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永久歯がまた生える!? 世界初「歯生え薬」治験を9月から開始 マウスやイヌでは成功 入れ歯やインプラントに次ぐ第3の選択肢

05/03 17:52 配信

 世界初となる「歯が生える薬」の開発を進める大阪の北野病院などの研究チームは、人に薬を投与する治験を9月から始めると発表しました。

 北野病院歯科口腔外科の高橋克主任部長は、「歯生え薬の実用化は歯医者の夢です。入れ歯やインプラントに次ぐ第3の選択肢として歯科診療に浸透させたい」と話しています。

 この“歯生え薬”はどのような仕組みになっているのでしょうか。
 サメやワニなどの歯は一生のうちに何度も生えかわりますが、人間は子どものときに乳歯が生え、次に永久歯が生えます。もし永久歯が抜けてしまったら新しく生えてくることはありませんが、永久歯のもととなる“歯の芽”は存在しているといいます。

 研究チームは「USAG-1」というたんぱく質が歯の成長を抑制しているためであると突き止め、2018年に「USAG-1」の働きをなくす抗体薬を世界で初めて開発しました。

 すでにマウスやイヌなどに対しては、薬を投与して歯を生やすことに成功しており、研究チームは新たに9月から30歳から65歳未満の男性30人に薬を投与して、副作用の有無などを確認する治験を始めます。

 2025年度中には、先天的に永久歯が生えてこない2歳から7歳の子どもを対象にした治験も検討しているということです。

 2030年をめどに、先天的に永久歯が生えてこない「先天性無歯症」の人向けの薬の実用化を目指していて、薬の値段は150万円程度を想定しています。

 さらに、虫歯や歯周病などで歯を失った人の治療にも期待されるということです。

最終更新:05/03 17:52

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