リフォーム初日。
匠がまず手を付けたのは、匠がまず手を付けたのは、ご近所から見える通り沿いから。
伸びきった草や、所々が途切れで何の役にもたっていない金網も撤去。
地を這うように成長したヒノキ科のハイビャクシンも、3人がかりで30分かけてようやく撤去しました。
こうして、お隣の生け垣と比べると大違い、ほったらかしで荒れ放題だった庭の正面の間口の広い斜面が露わに。
アプローチに敷かれたコンクリートの平らな板や、階段を次々と取り外していきます。
階段はコンクリート板を土に置いただけのシンプルな造り。
次に門柱を移動しようとしますが…バンドを巻いて重機で吊り上げようとした途端、なんと真っ二つに!
門柱に鉄筋は入っておらず、モルタルで固めただけの構造だったのです。移設は諦め、使えそうな表面のレンガだけでも再利用することに。
門まわりとアプローチをすべて解体した「匠」が手にしたのはドイツでは一般的なコンクリート製のプランター。
40年程前から多くの庭で使われているガーデニング用品の定番で、1つおよそ50キロの重さがあるので土留めの役割も果たします。
使い道に困り庭に20個放置されていましたが、さらに「匠」は55個も買い付け。 もともと金網フェンスを張っていた場所へ運び、立てて積み上げ始めたのです。
プランターの中にモルタルを詰め、土の中から掘り起こした土留めの石を積んでいきます。 プランターの表面は白モルタルで化粧。上の段の連結部分にはモルタルで土手を盛り、真ん中に窪みを作り、草花を植えました。
こうして、かつては雑草が茂り低い金網が破れて無惨な庭の正面が、プランターを2段積みした、高さ80センチの塀が完成しました。
斬新なアイデアで塀を作った「匠」は、アプローチの階段を解体したコンクリートの板を5等分に切り分け、道路際の中央部分にモルタルで据え付け始めました。
次に「匠」が手に取ったのはドイツの石畳で使われている玄武岩。
扇型に配置したコンクリート板の隙間に詰めていきます。
これは、大小の石を組み合わせた石敷きで日本庭園の景観を引き締める「延段」の手法です。
こうして、かつては庭の隅にあった門は低い金網や雑草もろとも取り払われ、家の正面にプランターの塀と一体になった門が完成。 階段は階段は「延段」、門柱は玄武岩の断面を見せた小端積みと、「匠」による日本の造園技術で仕上げられました。
日本と同じように自ら重機に乗り込んだ「匠」は、庭の端、ガレージ脇の斜面を掘削。
ここは、奥さん専用の駐車場。
アプローチの解体で外したコンクリートの板を10センチずつずらして、3段積みの土留めに再利用しました。
駐車場を作るために掘り下げた所にコンクリートを打つために、ドイツの職人さんの登場。
「匠」がコンクリートを均していると、「もっと大きいのがある」とドイツのコテを取り出します。それは、まるでグラウンドを均すトンボのような大きさ。
ドイツにはもっと大きなコテもあるそうです。
コンクリートを打った後、白い液体をかける「匠」。
ドイツでみつけた薬剤で洗い出しをしようというのです。5時間後、表面を水で洗い流し、コンクリートの骨材が浮かび上がりました。
これにはドイツの職人さんも「天才的な発想」と感動です。
コンクリートを打つのは駐車場だけではありません。元々不規則な長い階段があった場所に駐車場の脇から玄関先までおよそ30メートルのアプローチを作ります。
重機を操るドイツの職人さんに「ドイツなら3人いれば1時間で終わる」と言われ、元職人の意地で斜面を駆け上がるユージさん!
コンクリートを打ち終えた新たなアプローチに、「匠」がビール瓶を埋め込み始めます。
その数、全部で102本!
駐車場同様に洗い出し、何事もないかのように瓶を抜き始める「匠」。
出来た102個の丸い穴すべてに白モルタルを詰めていきます。
かつては高低差3メートルをつなぐ17段の階段が続いたアプローチが、ゆるやかなスロ-プに大変身。
洗い出し仕上げで滑りにくい駐車場と玄関をつなぐ家族用のアプローチが完成しました。ビール瓶であけた穴は桜の花をイメージし、全体を日本風の小道に仕上げました。
次に「匠」とユージさんが運び込んだのはドイツ特有の穴あきレンガ。
無数の穴をあけることで材料費や輸送費も抑えられるようにと考えられたもの。
通常砕いて再利用するレンガを特別に譲っていただきました。
そのレンガを家のすぐ前に70cmのコの字型に積み上げました。
その上に造られたのは手作りのピザ窯。
段ボールの型に合わせてレンガを積み上げて作り上げました。中の段ボールを燃やして完成です。
一時帰国したユージさんに変わり、チーム金井のTKO木本さんが登場。
ピザ窯の横で得意のレンガ積み。
様子を見に来たドイツの職人さんにも手伝ってもらい作業を進めます。
かつて何もなく荒れていた一角に、ピザ窯、その両隣にはシンクとバーベキュー台が出来上がりました。
チーム金井とドイツの職人さんの合作です。
ドイツの職人さんに連れてきてもらったのは、約350万坪、東京ドーム250個分にあたる川もあるこの広大な土地。なんとこの土地すべてがドイツの職人さんのもの。
「匠」からリフォームに使う自然の木や石が欲しいと相談され、それなら自分の土地に行くのが一番だと案内してくれたのです。
ホームセンターでは買えない沢山の自然石と木の幹や枝などの自然素材がそこら中に転がっています。
ときには急斜面を滑り落ちながら、使えそうな素材を集めます。
駐車場を掘り起こした際の残土にコンクリートを混ぜ合わせたものを、階段の脇に敷いた黒いビニールの上に載せていきます。
特に均すこともなく、デコボコのままビニールを覆い隠しました。
その上に、川から取ってきた平らな石を無造作に配置していきます。続いて、苔むした丸太を横向きに…。 次々と自然の石や木が置かれ隙間には植物を植えていきます。
せせらぎが心地よい、自然素材で自然環境を再現したビオトープが完成しました。
自然の姿を違和感なく再現している様に、ドイツの職人さんはまたも感動。
木本さんに変わり、ドイツに再び到着したユージさんを交え、リフォームはいよいよ最終段階へ。
ドイツでも「匠」のリフォームには欠かせない古タイヤが登場。
古タイヤに土をかぶせ、もともと庭を覆っていた苔むした芝を張り付け、大小4つの築山を作りあげました。
築山に橋を架け、まわりに玉砂利をしきつめた日本庭園が完成しました。
室内に日本庭園を眺めることができる小上がりを作り、全作業が終了しました。