2014年5月11日放送
体当たりして勝手口を開ける家
■建物とブロック塀が密接しており、室内に光や風が入らず、雨の日は湿気が溜まってしまう最悪の環境
■家の横を流れる川に架かる橋の高さに合わせ、敷地を囲む道路が1mほど高くなってしまい家が沈んだ状態になっている
■玄関には20cmと15cmの2段の段差があり、車椅子を二人がかりで持ち上げている
■廊下は幅75cmと狭く、車椅子の移動が大変
■増築部分はブロックで作られているため、結露による湿気で室内にカビが生えている
■台所の床が湿気で傷み抜け落ちそうになっている
■土間に床を貼ったため、勝手口への鴨居が低い
■勝手口の立てつけが悪くなり、扉が体当たりしなければ開かない
■浴室の窓側に洗濯機置き場を増築したため、風通しが悪くなり、戸口の柱の根元は湿気で腐って穴が開いている
■脱衣所の壁の照明の取り付け部分も湿気のために錆び、壁から剥がれ落ちそうになって危険
■物置の床が完全に抜け落ちているが、子供が遊ぶため危険
■階段の勾配が急で手すりもなく、踏板の幅も17cmと狭く、子供も大人も危険
■古いガラス窓から隙間風が入るため、防寒対策として障子にベニヤ板を貼っているため、部屋に光が入らない
家の記憶の修復師
下田卓夫
道路工事や増築による立地環境の変化で風通しや日当たりが阻害されて来ていることも含め、建物全体の耐久性が大きな問題。
0歳の赤ちゃんから94歳のおばあちゃんまで4世代が一つの家で暮らすということで、それぞれの生活スタイルを尊重しながらコミュニケーションが取れる間取りを考えていきたい。
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赤いカメラをクリックするとビフォーアフターの変化をご覧いただけます
こだわりを継いだ仏間
玄関の壁には、家族みんなの靴が仕舞える天井いっぱいまで使った大容量の下駄箱が作りつけられました。
玄関わきには客間兼、仏間が作られました。
亡きお爺ちゃんがこだわったしぼり丸太の床柱や、違い棚など床の間の意匠を再現しました。
新しく使い勝手の良いキッチン
ダイニングの壁には、かつての台所の建具を再利用した収納棚を設置。古いガラスには特製のフィルムを貼り割れにくくしています。
キッチンには簡単に引き出せる収納型のベビーゲートが作られました。
ベビーゲートの裏側は小物の収納に使えます。
作業スペースが広くとられたシステムキッチンには大容量の収納を装備。
頭上には吊戸棚も用意されています。
家族が使いやすい水回り
三畳と広めの洗面所には、洗面台を2つ用意。その下には子供のための出し入れ簡単なスライド式の踏み台を備え付けました。
脱衣所につくられた収納棚の引き戸の片側は、2階で暮らす娘家族が便利なように、階段と繋がっています。
お風呂場は子供たちと一緒でもゆったりと入れる大きさになりました。
介護の助けになる寝室
かつて風呂場と洗濯機置き場があった場所はお母さんの寝室に。収納も壁一面に設えました。
お母さんの寝室とおばあちゃんの寝室をはさむ廊下の先にトイレが作られました。
おばあちゃんの寝室の建具や柱は家にあったものを再利用。
やわらかな光が入る障子を開けば、全面開口の南向きの窓から庭を一望できます。
介護がしやすいようベッドわきには棚と洗面台が作りつけられました。
おばあちゃんが車椅子に座ったまま、書を楽しめる折り畳み式の机は、匠からおばあちゃんへのプレゼントです。
シンプルながら風格のある庭
風格ある土塀は地元の昔ながらの伝統的な工法で仕上げられました。
庭は子供たちが走り回れる芝生コーナーと、手入れしやすい木を残した植栽コーナーになりました。
庭に下りる階段は、子供が落ちても大丈夫なように、幅を広めにとられています。
庭を囲むスロープを使えば、おばあちゃんの部屋から車椅子で楽に行き来することもできます。
ロックテイストを取り入れた居室
匠が悩みながらも娘夫婦のリクエストに応えたロックテイストの部屋は、壁面の収納を自由にデザインできるよう様々な工夫が施されました。
白と黒の市松模様の壁は防音効果も兼ねた穴が無数に開いていてフックや棚板を自由にアレンジできます。
南の窓際には子供がお絵かきや勉強ができる机を設置。
その横には、トイレも設けられました。
暗かった寝室は明るい部屋に。
壁一面、奥行きのある大型収納を用意しました。
寝室の南側には、これまでなかったバルコニーが登場。
日当たりの良いこの場所でたくさんの洗濯物が干せます。
壁に収納された建具を引き出せば、リビングと廊下が間仕切れます。
リビングと寝室を独立させることもできるので、家族のプライベートな空間を保つことができます。
岡山県岡山市
株式会社小橋工務店
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