2013年8月4日放送
空回りする家
■玄関の呼び鈴が2つあり、訪問者がどちらを押していいか迷う
■玄関に電話が置いてあるので、筆談で電話対応をしている娘さんとお父さんにとって、冬場は寒さが辛い
■南北に細長く3部屋が繋がっている。洋室のカーテンは大通りに面しているので昼間も閉めたまま
■通りに面しているため、窓を開けると車の走行音が室内に響く
■北側以外三方を隙間無く隣家に囲まれているため、光が入らない
■光が入らないので、日中でも照明無しでは生活できない暗さ
■来客を知らせる回転灯は、居間にしか設置しておらず、他の部屋にいると役に立たない
■居間の押入れ部分が居間と台所を分断している
■お父さんがお湯を沸かすときに、沸いた音が聞こえないので、吹きこぼれてしまい危険
■ガス漏れ警報機が外されたままになっている
■狭い廊下に台所とトイレの扉が対面していている
■トイレに入ると、建物が傾いているせいで台所のドアが勝手に開いてきて、トイレから出るときにつっかえて閉じ込められてしまう
■2階へ上がる階段は傾斜が急な上に、踏み板の幅も狭く爪先立ちで上らなければいけない
■物干し場への段差は60センチもある
■2階も1階同様間取りが細かく仕切られ、見通しが悪く、来客があっても気付けない
余白の演出家
岸上勝彦
一番大きい要素としては、お父さんが視覚に頼ってコミュニケーションをとることが多いのに、小さな住宅であるにもかかわらず細かく間仕切られている状況は、確実にお父さんが生活しにくい。
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広々と便利な玄関
駐車場の奥の壁にある引き戸。左側の戸は、車関連の道具を仕舞う収納。右側の戸は、直接リビングとつながり車での買い物帰りに便利。かつての玄関を、駐車場の通用口として残しました。
グレーチングの門扉を開くと、すぐに玄関。引き戸は大きく開け放て、土間も広々。通りの騒音を和らげる空間です。
玄関には便利な収納があり、出掛ける時に必要な荷物が置けて、上着も掛けておけます。さらに、広い玄関土間には、以前はアプローチに置いていた娘さんや孫たちが乗って来た自転車も置けます。
光を取り込むリビング
吹き抜け周りは、お父さんにとって聞きづらくなる反響音を抑えるため、1階はデコボコの杉の壁、2階は和紙の建具を使いました。
明るさと開放感を演出するのは天窓と吹き抜けだけではありません。
隣家との僅かな隙間を利用した出窓から光を導く「余白の演出家」ならではの仕上げ。
カウンターには、耳の不自由なお父さんが娘の筆談通訳で電話をするのに便利なセットを用意。以前は玄関で電話をしていましたが、ここなら快適。持ち運べるホワイトボードやメモ帳、ペン、ホワイトボード消しなど、筆談に必要な一式がひとまとめに。
使い勝手の良い水回り
家中の建具はすべて引き戸になりました。もう、扉のせいでトイレに閉じ込められることもありません。
トイレの先、廊下の反対側には、新しいキッチン。夕飯を作りに来てくれる娘や孫たちが揃って立っても十分な広さ。IHヒーターなど使い勝手もよく、収納もたっぷり。奥にはゴミ出しに便利な勝手口も。壁のフラッシュランプとチャイムが来客を知らせてくれます。
広い洗面脱衣所は収納も十分。娘や孫の分まで、洗面用具やタオルを仕舞っておけます。
お父さんが大好きなお風呂も、ゆとりの広さに。壁には吉野ヒノキが張られ清々しい香りに包まれて、ゆったり寛げます。ダイニング同様、隣家との隙間を利用した出窓とトップライトから日差しが入り休日には、昼間の入浴が楽しみになりそう。
開放的な2階
以前と同じ場所に架けられた新しい階段。足に優しい杉の無垢板を使い足がしっかりと置けるように踏面を広げ段数も増やして緩やかに。手摺り付きで安全に上りやすい階段になりました。
和室の客間と吹き抜けの間の板の間は2人の娘家族や親戚が泊まりに来た時には、建具を閉じて独立した客間として使えます。
2階で眠るお父さんのために、以前は2階には無かったトイレが作られました。これからは、トイレの度に1階に降りる面倒はありません。
吹き抜けの手摺りは、かつての床柱を再利用。それを支える鉄パイプの柵はというと…、実は、製鉄所で働いているお父さんに頼んで職場で作ってもらったものでした。
収納たっぷりの寝室
吹き抜けに面したデスクから下を見れば、娘さんが毎日の夕飯を作ってくれるキッチンはもちろん、一階のフラッシュランプも目に入り安心。
書斎の裏側、お父さんの寝室には身の回りの物をすべて収められる大容量の収納を確保しました。
通りに面したベランダは、1階の玄関同様、光や風を通すグレーチングで目隠し。プランターを飾って、草花を楽しむことも出来ます。
大阪府大阪市
株式会社アップ
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