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2012年10月21日放送

とんでもなく傾いた家

この物件が抱える問題

  • ■家全体が大きく傾いているので、それに伴い建具も大きく傾いてしまっている
  • ■傾いた建具を調整するために、鴨居の溝を1本増やしている
  • ■家の傾きのせいで、建具を閉めようとしても完全に閉まらず大きな隙間が出来てしまう
  • ■傾いた寝室の壁は今にも倒れてきそうなほどで、寝ているとかなり圧迫感を感じる
  • ■台所の高い壁を見ると、その傾きは今にも家が倒れそうなほど
  • ■階段も家の傾きに伴い、傾いてしまっていて真っ直ぐ上ることが難しく危険
  • ■2階も1階と同じように傾いており、その影響で天井がたわんでしまっている
  • ■2階の物干し場は奥行き40センチほどの板を敷いただけで、手すりも無く過去に2、3度転落しかけ非常に危険
  • ■室内用のユニットバスが家の外に剥き出しで置いてある。ユニットバスはとても狭くて、いつも窮屈
  • ■ユニットバスが窓を塞いでしまい、日光が入らず照明を消すと日中でも家の中は真っ暗
  • ■さらに、2軒長屋なので隣の家も大きく傾いているが、、内装をリフォームして無理矢理ごまかしている
  • ■傾いてしまった2軒は、さらに隣の家に寄りかかる形で何とか支えられている。いつ倒壊してもおかしくない状況
  • 写真:サムネイル
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この問題を抱えた物件に、立ち上がった「匠」とその技

写真:「匠」の顔写真

京町家の粋人 坂田基禎

予想に反してかなり歪んでいる、いつ倒壊してもおかしくない状態。傾いた家にいると精神的に不安定な気持ちになってしまう、本来は家というのはリラックスできる場所なので、そこを解決したい。

全ての問題を解決したそのビフォーアフターをご覧ください!!

赤いカメラをクリックするとビフォーアフターの変化をご覧いただけます

家族の幸せを願った「匠」からのアイデア

お母さんの新たな生活空間
玄関の扉を開くとそこには階段下の収納が、スペースを無駄にせず奥行きを活かし大容量に。初孫のベビーカーを収納しておくには最適の場所です。反対側の壁は以前の土壁を再利用して作られた新たな土壁です。

1階リビングのテーブルは普段はお母さん一人用のコンパクトなテーブルですが、折りたたまれた天板を広げれば、4人で囲めるテーブルに早変わり。孫と一緒に皆で食卓を囲めるように工夫されています。

庭には物干し場が設けられました。以前のように2階から転落の心配をせず安心して洗濯物が干せるのです。格子戸を閉めておけば庭の雰囲気を壊すこともないでしょう。

京繍職人であるお母さんのためにテレビ台の下には刺繍台と、キャスター付きの専用の収納が設けられました。それらを引き出せば仕事スペースに早変わり。収納にはたくさんの糸が整理されていて、探している糸がすぐ取り出せます。大好きな仕事をより楽しく続けられるでしょう。

お隣と接した壁は一面が収納となっています。こうすることで隣同士の音の問題に配慮、お母さんのたくさんの着物をしまうための「匠」オリジナルの箪笥も設けられました。来客時などは間仕切りを閉じれば寝室と分けることができるのです。
画像: 匠のアイデア
不便な水回りを解消
坪庭だった一角にはお風呂と洗濯機が置かれた脱衣洗面所が。以前のように居間で着替えることも無く、洗顔も台所ではなく洗面所で快適にできるでしょう。

お風呂も明るく広々と生まれ変わりました。浴槽は以前の倍以上の広さがあり、足を伸ばしてゆったりとくつろげるでしょう。換気にもつかえる大きな窓を開ければ、坪庭を眺めることができるので、これからはリラックスできる空間になりそうです。

そして、階段の近くには待ち望んだ室内トイレが出来ました。もうトイレのたびに外にでることも無く、面倒な移動から開放されました。
画像: 匠のアイデア
仕事と育児を両立
息子夫婦の仕事場として使う部屋は、夏場は強い西日に悩まされます。そこで「匠」が考案した、レバーひとつで格子が閉じるオリジナルの格子のおかげでその悩みを解消しました。

仕事場の奥には孫を寝かせたり、遊ばせたり出来る多目的スペースを用意しました。壁一面の収納には育児用品、衣類、仕事道具がスッキリ納まるようになっています。さらにお茶やミルクの準備が出来るミニキッチンも用意されました。

来客時などは育児スペースを間仕切れるようになっているのですが、その間仕切りにはある工夫が。丸窓が設けられていてそこを空ければ、いつでも孫の様子が伺えるので安心して仕事が出来るのです。


家の傾きが解消され、安心して暮らせるようになったこの家で、お客さんはもちろん息子夫婦が寝泊りできる部屋が設けられました。この部屋を使う機会もこれから増えるかもしれません。
画像: 匠のアイデア
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明るく趣のある空間
続いて2軒目、お隣の新しくなったキッチンは、同居する姪の好みに合わせて昔ながらのかまどをイメージしたデザインに。IHコンロを備えました。収納も充実しており、2人暮らしには十分な容量です。

町家では限られたスペースを無駄に出来ません。階段下のこの空間を有効活用し、大容量の収納にしました。大きな荷物を片付けておけるので部屋が荷物でいっぱいになりません。


リビングは坪庭のサッシを全開にすると、大きな開口部から光がたっぷり入るのでとても明るくなりました。趣のある坪庭を眺めることの出来る最高の場所に生まれ変わったのです。


坪庭に「匠」が作り上げたのは、京都の山々と町並みを石とコケで再現した縮景です。坪庭の景色をより楽しめることでしょう。
画像: 匠のアイデア
プライバシーが保たれた2階
同居する姪のための2階の寝室は、天井を高くし梁を露にして開放感たっぷり。壁際には様々な用途に使える多目的テーブルが設けられました。大容量の収納も用意されて、これから荷物が増えても安心です。


お隣と同様に、夏場の強い西日を遮るために「匠」オリジナルの格子を採用。強い日差しを遮りながらも、風だけを通すことが可能です。


2階の奥にはベランダに通じる廊下が、その一角は吹き抜けとなり真下のリビングの様子が伺えるようになっているのです。同居してお互いの生活空間が分かれても気配は感じ取れるようなりました。


お互いのプライバシーを確保するため、2階にもトイレが設けられました。トイレ内の手洗いは、洗面や化粧が出来るように使い勝手の良い大きめのシンクが設けられています。


2階には広々としたベランダが設けられ、ここにも洗濯物が干せるようになっています。姪が気兼ねなく洗濯物を干せるように配慮して作られたものです。
画像: 匠のアイデア
今回お手伝いいただいた工務店の皆さん
写真:工務店の皆さん
京都市中京区 Total House (株) 中 藏
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