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【万博】子ども無料招待 “交通”や“安全面”の問題浮上 大阪・交野市は「バス確保に3000万円」 公共交通利用も「低学年は難しい」

05/24 16:52 配信

 来年、開幕を迎える大阪・関西万博。大阪府は子どもたちの無料招待を計画していますが、ここにきて「交通アクセス」や「安全面」の問題が浮上し、学校現場では反対の声も上がっています。

(大阪府交野市・山本景市長)
「生徒になんらかの不利益があってはいけないと思っていて、市長としてはこの際、学校単位で行かなくていいということを正式に表明します」

 いまのままでは「参加不可能」と訴える交野市長。大阪・関西万博に子供達を招待する計画に波紋が広がっています。

(吉村洋文・大阪府知事、去年8月)
「こんな未来社会を作っていくんだということがまさに万博です。ですのでこれから未来社会をつくる子どもたちにぜひ、それを見てもらいたい。少なくとも1回は大阪府民の子どもたちは万博会場に無料で招待をいたします」

 対象は大阪府内の4歳から高校生までの約102万人。府は遠足などの学校行事での来場を想定していて、5月末までを期限に各校に参加の意向調査を進めています。しかし…

(大阪府交野市・山本景市長)
「バスを交野市が確保したら1台15万円かかります。1クラス30名としたら、1人5000円かかることになります。校外学習ではありえない。財政負担するとすると3000万円かかる。市が負担できるような金額ではないし、保護者に求める金額でもないと思います」

 そう、特にネックになっているのは会場までのアクセスです。府は万博期間中に確保できるバスの数は約3000台としていますが、1台に55人乗れるとして、まかなえるのは最大でも16万人。来場を見込む子供たちの数の2割しかバスに乗れない計算です。

 さらに、たとえ貸切バスに乗れたとしても、駐車場から会場まで約1キロの徒歩移動が必要に。バス以外だと公共交通機関や最寄り駅からのシャトルバスを利用する方法もありますが…。

(南河内地域の学校関係者)
「小学校低学年は無理かもと思っています。展示エリアまで遠いという話は聞いていますし、日程が夏になった場合は安全を確保できるとは思えない。電車の乗り換えも難しい」

 府の担当者はバス不足について、万博協会が運営するシャトルバスに運転手やバスがとられているとしていますが、それでは本末転倒です。

(記者)
「学校現場からはどんな声が?」
(大阪府交野市・山本景市長)
「引率するのが難しい、バスも高くて確保できるかどうかもわからないと。ただ大阪府の教育委員長との関係があるので、それは言いにくということでした」

 現時点で参加希望校がゼロの交野市。市民の受け止めは…。

(交野市民)
「事故が起きてしまったら学校側の責任問題になってくるし、判断が難しい」
「ここからはすごく遠いと思うので、引率とかも大変だろうし、実際そういう年頃の子がいても私も嫌だなと思う」
「学校側の負担はあるのかなと。どういうパビリオンを見たら子どもが楽しめるかとか、どういうテーマでっていうのが全然見えてこないので。ひたすらミャクミャクくんだけがマスコットとして見えているのでもうちょっと情報がほしい」

最終更新:05/24 16:52

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