2013年2月10日放送
命がけで風呂を沸かす家
■居間の入り口には30センチの段差が扉を開けてすぐにあるので、急いで通るとこけてしまうことがあるので危険
■台所にも30センチの段差がある出入り口があるが、危険なため普段は一切使っていない
■2階にも2つの建物を行き来できるように開口を設けてあるが、60センチもの段差があるので使わず家具で塞いでいる
■増築した新しい家の瓦屋根と古い家の屋根の重なり合うところの、防水が不十分になっており雨が降ると雨水が入ってくる
■屋根の接合部から入り込んだ雨のため、1階の天井にはいたるところに雨漏りの跡が残っている
■お風呂場の脱衣所は洗濯機に占領されており、服を脱ぐスペースが非常に狭い
■脱衣所とお風呂場の間には扉が無く、窓は木製の建具で冬場は隙間風が入りとても寒い
■薪で沸かしているホーロー製のお風呂は、かなり錆が出ていて更にひび割れてきている
■お風呂の焚き口への通路は深い水路の上に鉄板が渡してあるが、水路が広いため隙間を塞ぎきれていない
■水路に渡している鉄板は針金で繋げているだけなので、とても不安定
家の記憶の修復師
下田卓夫
危険な鉄板の上を渡り、薪でお風呂を沸かすという問題はスッキリと解決したい。日中はおばあちゃんが一人で過ごしているので、孤独にならないように気持ちよく時間が持てる空間を考えていかないといけないと思う。
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歩きやすくなった玄関
トタン板で囲われていた車庫があった場所を、白壁で囲い戸口を設けて中庭への入り口に生まれ変わりました。その中庭を通り抜けると、玄関へと向かうことができます。
駐車場と中庭の間には、玄関まで続くアプローチ。採石場で集めた石が飾られていて、雨でぬかるまないように地面が舗装されたので、玄関まで安心して歩くことができます。
アプローチの先には、17年前に建具職人のおじいちゃんが増築した立派な建物は変わらず残されています。以前と変わらずここがこの家の玄関になっています。
安全に沸かせるお風呂
余裕のある洗面脱衣所の洗面台と洗濯機の反対側には、壁一面を利用した大容量の収納棚が設けられました。タオルや洗剤を置いたり、お風呂に入るときに脱いだ服を置いておいたりもできます。
気密性が上がり寒さから開放された待望の新しいお風呂は、ボタンひとつでお風呂が沸かせるので、危険な通路を渡り薪で沸かしていたかつてのお風呂に比べて、安全に生まれ変わりました。
さらにお風呂に浴室乾燥も完備されてとっても便利に。雨が降る日でもここで洗濯物が干せるようになっているのです。
収納豊富なキッチン
対面型キッチンには、かつての居間の入り口や靴箱の建具などの扉を再利用した収納が設けられています。おじいちゃんお気に入りの建具を使うことで、家族の思い出を残しました。
作業スペースが広々としたキッチンは収納もたっぷり、調理器具や家族5人分の食器だけでなく大勢の来客にも対応できる抜群の収納力です。
キッチンからはリビングやダイニングが見渡せて、家族の様子を伺うことができます。さらに扉を開け放てば、中庭まで見える開放的なキッチンになりました。
家族で楽しめる中庭
明るい中庭は、日除けのひさしやベンチとテーブルも備えられた憩いの空間になりました。天気のいい日には家族や仲間でバーベキューを楽しんだりできる空間としても使えるのです。
その中庭には、以前のお風呂で使っていた古びたホーローの浴槽を半分に切って再利用した屋外シンクを設けました。釣ってきた魚をさばいて振舞うこともできるでしょう。
LDKと中庭は引き戸を開ければすぐに行き来できるよう、ひとつながりになっています。室内の壁にはコート掛けと靴箱が作りつけられ、第2の玄関としても活用できます。
高さを活かしたリビングダイニング
リビングダイニングには元々の作業場の高さを活かしたスキップフロアを設けました。最初のフロアは海も望める小窓が並んだリビング。次のフロアは寝転んでくつろげる畳の間になりました。
リビングには床の高さを活かして、床下収納を設けました。引き出しも設けられて大容量の床下収納には、季節用品など普段使わない荷物を仕舞っておくのにとても便利です。
畳の間の壁に取り付けられている飾り棚は、以前2階の床の間にあったものを再利用したもの。そこにはおじいちゃんが愛用していた道具と、建具の一部を切り取った写真立てを置きました。おじいちゃんの思い出が蘇るおばあちゃんの癒しの空間です。
そんな癒しの畳の間からは、瀬戸内の海と山の大パノラマが望める大きな窓!床が高いので目の前の道から家の中が見えないようになっています。
もちろん「匠」はスキップフロアの床高を無駄にはしません。高さ90センチ、奥行き150センチもある大きなワゴン収納を2列。奥行き75センチの小さな収納を1列設け、買い置きの食料品や食器がたっぷり入る取り出しやすい収納に!
ダイニングの一角にできた小さな作業コーナーは、組み木細工が趣味のお母さんの作業スペース。今までは工場に通っていましたが、これからは自宅で思う存分趣味を楽しめます。
行き来が便利なおばあちゃんの寝室
日当たりの良いおばあちゃんの寝室の片隅に設けられたのは、小窓と照明とテーブルを作りつけた作業スペース。おばあちゃんが腰を掛けながら楽に趣味の裁縫を楽しめるコーナーになっています。
裁縫道具を置いておくおしゃれな棚は、キッチンの収納にも使った靴箱の建具のもう一枚を再利用したもの。ここに裁縫で使う糸などを置いておけば、裁縫をしながらテーブルが散らからずに作業できるでしょう。
押入やクローゼットなど、大きな収納が設けられているのでおばあちゃんの荷物が問題なく仕舞えます。リビングダイニングや玄関、水回りへ繋がる便利な動線のこの部屋にはもちろん段差はありません。
日差しが明るい夫婦の寝室
2階に新しく生まれた、夫婦の寝室には廊下側の一角に大きなクローゼットを設けました。これだけ大容量なら夫婦の衣類も問題なく収納できるでしょう。
寝室の間仕切りの向こう側には、南向きの窓から明るい日差しが差し込む日当たりの良い書斎スペースが生まれました。壁いっぱいに伸びるカウンターデスクは、夫婦2人が並んで作業しても余裕の広さ。
カウンターデスクの端の壁に設けられている箱を開けると、蓋の裏には鏡が取り付けられていて、箱の中は化粧道具が収納されており、お母さんのドレッサースペースとして使えるのです。
広島県広島市
吉村建設株式会社
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