手塚「押井守監督の映画“イノセンス”の挿入歌のお仕事をしたそうですが」坂本「音楽総監督が川井憲次さんで、前に“風光る”というシングルを一緒に作ったことがあるんです。その関係で今回“英語の詩を書いて”と言われたんです。歌っていらっしゃるのはジャズシンガーの伊藤君子さんです」手塚「作詞の依頼だったんですか。その依頼が来た時に、この映画はどんなイメージだと言われました?」坂本「映画館で流す予告編が出来上がっていて、その映像見て...でもそれはあまり考えないでと言われて(笑)じゃ〜何でもいいのかなと思って。曲を頂いた時に夜の川というイメージが湧いたのでそれを膨らませて書きました」手塚「それでタイトルが“River
of Crystals”というんですね」手塚「出来映えはいかがでした」坂本「伊藤君子さんが本当に深い歌声を持っていらっしゃる方で、全然違う曲になっていました。詩も自分が書いたとは思えないほど深い物になっていて感動しました」手塚「ちなみに押井さんのアニメというのはどうなんですか。アニメ自体あまり見ていないかな(笑)」坂本「そうなんです。小さい頃あまりテレビ見せてもらえなかったんです(笑)」
手塚「いろいろな方のアルバムに参加されていますね。例えばジョアンジルベルトのトリビュートアルバムや北京のチャン・ヤートンさんのアルバムなど」坂本「ジャンジルベルトに関しては、ナタリー・ワイズと一緒に作りました。チャン・ヤートンはフェイオンのプロデューサーとして有名な方で、私の父(坂本龍一)のことが好きで私の声も聞いてくださっていたんです」手塚「海外の方とやってみていかがですか?」坂本「多分向こうから呼んでくださる時は私の声のイメージが必要だからだと思うんです。でもそれは国内海外を問わず同じですね」
手塚「昨年上海と北京のイベントに出演したことがきっかけでできたユニット、 キーボードの吉村龍太さん、チェロの徳沢青弦さんの3人のユニット。これユニット名はあるんですか?」坂本「う〜ん、ないです(笑)ユニットとしてというよりは...気持ち的にはユニット、でも固めている訳ではないんです」 |