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  • 朝日放送テレビ 報道局ニュース情報センター
  • 佐藤 江里子 (さとう えりこ)
  • 災害担当記者
朝日放送テレビ 報道局ニュース情報センター 災害担当記者 佐藤 江里子

これまで、2018年の大阪北部地震や西日本豪雨、台風21号、2020年の熊本豪雨や2021年の熱海土石流災害など、全国の被災地を取材してきました。普段は、主に「newsおかえり」や「おはよう朝日です」といった報道情報番組で災害や防災に関連した特集を放送しています。
入社1年目の2017年10月から報道局の災害担当となり、また2022年4月からは「人と防災未来センター」(阪神淡路大震災の経験を語り継ぎ、その経験と教訓を後世に伝えるべく、2002年4月に国と兵庫県の協働により設置された防災学習施設)の「特別研究調査員」として月に一度の研究会に参加しています。研究員は1人1人異なるテーマで研究を進めていて、それぞれの報告を日々の取材や放送の参考にしています。特に、障害者や高齢者、妊婦や乳幼児など「災害弱者」の防災や避難生活に関心があり、今後研究を進めたいです。他に、トップフォーラムという自治体の首長を対象にした災害対応研修で、模擬記者会見の記者役を務めることもあります。

朝日放送テレビ 報道局ニュース情報センター 災害担当記者 佐藤 江里子

災害や防災を意識するようになったきっかけは、1995年1月17日の阪神淡路大震災です。神戸市兵庫区で被災しました。当時、私は生後4ヵ月。いつもはベビーベッドで寝ていたそうですが、その日はたまたま母の布団で寝ていたため、母が覆い被さって守ってくれました。ベビーベッドには大きなタンスが倒れ、真っ二つに割れていたそうです。もし、ベビーベッドで寝ていたら、命がなかったかもしれない…。何度もこの話を聞くうち、阪神淡路大震災のことをもっと知りたい、と思うようになりました。
しかし、当時の記憶は全くなく、物心ついた頃、神戸の街には地震の面影がなくなっていました。そんな中、震災を知りたいという気持ちを満たしてくれたのが、テレビの映像や新聞記事でした。人と防災未来センターにも小さな頃から通っていました。震災発生時の様子を再現したシアターや火災で焼けたものの展示などに衝撃を受けたのをよく覚えています。
その後、「震災を伝えたい」と災害報道を志してABCテレビに入社し、1年目から7年目の現在に至るまで、災害・防災を担当。また、人と防災未来センターに「特別研究調査員」という形で関わることができています。
毎年1月に阪神淡路大震災の特集を放送しています。2023年1月には、震災当日の淡路島の病院の映像を題材にした「命を諦めるということ~トリアージを決断した医師の1.17~」というドキュメンタリーを放送させていただきました。また、震災を取材したカメラマンとのトークイベント(2022年)やトリアージをテーマにしたウェビナー(2023年)など、放送に限らない発信に携わることもできました。

※「命を諦めるということ~トリアージを決断した医師の1.17~」は、
YouTubeチャンネル「ABCテレビニュース」からご覧いただけます。

ABCテレビニュース 「命を諦めるということ~トリアージを決断した医師の1.17~」

被災地を取材する際は、被災した方の心身の負担になっていないかを特に気をつけています。熊本豪雨の被災地で、ある被災者にお話を伺った際、最後に「何度も話すのはつらいことも知っておいてほしい」と言われたことがありました。申し訳ない気持ちでいっぱいになり、それ以来、取材を受けてくださる方がどんな気持ちか、「伝えたい」という思いが先走っていないか、より気をつけるようになりました。
一方、被災して毎日大変な思いをしている方から「遠方からご苦労様です」「現状をぜひ伝えて欲しい」とお声がけいただくこともあります。取材を快く思わない方がおられるのも承知していますが、このようなあたたかい言葉は、報道を通して伝えていく励みになっています。
また、取材時の体調管理も大切です。西日本豪雨で大きな被害を受けた愛媛県の被災地では、炎天下で取材を続けた結果、熱中症のような症状が出てしまいました。現地の環境の過酷さを身をもって知り、被災地で迷惑をかけないようしっかり対策を取るようにしています。

朝日放送テレビ 報道局ニュース情報センター 災害担当記者 佐藤 江里子

被災地でお話を伺うと、多くの方が「まさかこんなことが起こるとは思わなかった」「他の場所で起きた災害は他人事だった」と仰います。地震、豪雨、台風、猛暑、大雪…日本全国、どこでも災害は起こりますが、実際に経験するまではなかなか想像できません。
報道局の災害担当として、過去の災害で被災した人たちのメッセージや教訓を少しでも我が事と思ってもらいたい…そして、いざ災害が起こったとき「命を守ること」につながってほしい、という思いで取材し、放送することを心がけています。放送やYouTubeチャンネル「ABCテレビニュース」で配信している映像をご覧になった方が「あすは我が身。対策します」「平穏な日常が当たり前ではないと思った」などとコメントを寄せてくださると、本当に嬉しいですし、励みになります。

※※災害に関する特集は、YouTubeチャンネル「ABCテレビニュース」の
「災害列島・エール117」からご覧いただけます。

ABCテレビニュース 「災害列島・エール117」

阪神淡路大震災は、発生から30年近く経ち、当時を知る人がどんどん減っています。あのとき被災した最年少の世代として、震災を伝えていくことが私の使命だと思っています。
また、将来必ず起こると言われている南海トラフ地震では、大きな揺れや津波により広範囲で甚大な被害が出ることが想定されています。社内の地震訓練の強化や取材態勢の見直し、勉強会などを実施し、しっかりと対応できるよう準備を進めていきます。さらに発災時のみならず、普段から放送やYouTube配信等で関連情報をお伝えし続けることで、1人でも多くの方が助かるよう力を尽くしたいです。

朝日放送テレビ 報道局ニュース情報センター 災害担当記者 佐藤 江里子
朝日放送テレビ 報道局ニュース情報センター 災害担当記者 佐藤 江里子