「匠」がWエンジンの2人と向かったのは、えとう窓口さんの実家。チャンカワイさんが「登山だ」と言うほどキツい坂道の途中にその家はありました。汗だくになった3人を出迎えてくれたのは、えとう窓口さんのお母さんと弟さん。家の外での毒舌が筒抜けだったようで、少しバツが悪そうなチャンカワイさんです。
家の奥に通された「匠」達。そこで見たのは…「お風呂ですか?」チャンカワイさんが確認します。そこはコンクリートの壁で覆われた風呂場。しかし、風呂場の中に洗濯機やストーブが置かれています。どうにも納得がいかないチャンカワイさんをよそに、えとう窓口さんがこの風呂場の最大の問題点の説明を始めました。
それは、浴槽の栓を抜いて排水すると、浴槽と洗い場の排水口から逆流したお湯が溢れでてくることでした。このため浴槽を使えず、保温と補強を兼ねるためにと、ガムテープが貼りつけられたプラスチック製のバケツにシャワーでお湯を張って浴槽代わりにしているとのこと。チャンカワイさんはこれを「お風呂」と呼ぶことにも納得できない様子。
Wエンジンとえとう窓口さんの弟さんの3人で風呂場に置かれていた洗濯機やストーブを外に出した後、「匠」がもう一度浴槽の逆流について確認したいと言いました。再び浴槽に水を張って栓を抜くと…なんと壁から外に水が滲み出てきました。更に、風呂場と隣接している納戸では大量の水が噴き出していました!
溢れ出した水で、家の外の道まで水浸しに。この状況に「匠」は、見かけを綺麗にするだけでなく、浴槽を一旦床から外して原因を確認する必要があると判断。床のコンクリートを砕き、浴槽を外してみると…そこには、あってはならない水が溜まっていました。これで排水そのものが全く出来てないことが判りました。
風呂場の入り口が狭く、浴槽を外に出すことができないまま、リフォームを進めることに。まずは壁に穴を開け、新たな排水管を通して既存の排水管と接合。さらにモルタルと防水材で漏水の恐れを無くしてから、浴槽を元の位置に戻しました。これで排水が逆流することは無くなり、浴槽が使える状態になりました。
続いて「匠」は大量のタイルを用意しました。それは安く譲ってもらった左官屋さんの倉庫にあった在庫品。それを風呂場の壁に貼ることに。しかし集めたタイルは、デザインもサイズもバラバラ。「匠」は、それらをパズルのように配置を考えて指示を出し、左官職人さんとチャンカワイさんで貼っていきました。
現場にステンレス製の長方形のフレームが運ばれてきました。それを風呂場の床に置いてアジャスターで安定させた後、その上に、檜のすのこを敷きました。これで工事の手間と費用をかけずに、平らで温もりのある床を完成させたのです。これにはWエンジンの2人も感動して拍手喝采!
「匠」は風呂場だけでなく、隣の寒々しかった納戸を、温かみのある脱衣所としてリフォームしました。風呂場と同じ高さになるよう杉板の床を作り、洗濯機を置くスペースも確保。タイルで化粧した収納棚の下では、あの浴槽代わりに使っていたプラスチック製のバケツが洗濯物入れとして新たな役割を与えられていました。
以前は直接窓枠にネットが貼られ開閉も出来なかった窓は、サッシを新調して目隠し用のブラインドを設置しました。こうして生まれ変わった風呂場の説明を、えとう窓口さんから聞いて、涙を浮かべるお母さん。そんなお母さんを見て、えとう窓口さんは、決して裕福ではない生活だったのにも関わらず、芸人になることを反対しなかったお母さんに初めて親孝行ができた…と声を詰まらせたのでした。