2010年5月16日放送
縁側が脱衣所の家
■大正時代に建てられた築87年の物件で、老朽化が進み、傷みと寒さが激しい1階は、まったく使われていない
■表玄関の鍵を元々住んでいた祖母が無くしてしまい、閉めきったままにしているため、路地裏の勝手口を玄関として使用している
■1階の台所は、通り庭をフローリングにして床をあげているため、流し台が異常に低くなり、長時間使うと腰を痛める
■その台所は設備があまりに古いため、2階にシステムキッチンを入れて使っている
■離れのトイレと母屋の縁側との間に、無理やり増築した浴室の天井は低く、裏のマンションから浴室内が見える位置に窓がある
■脱衣所代わりの縁側は完全に外部と仕切ることができず、隙間から外気が入り、屋外同然の温度で、冬はその寒さが身にしみる
京町家の粋人
坂田基禎
表から家を見ると普通に見えるが、中に入ってみれば
増築と手直しを重ねた結果、大変不便な家になっている。
家族の提示予算では、全改装は難しいので、メリハリをつけて計画をする。
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赤いカメラをクリックするとビフォーアフターの変化をご覧いただけます
京町家ならではの風情を取り戻す
「京町家の粋人」の知識と技で、リフォーム後の家は京町家ならではの風情を取り戻しました。
格子戸の玄関扉を開ければ、そこは奥行き約7メートルの味わい深い「通り庭」が、裏玄関まで続きます。夏場は打ち水をすれば涼しい風が流れるこの空間に施されたのは、解体の際に不要になった瓦を埋め込んで作った模様。
そんなデザインが味わい深い「通り庭」から頭上を見あげれば、町家造りの特長である「吹き抜け」が。5メートルの高さから、格子模様の影を落としながら、柔らかな光が差し込みます。
「通り庭」の中央にある「靴脱ぎ石」から上がれば、昔の家の柱を再利用した「上がりかまち」と、「網代模様」が施された靴箱が迎えてくれます。
奥の和室から続くウッドデッキから臨むのは、京町家に欠かせない「坪庭」。ここでも瓦を利用したデザインが目を惹きます。
すぐ横には、「京町家の粋人」の粋な計らいが。子ども達のための砂場スペースが用意されていました。
カウンターテーブルから座卓へ
新たに設けられたシステムキッチンには、簡単な食事もとれるカウンターテーブルが付いています。実は、このカウンターテーブル、仕掛けがありました。
固定しているネジを取り、天板を外して…
残されたテーブルの足を、和室の座卓の脇に寝かせて置きます。
その上に天板を乗せると…
4人掛けの座卓が8人掛けに大変身!!
親戚や友達など大勢が集まる時に活躍しそうです。
生活空間としても充実した家
あの無理やり増築して設置していた浴室を撤去した跡は、車一台が十分に停められる広々とした駐車スペースに生まれ変わりました。
撤去した浴室の代わりに、家族待望の脱衣所のあるお風呂場が完成。これからは隙間風に凍えることなく、親子水入らずで、ゆっくりとお湯に浸かることができます。
2階の夫婦寝室には、もちろん大容量の押入れが。その横には、ご主人の書斎スペースが作られました。ご主人の宝物であるフィギュアが飾れる専用棚も設置されています。
寝室のべッドの脇には、奥さん待望のウォークインクローゼットも。3畳分の広さで、もう荷物の仕舞い場所に困ることはありません。
そして2階の南側には、二人の娘さんたちの子ども部屋が完成。用意された「匠」オリジナルの家具は全て二人分で、子ども達には初めての自分専用です。ロフトスペースもあるこの部屋は、中央で仕切ることもできるので、将来、それぞれの個室として使えます。
京都市中京区
株式会社 中藏
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