2015年2月1日 放送
屋根から父親が落ちそうな家
■勾配の緩い車庫の屋根はすぐ雪が積もってしまい、つららがアプローチに落ちそうで危険
■71歳の父が一人で雪下ろしをしている
■車庫に合わせて車を買ったものの、車高も車幅もぎりぎりで運転席側の扉は開けず、助手席側から乗り降りしている
■冬場は雪囲いの屋根の上まで雪に囲まれてかまくら状態
■屋根から落ちた雪が外壁に接しており、外壁の耐久性が悪くなり湿気を呼んでいる
■雪に埋まる窓を梱包材で覆っているが、室内は冷蔵庫なみに寒い
■トイレは寒く水が凍らないように冬はヒーターを24時間つけっぱなしにしている
■息子たちの背が高く、180cmの鴨居が低すぎる
■台所に隣接しているお風呂には、脱衣場がなく台所と居間の仕切りが擦りガラス
■風呂場は寒く、室内温度差がありヒートショック現象が心配
■寒さ対策で外用のサッシを室内に設置している
■窓の冊子を2重にしているが、断熱用ではないので結露しやすく、家中がカビだらけになっている
■ガムテープで建具の隙間風を防いでいる
■冬は寒く、敷布団2枚、掛け布団2枚、毛布も2枚かぶって寝ている
安住空間の探求者
本間貴史
雪対策が一番の問題。ご高齢なので雪掻きや雪下ろしが危険で重労働だと思う。
また寒さ対策も重要。断熱材がまったく入っていないようなので室内が室外と変わらないぐらい冷える。暖房をつけ続けることで経済的にも負担がかかるし、室内の温度差が激しくヒートショックが心配なので、温度のバリアフリーということを考えて設計する必要がある。
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雪が積もらない家
無落雪屋根は、真ん中に向かって傾斜がつき、ヒーターで凍結を防止。
駐車場の屋根にも雪対策が施されました。
ルーフヒーターを完備し、積もった雪を溶かして落とすことが出来るので、もうお父さんが雪下ろしする必要はありません。
この家で同居する長男のリクエストで車庫は車2台が余裕で入る広さを確保。シャッターはもちろん自動。寒い冬でも車から出ることなく開け閉めが出来ます。
駐車場の脇に出来た新しい玄関アプローチには、地中熱を使ったロードヒーティングが敷かれ、雪かきの必要もなくなりました。
その正面の小窓に見えるのは、古坂家の新しいシンボル。
ねぶたの伝統的な技法で描かれたおめでたい宝船は、家族が明るい未来へと導かれるように、との願いが込められています。
5人住まいを見据えた玄関収納
壁一面の収納は、家族5人分の靴がしまえる大きさをしっかり確保しました。
反対側の階段下もフル活用。
扉も大きく、奥行きもあるため、自転車や大きな荷物をしまうのに便利です。
暖かく明るいリビングダイニング
リビングダイニングには、そのままゴロ寝が出来る3帖ほどの畳スペースが設けられました。
扉が両脇にすっきりしまえる左側の収納は、ご先祖様の仏壇。
右側の神棚の下の収納には布団も入るので、兄弟が実家に帰って来た時には、ここを寝室変わりに使うことが出来、温かい部屋でゆっくり休めます。
窓際に付けられたオリジナルの雪囲いの金具は、かつて造船の仕事で溶接作業をしていたというお父さんの手作り。
雪囲いは透明な素材なので光を遮ることがなく、積もった雪でガラスが割れるのを防ぎます。
新しく懐かしいキッチン
吊り戸棚には、小柄なお母さんのために調味料入れが下に引き出せる工夫も。台所仕事がぐんとはかどります。
背面に作り付けた食器棚のガラス戸には、かつて台所と居間の間で使われていた磨りガラスを再利用。
その味わい深い風合いは、今やほとんどお目にかかれなくなりました。
凍えない水回り
家族が集まるリビングとキッチンのすぐ横に、暖かなトイレと浴室が新たに出来ました。
高齢の両親のことを考え、トイレから直接脱衣場に行き来できる扉も。
広々としたその脱衣場には、収納もたっぷり。
天井には、スイッチ一つで高さを自由に調節出来る物干が付いており、洗濯した後.すぐにここで洗濯物を干すことが出来ます。
冬場、外に洗濯物が干せない雪国では嬉しい機能です。
匠が特に力を入れたのは、地元の青森ヒバをふんだんに使ったお風呂。
窓から見える坪庭とヒバの香りが心を癒し、冷えた体も芯から温まります。足を伸ばしてゆっくり寛げ、もう寒い浴槽で縮こまる必要はありません。
思い出を残した寝室
両親の寝室の天井は少し和風に設えました。かつての寝室の天井を、材料もそのまま再現。今ではとても貴重なサクラの枝が使われています。
匠オリジナルの畳ベッドは、収納も充実。
普段使わないものや季節のものなど、これだけあれば、しまう場所に困りません。
もちろんクローゼットも大容量。
お母さんの嫁入りダンスがぴったり納まるよう作られています。
季節ごとに布団が入れ替えられる押し入れも別に設けました。
新しい家族のための空間
位置を変えた階段を上がってすぐの場所に洗面台とトイレを新たに作りました。
西向きの掃き出し窓の先には、これまでなかった5畳半もあるベランダが。
植物を育てるのもよし、日向ぼっこをしながらお茶を楽しむもよし。もちろん、晴れた日には洗濯物を干すのにも最適です。
サブリビングにあるもう一つの引き戸を開けると、そこには資格試験など常に勉強が必要な銀行員のお兄さんのための書斎も作られました。
長男家族の生活の中心となるそのサブリビングを右手に、廊下をまっすぐ進むと、左側にあるのが子供部屋。
夫婦の寝室には、使い勝手に優れた収納もたっぷり。
奥さんのために化粧台も作られました。
さらに、奥行きが3メートル近くもあるウォークインクローゼットが作られました。
体の大きいお兄さんの洋服はもちろん、夫婦2人分の荷物が十分しまえます。
青森県三沢市
(有)浄法寺工務店
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