのです。
お母さんの部屋からは、扉を開ければリビングから玄関、その先のトイレへと一直線に繋がっていてお母さんの生活動線を第一に考えています。扉の取っ手も掴みやすく工夫された形になりました。
お母さんが暮らしやすいように
洗面所に入るときに使う手すりは、洗面台のほうにスライドさせれば寄りかかれる腰当になります。これがあれば歯を磨くときなどに楽に洗面所に立っていられるでしょう。
洗面台にもあるアイデアが。洗面台扉を開けると歯ブラシが固定されています。お母さんが右手だけで歯磨き粉をつけて手に取ることができるように工夫されています。
お母さんがリビングを行き来するために「匠」が用意したのが特製のゲート式歩行器。それを鮮やかに彩るのは、お母さんが持っていた糸を再利用して組み紐にしたもの。鉄パイプで組み合わされた歩行器を、美しく仕上げました。
通常の歩行器では左右に転倒してしまう恐れがあるので、ゲート式の歩行器を制作し天井側にレールを設置して転倒の恐れをなくしました。これで玄関からお母さんの部屋までの手すりの無いリビングを安全に行き来できるのです。
凍えずに済む水回り
水回りには新たに脱衣所が生まれ、大きな洗面台や洗濯機が置かれ天井の低さは解消されています。お風呂場と共に暖かく生まれ変わり、寒さに凍えてしまうこともありません。
以前のタイル張りで、真冬は足の裏から冷たさが伝わってくるお風呂場は暖かくなり、ゆったりとくつろげます。天井も高くなったお風呂場には手すりも付けられ、安心して入ることが出来るでしょう。
トイレは最新式の全自動のもの、お母さんが楽に寄りかかれるようにクッションつきのパーテーションも設けられています。リビングの温まった空気を吹き出す仕組みが新たに設けられ、ヒートショックから家族を守ってくれるのです。
福岡県福岡市
株式会社アイ・ディー・シー
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