定価:1,600円(税抜)
発売日:2016年9月29日(木)
出版社:小学館
原作者・桜木紫乃さんコメント
「血」は、かなしい救いです。ドラマ「氷の轍」には、土地が育てる気質や北海道の景色が余すところなく描かれていました。登場人物それぞれが「孤独」と「縁」の間で迷い、それでも自分から伸びた細い根を信じ生きている。見えないゆえに、つよく。「ひとの生い立ち」が六十年という時間を超えて交差する物語。映像の後ろに流れる弦の音に心をきしませながら、至福の時間を過ごしました。緊張感あふれる二時間でした。瀧本監督には「原作はきっかけ、好きに作ってください」と申し上げました。「俺たちの『饑餓海峡』を作ろう」がやっと実現しましたね。映画監督の心意気と矜持、役者さんの魂、支えてこられたスタッフの献身に、心から感謝申し上げます。視聴者のみなさまに、あの「寒さ」と「かなしみ」と「あふれる情」がまっすぐ届きますように。ひととき、冬の北海道を旅していただけたら嬉しいです。