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2014年6月22日放送

日に日に傾く家

この物件が抱える問題

  • ■擁壁ギリギリに家が建っていて、土圧がかかり擁壁に亀裂が入っている
  • ■もともと平屋だった家を擁壁ギリギリまで増築したため、家の重みのせいで擁壁が道路側に傾いている
  • ■入口のスロープはその手前に30センチもの大きな段差があり、急勾配な上にカーブしている
  • ■居間の床は傾いていて、立っているだけでも不自然さを感じる
  • ■洗濯機は冷蔵庫と台所の狭い隙間の奥にある
  • ■洗濯場は足元が不安定で、洗濯機も不安定な廃材の上に置かれ<、いつひっくり返ってもおかしくない状態
  • ■水回りは半畳に開き戸が3枚あり、扉が重なり合ってトイレに閉じ込められることもある
  • ■2階には日当たりの良い和室が2間あるが、今はほとんど使われていない状態
  • ■2階は古い木製サッシのせいで隙間風が入るため、冬場は極寒になる
  • 写真:サムネイル
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この問題を抱えた物件に、立ち上がった「匠」とその技

写真:「匠」の顔写真

楽しい住まいの発明家 原 宏

最初外観を見たときに、とても良い雰囲気だと思い中も期待していたら、やはり期待通り雰囲気のいい趣のあるお宅だった。ただ、残せるものは残したいと思うが構造的なところで不安があり、それなりにコストがかかる。コストと工事の内容にどう折り合いを付けるかが課題。

全ての問題を解決したそのビフォーアフターをご覧ください!!

赤いカメラをクリックするとビフォーアフターの変化をご覧いただけます

家族の幸せを願った「匠」からのアイデア

広々とした玄関アプローチ
右の門扉を開くと、そのまま入って自転車が置ける駐輪場と階段に、左の門の先は、まっすぐ玄関に伸びる緩やかなスロープになりました。

以前より倍以上長く距離を取った新たなスロープには、水道管のパッキンとして使われるゴムリングで型どった滑り止めが施され、雨の日でも車椅子で安全に上がることができます。



今ではほとんどお目にかかれない風情ある無垢材の照明器具は元の位置に戻されました。
画像: 匠のアイデア
充実した明るいLDK
南側の庭に面した最も日当りの良いこの場所は、平屋だった屋根の天井高と広い開口を生かし、開放的なリビングダイニングキッチンに変えました。

料理好きの母と娘が並んで立てる広い対面式キッチン。奥行き90センチもある広い天板の下の収納は、両側から物が出し入れできるようになっています。



たっぷりの収納だけでなく、パンやピザも焼ける広いグリルや食洗機も備え付けたシステムキッチン。買い物の荷物が多くても、勝手口からすぐにキッチンへ運び入れられます。



おじいちゃんの本棚は、高さを低くしリビングで再利用。その一角には、洋裁が好きなお母さんのためのミシンコーナーも設けられました。




愛用の古いミシンと一体になったこのテーブルは匠オリジナル。キャスター付きで軽々と移動でき、今までと同じように、庭に面した特等席で作業できます。

画像: 匠のアイデア
子供たちが遊べる庭
広すぎた庭は樹木を整理し、芝生を植えて子どもたちの遊び場に。柿の木を囲んでブロックを敷いた土間部分は、バーベキューを楽しむのにうってつけです。

その庭に彩りを添えるのは、花が大好きなお母さんのための花壇。隣には遊び盛りの子供たちのためにブランコも作りました。



ブランコはスロープを作るのに切らざるを得なかった松の木の丸太で作ったもの。生木の丸太は雨に濡れても傷みにくい人工乾燥を施しました。
画像: 匠のアイデア
集中できる空間
リビングダイニングと、キッチンを挟んで向こう側には、ご主人が家で仕事をしたり、子どもたちの勉強部屋にもなるスタディコーナーを作りました。


以前から使われていた古い建具を再利用した小窓を開ければキッチンへとつながり、いつでもリビングにいる家族の気配が感じられます。
画像: 匠のアイデア
1階の便利な機能
かつて台所があった場所はお茶を飲みたい時にすぐにお湯が沸かせる便利なミニキッチンと、お母さんの思い出の箪笥をおさめたウォークインクローゼットになりました。

「匠」の細やかな気遣いはこんなところにも。各部屋入口のドアの上には、古い建具を再利用して通風窓を付け、ドアを閉めていても空気がこもらず二世帯住宅でプライバシーを保ちつつ、快適に暮らすためのアイデアです。

廊下を挟んで、お母さんの寝室の向い側にもう一部屋。そこは、同居を始める娘さん夫婦の寝室。廊下を通らず、ここからキッチンやリビングに直接行けるよう、隣のスタディコーナーと繋がっています。



共働きで忙しく働く夫婦のために、大きなウォークインクローゼットを備えました。季節ものの衣類もそのまま十分しまっておける広さです。
画像: 匠のアイデア
整理された水回り
以前はお風呂の扉を開けるとトイレから出られなくなるほど、水回りの扉は密集していましたが、トイレや洗面所、お風呂などは機能的にまとめられました。

広くて明るいお風呂が出来たこの場所は、寒々しい土間だった洗濯場。浴室暖房も備えているのでいつでも温かく、雨の日には洗濯物が干せます。
画像: 匠のアイデア
生活空間として蘇った2階
親戚や友達が遊びに来た時に、客間として使える4畳半の和室。その一角には、布団もしまえる奥行きのある収納と、ちょっとした作業になにかと便利な机を作り付けました。

机の引き出しは、お母さんが学生の頃使っていたという古い机を利用したもの。壁にあるコルクボードを開けば、内側に小物もしまえる収納と鏡が付いており、鏡台として使えます。


2段ベッドを置いても、余裕の空間。天井を抜いて梁を出し、屋根の高さを生かしました。壁一面には、姉妹それぞれのクローゼットを確保。




もちろん、子どもたちの成長や必要に応じて、間取りを変えることも想定。2段ベッドを取り除き、建具を開け放てば、隣の和室とひとつながりにして使うこともできます。



2階が新たな生活スペースになったため、これまでなかったトイレを廊下の奥に作りました。その新しいトイレも、以前使われていた照明器具でレトロな雰囲気になりました。
画像: 匠のアイデア
今回お手伝いいただいた工務店の皆さん
写真:工務店の皆さん
埼玉県春日部市 (株)ダイケイホーム
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