そばと言えば、江戸を代表する食べ物のひとつ。当時の町には、いたるところにそば屋や屋台があり、江戸時代の後期には3700軒を数えたと言われています。屋台の主は、「そばや〜い」の声をあげて町を歩きました。
気になるお値段は、およそ十六文。時代にもよりますが、一文は現在の10円〜20円ほどでしたから、庶民にも気軽に食べられました。安くて早くてうまい、三拍子そろった江戸のファーストフードでした。
ちなみに、かけそばの名前は、汁をつけて食べる手間を省くため、汁を「ぶっかけ」て出すことに由来しています。時代が下ると、天ぷらそばのような具をのせたタネ物も登場し、バリエーションも豊富になっていきました。