「匠」が訪れたのは、お笑いコンビ「Wエンジン」のチャンカワイさんのお宅。ご両親と相方のえとう窓口さんも一緒に「匠」を出迎えてくれました。2級建築士の資格を持つお父さんが自ら設計した家は、どこも問題なさそうですが…
実はお母さんが重度の花粉症を患っていて、外に洗濯物を干すことができず、いつもリビングに干しているとのこと。しかし、リビングは元々あったテーブルに加え、新たに購入したダイニングセットが占有し、窮屈なスペースで無理矢理洗濯物を干しているのだそうです。そんな説明をしながら、孫のためのオモチャで遊びだすご両親に、チャンカワイさんがすばやくツッコミ。
お母さんを悩ませる花粉の発生源の庭、そして隣接する空き地を検証。2週間前に草刈したばかりというのに森のように茂った雑草。驚く「匠」達に、家の中から少し顔を出したお母さんは、秋のススキの花粉も酷いと訴えると、すぐに部屋に引っ込んでしまいました。
家具を動かす程度ではダメだと感じた「匠」は、馴染みのサッシ工場に出向きました。そこには、設計変更などの理由で、新品にも関わらず使われなくなったガラスサッシが何枚も置かれていました。はめ殺しの窓や片開きの扉など、いずれも1点もののアウトレット品の中から様々なサッシを選び出し、特別に破格の値段で譲り受けました。
チャンカワイさんの実家に戻った「匠」は、2階のベランダを支える柱を構造躯体として利用してサッシをハメ込むフレームを作り始めました。リビングからサッと出て、花粉などを防ぎながら、洗濯物を干せる場所が必要だと感じた「匠」は、リビングに隣接する形でサンルームを作ろうとしていたのです。
しかし譲ってもらったサッシは種類も大きさもバラバラ。フレームに収めるために「匠」は、その場で切断や分解をしてサイズを調整し、幾何学的なデザインでサンルームの外観を構成していきました。どうしても出来てしまった隙間は耐久性の高いポリカーボネートで塞ぎました。
仕事の合間を縫ってWエンジンも駆けつけました。作業途中のサンルームを見て驚く2人。
2人は、お母さんの花粉症に悪影響を及ぼす、手付かずの庭に生い茂る草木を刈り取ることに。庭が綺麗になったらお母さんに喜んでもらえる。その期待を胸に懸命に草刈を続けました。
サンルームの制作も終盤に。「匠」は網戸に新しいネットを張っていました。これは網目が一般の網戸の1/10という花粉対策のためのネット。更に一般のネットと2重に張り、対策を万全にした網戸は、全ての開閉箇所に設置され、花粉に悩まされずに空気の循環が出来るようになりました。
こうして、長年、花粉症に悩むお母さんが洗濯物を部屋干ししていた居間の外に、アウトレットのサッシをパッチワーク状に組み込んだ2畳ほどの広さのサンルームが完成。
サンルームの中は、リビングから外を眺めたときに景色を楽しめるようにと、低い位置に洗濯物が干せるようになっています。
アイデアと心遣いが盛り込まれたサンルームにWエンジンの2人も感心しきり。さぁ、チャンカワイさんのご両親には喜んでもらえるでしょうか。
鬱蒼としていた草木が取り払われ、明るさを取り戻したリビングに感動し、新たに作られたサンルームに更に感動するご両親。泣き出すお母さんを前に、今までのご恩への感謝として、少しだけでも恩返し出来ただろうかと涙声で尋ねるチャンカワイさん。ご両親は「テレビに映っているだけでも十分なのに、ここまでしてくれてありがとう」とお礼を伝えるのでした。