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2015年6月28日放送(解決編)

ご近所から注意される庭

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この問題を抱えた物件に、立ち上がった「匠」とその技

写真:「匠」の顔写真

廃材のスタイリスト 金井良一

ヨーロッパの庭といえば、イタリア庭園などがあるが、様式的に「ドイツ庭園」という言葉はない。
ドイツは緑を大切にする国、自然保護は一番大切にしているというイメージ。

現場検証 問題解決のために必要なリフォームは…?

正面からスタート

画像:ご近所から注意される庭(解決編)

リフォーム初日。
匠がまず手を付けたのは、匠がまず手を付けたのは、ご近所から見える通り沿いから。
伸びきった草や、所々が途切れで何の役にもたっていない金網も撤去。
地を這うように成長したヒノキ科のハイビャクシンも、3人がかりで30分かけてようやく撤去しました。

画像:ご近所から注意される庭(解決編)

こうして、お隣の生け垣と比べると大違い、ほったらかしで荒れ放題だった庭の正面の間口の広い斜面が露わに。

本格的リフォームの開始

画像:ご近所から注意される庭(解決編)

アプローチに敷かれたコンクリートの平らな板や、階段を次々と取り外していきます。
階段はコンクリート板を土に置いただけのシンプルな造り。

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次に門柱を移動しようとしますが…バンドを巻いて重機で吊り上げようとした途端、なんと真っ二つに!
門柱に鉄筋は入っておらず、モルタルで固めただけの構造だったのです。移設は諦め、使えそうな表面のレンガだけでも再利用することに。

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門まわりとアプローチをすべて解体した「匠」が手にしたのはドイツでは一般的なコンクリート製のプランター。
40年程前から多くの庭で使われているガーデニング用品の定番で、1つおよそ50キロの重さがあるので土留めの役割も果たします。

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使い道に困り庭に20個放置されていましたが、さらに「匠」は55個も買い付け。 もともと金網フェンスを張っていた場所へ運び、立てて積み上げ始めたのです。

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プランターの中にモルタルを詰め、土の中から掘り起こした土留めの石を積んでいきます。 プランターの表面は白モルタルで化粧。上の段の連結部分にはモルタルで土手を盛り、真ん中に窪みを作り、草花を植えました。

画像:ご近所から注意される庭(解決編)

こうして、かつては雑草が茂り低い金網が破れて無惨な庭の正面が、プランターを2段積みした、高さ80センチの塀が完成しました。

日本の技を活かした門

画像:ご近所から注意される庭(解決編)

斬新なアイデアで塀を作った「匠」は、アプローチの階段を解体したコンクリートの板を5等分に切り分け、道路際の中央部分にモルタルで据え付け始めました。

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次に「匠」が手に取ったのはドイツの石畳で使われている玄武岩。
扇型に配置したコンクリート板の隙間に詰めていきます。
これは、大小の石を組み合わせた石敷きで日本庭園の景観を引き締める「延段」の手法です。

画像:ご近所から注意される庭(解決編)

こうして、かつては庭の隅にあった門は低い金網や雑草もろとも取り払われ、家の正面にプランターの塀と一体になった門が完成。 階段は階段は「延段」、門柱は玄武岩の断面を見せた小端積みと、「匠」による日本の造園技術で仕上げられました。

ドイツの職人さんが驚く技

画像:ご近所から注意される庭(解決編)

日本と同じように自ら重機に乗り込んだ「匠」は、庭の端、ガレージ脇の斜面を掘削。

画像:ご近所から注意される庭(解決編)

ここは、奥さん専用の駐車場。
アプローチの解体で外したコンクリートの板を10センチずつずらして、3段積みの土留めに再利用しました。

画像:ご近所から注意される庭(解決編)

駐車場を作るために掘り下げた所にコンクリートを打つために、ドイツの職人さんの登場。
「匠」がコンクリートを均していると、「もっと大きいのがある」とドイツのコテを取り出します。それは、まるでグラウンドを均すトンボのような大きさ。 ドイツにはもっと大きなコテもあるそうです。

画像:ご近所から注意される庭(解決編)

コンクリートを打った後、白い液体をかける「匠」。
ドイツでみつけた薬剤で洗い出しをしようというのです。5時間後、表面を水で洗い流し、コンクリートの骨材が浮かび上がりました。 これにはドイツの職人さんも「天才的な発想」と感動です。

画像:ご近所から注意される庭(解決編)

コンクリートを打つのは駐車場だけではありません。元々不規則な長い階段があった場所に駐車場の脇から玄関先までおよそ30メートルのアプローチを作ります。
重機を操るドイツの職人さんに「ドイツなら3人いれば1時間で終わる」と言われ、元職人の意地で斜面を駆け上がるユージさん!

画像:ご近所から注意される庭(解決編)

コンクリートを打ち終えた新たなアプローチに、「匠」がビール瓶を埋め込み始めます。
その数、全部で102本!

画像:ご近所から注意される庭(解決編)

駐車場同様に洗い出し、何事もないかのように瓶を抜き始める「匠」。
出来た102個の丸い穴すべてに白モルタルを詰めていきます。

画像:ご近所から注意される庭(解決編)

かつては高低差3メートルをつなぐ17段の階段が続いたアプローチが、ゆるやかなスロ-プに大変身。
洗い出し仕上げで滑りにくい駐車場と玄関をつなぐ家族用のアプローチが完成しました。ビール瓶であけた穴は桜の花をイメージし、全体を日本風の小道に仕上げました。

家族の新しい楽しみ

画像:ご近所から注意される庭(解決編)

次に「匠」とユージさんが運び込んだのはドイツ特有の穴あきレンガ。
無数の穴をあけることで材料費や輸送費も抑えられるようにと考えられたもの。
通常砕いて再利用するレンガを特別に譲っていただきました。

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そのレンガを家のすぐ前に70cmのコの字型に積み上げました。

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その上に造られたのは手作りのピザ窯。
段ボールの型に合わせてレンガを積み上げて作り上げました。中の段ボールを燃やして完成です。

画像:ご近所から注意される庭(解決編)

一時帰国したユージさんに変わり、チーム金井のTKO木本さんが登場。
ピザ窯の横で得意のレンガ積み。
様子を見に来たドイツの職人さんにも手伝ってもらい作業を進めます。

画像:ご近所から注意される庭(解決編)

かつて何もなく荒れていた一角に、ピザ窯、その両隣にはシンクとバーベキュー台が出来上がりました。
チーム金井とドイツの職人さんの合作です。

自然素材で作るビオトープ

画像:ご近所から注意される庭(解決編)

ドイツの職人さんに連れてきてもらったのは、約350万坪、東京ドーム250個分にあたる川もあるこの広大な土地。なんとこの土地すべてがドイツの職人さんのもの。
「匠」からリフォームに使う自然の木や石が欲しいと相談され、それなら自分の土地に行くのが一番だと案内してくれたのです。

画像:ご近所から注意される庭(解決編)

ホームセンターでは買えない沢山の自然石と木の幹や枝などの自然素材がそこら中に転がっています。
ときには急斜面を滑り落ちながら、使えそうな素材を集めます。

画像:ご近所から注意される庭(解決編)

駐車場を掘り起こした際の残土にコンクリートを混ぜ合わせたものを、階段の脇に敷いた黒いビニールの上に載せていきます。
特に均すこともなく、デコボコのままビニールを覆い隠しました。

画像:ご近所から注意される庭(解決編)

その上に、川から取ってきた平らな石を無造作に配置していきます。続いて、苔むした丸太を横向きに…。 次々と自然の石や木が置かれ隙間には植物を植えていきます。

画像:ご近所から注意される庭(解決編)

せせらぎが心地よい、自然素材で自然環境を再現したビオトープが完成しました。
自然の姿を違和感なく再現している様に、ドイツの職人さんはまたも感動。

「匠」のリフォームに欠かせない素材登場

画像:ご近所から注意される庭(解決編)

木本さんに変わり、ドイツに再び到着したユージさんを交え、リフォームはいよいよ最終段階へ。
ドイツでも「匠」のリフォームには欠かせない古タイヤが登場。

画像:ご近所から注意される庭(解決編)

古タイヤに土をかぶせ、もともと庭を覆っていた苔むした芝を張り付け、大小4つの築山を作りあげました。

画像:ご近所から注意される庭(解決編)

築山に橋を架け、まわりに玉砂利をしきつめた日本庭園が完成しました。

画像:ご近所から注意される庭(解決編)

室内に日本庭園を眺めることができる小上がりを作り、全作業が終了しました。

家族の幸せを願った「匠」からのアイデア

生まれ変わった外観とアプローチ
手付かずで荒れ放題だった庭は一新!門を中央に移し、生まれ変わった庭を楽しみながら玄関へと向かえます。

45年の歴史の中で匠によってはじめて塀として立てて使われたプランター。
上の連結部分にもモルタルで土手を作りもちろんプランターとしても楽しめます。
透水性もあり中に植えた植物にまで雨水が届き、水やりも楽に出来ます。

印象的な白い塀と一体となった門の先には以前の階段やアプローチの廃材を利用して作った日本を感じさせる延段のアプローチが緩やかに続きます。




玄関から門まで庭を迂回するように延びていたゴミ捨てに苦労していた長い階段や、その脇の使われていなかったぬかるみがちなスペースは、奥さんの車の駐車場と家族用のアプローチに。
滑り止めになる洗い出しで仕上げゴミ出しも楽になります。
画像: 匠のアイデア
奥さんの故郷を想って
庭の中央には、玄関へ導くアプローチが延びその脇には山からもらってきた木や石で自然環境を再現したビオトープ。
心地よいせせらぎに癒されます。

水道代の掛からない循環ポンプを使った小川の上流に作ったのは、「ししおどし」。ドイツの庭に日本の音が響きます。 つくばいは、古タイヤにモルタルを塗って全体に化粧砂利をまぶした「匠」の手作りです。


光悦垣は、ゴミ処理場でもらってきた細い塩ビ管を格子状に組み、その上にドイツでも手に入る柳で組んだすだれを被せ麻縄で固定したもの。
日本庭園の基礎となる竹垣を廃材で再現しました。



荒れ放題だった家の正面には、夫婦の念願だった家の中からも眺められる枯山水の庭園が完成しました。
「匠」がイメージしたのは奥さんのふるさと、香川県から望む瀬戸内の海。瀬戸大橋も架かっています。


夫婦のお気に入りだったシダレもみじの脇に立つ灯籠も廃材で作ったもの。
以前、庭の隅に立っていた街灯型の古い照明をガス管やバケツの蓋で日本庭園の雰囲気を醸し出す石灯籠へと変身させました。 もみじとよく馴染みます。
画像: 匠のアイデア
ご近所さんを招けるスペース
家の東側のコーナーはすっきりと整備された庭先にガーデンテーブルを設置。天気のいい日は外に出て気持ちよく寛げるスペースになりました。

その一画には、廃材のレンガを使ったドーム型のピザ窯とバーベキュー台を備えたアウトドアキッチンが完成。
ピザ窯の下には燻製棚、隣には手作りのバーベキューグリル。庭でバーベキューを楽しむ、そんな奥さんの願いがようやく叶います。

家のリフォーム資材を置いていた土間とその前の特に使っていなかったスペースは、ウッドチップのサークル内に塀にも利用したプランターで作ったガーデンテーブルとイスを設置。
家の前には真っ白なウッドデッキを張り、柱は奥さんの好きなターコイズブルーに。
画像: 匠のアイデア
ご近所への気配り
雑草がはみ出していたお隣からの景色は、金網に木製のフェンスを取り付けこちら側は白、お隣は茶色に染め分けました。足元のレンガで囲った花壇はフェンスの両側に同じデザインで配置しました。

家の裏手、広い敷地の一番奥にある大工道具がたくさん仕舞ってあった物置小屋はそのままに日曜大工が好きなご主人のために平らな作業スペースをしつらえました。
画像: 匠のアイデア
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