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京都・祇園の“舞妓パパラッチ”問題 花見小路に「立ち入り禁止」の看板設置で観光客らのマナー違反対策へ

06/03 17:34 配信

 昔ながらの趣ある街並みが人気の京都・祇園。地元の人々が頭を悩ませているのが、舞妓さんにカメラを向け執拗に追いかける外国人観光客です。

 中には、来るのを待ち構えている人も…。こうした行為は通称“舞妓パパラッチ”とも呼ばれ、以前から問題視されていました。

 最近では舞妓さん見たさに花見小路などの「公道」だけでなく「私道」にまで観光客が押し寄せる事態に…。祇園で暮らす舞妓さんらの生活に支障が出ているといいます。

 こうした声を受け、祇園では半年前から対策を協議。そして5月、ある一手に打って出ました。

(記者リポート)「祇園のメインストリート・花見小路に面したこちらの通りの入り口に看板が設置されました。観光客は今後、通行できなくなります」

 看板には「私道につき観光客、ツアーガイドの写真撮影や進入禁止」「許可なく進入の場合、罰金1万円」と3ヵ国語で記載されています。

(祇園町南側地区協議会 太田磯一さん)
「この路地の中に置屋さんが2軒、お茶屋さんが2軒、民家もあります。そちらの方からかなりの苦情がありまして、それに伴ってここは私道なので入っていただくと迷惑ですっていう看板を立てさせていただきました」

 そもそも、祇園周辺は公道と私道が複雑に混在するエリアで、私道は地元の人たちの厚意で一般の人たちも通ることができていました。

 しかし、“舞妓パパラッチ”や“住宅に無断で立ち入る”など観光客によるマナー違反で苦情が殺到。その結果、ついに街は「通行禁止」に踏み切ったのです。

(お茶屋「つる居」女将 田中泰子さん)
「舞妓さんがちょうど忙しく出かけるときに、いっぱいの人なんです、何組も団体が。通行の妨げどすね。(看板設置は)本当言うたら格好の悪いことですししたくないんどす。ゴミとか置かれますのでね。しまいには座りんでいます」

 看板を設置したこの日も祇園には多くの外国人観光客の姿が。看板を目にした反応は…

(シカゴから来た観光客)「いいと思うよ、少なくともここに来たら『よし、どこか違う場所へ行こう』となると思う。これを見たらルールに従おうと思うから、住民と観光客にとっていいと思う」

(ニューヨークから来た観光客)「住民がプライバシーを持つべきだし、観光客はそれを尊重すべきだと思う」

 ただ、その効果が得られるのにはまだまだ時間がかかりそうです。

(太田さん)「(Q.いま後ろにいるのは観光客の方では?)そうですね、看板を立てたのに…。向こうも分かっているみたいで、自分で帰って行きましたね。ちゃんとこれ(看板)を遵守していただきたい。『祇園には私道がある』『そこは入ったらあかんよ』と世界に周知されれば」

最終更新:06/03 17:34

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