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インタビュー

弥勒坊燕斎役 高橋 英樹さん

  • 渡辺小五郎役 東山 紀之さん
  • 経師屋の涼次役 松岡 昌宏さん
  • 仕立て屋の匳役 田中 聖さん
  • 花御殿のお菊役 和久井 映見さん
  • 弥勒坊燕斎役 高橋 英樹さん

まず、『必殺仕事人2012』への出演が決まったときの感想から
お聞かせください。

今まで、俳優という仕事を50年間やってきましたが、悪役は今回が初めてです。正義の士としてたくさんの悪人を斬ってきたわけですが、「悪役の中に何があるんだろう?」と常に考えながらやってきましたから、一度は悪人として斬られてみたいという思いがあったんです。ですから、お話をいただいたときには『やった!』というのが第一声でした。

初の悪人役ということですが、
役作りに工夫されている点はありますか?

今まで経験のない役なので、「こうやったら怖く見えるかな」とか、「こうやったら嫌なやつに見えるかな」とか、非常に楽しんで役作りをしていますね。長い間、さまざまな先輩方が私に斬られてまいりましたので、そういう先輩方が演じてきた悪役も参考にしながら、自分なりに憎々しさを表現していこうかなと思っています。共演する悪役を演じているのが六平直政さんですから、どうやっても顔ではかなわないですが(笑)2人で切磋琢磨しながら、いろいろ工夫して演じていますよ。一番の表現は、やっぱり高笑いですね。笑った瞬間に、みんなが「怖い」って言ってましたから(笑)でも、「怖い」と言われるのは「おお、やった!」と思う瞬間ですね。

斬られる場面ではどのように演じたいと思ってらっしゃいますか?

あくまでも時代劇ですから、かっこよく斬られたいですね。悪事をした人間というのは、自分の命が途切れる瞬間、今までの人生を振り返って「これでよかったんだろうか」と思いながら死んでいくと思うんです。そのときに、生き残りたいという断末魔の叫びをあげるのではなく、今までやってきた悪事をすべて引き受けていくように死にたいですね。気持ちよく斬られたいです。

東山紀之さんとの共演の感想はいかがでしょうか?

彼はもうキャリアも長いし、時代劇に対する素質もあるし、姿かたちや風情も本当にすばらしい。ぜひもっと時代劇を演じてほしいなと思いますよ。そういう東山君が相手だけに、かっこよく斬られたいという思いがありますね。

松岡昌宏さんとは『桃太郎侍』で共演していらっしゃいますね。

あのときから松岡君は、非常に根性のある子でしたね。まだ若くて右も左もわからない中で、歯をくいしばって必死になっている姿が、印象に残っています。そのときの演技がとてもよかったので「この子は時代劇に向くね」という話は、当時からしていたんですよ。その意味で、彼を相手に悪人を演じられるのは本望ですね。本当に楽しみです。

『必殺仕事人』という作品に対して、どんなイメージを抱いてらっしゃいましたか?

僕が東映京都で明朗活劇をやっていた頃に、この松竹京都のスタジオで『必殺』が始まったんです。当時から、ライティングの素晴らしさ、映像の美、いわゆる勧善懲悪ではないストーリー、陰がある主人公など、新しい時代劇だと思っていました。「あれ、やりたいなぁ」と何度言ったかわかりません(笑)どこかで参加したいと思っていたのが、今回ようやく叶いました。ありがたいです。

最近は時代劇が少なくなりつつありますが、それについてはどのように感じていらっしゃいますか?

私が初めて京都に来て時代劇をやり始めたのが大体40年前になりますが、そのときと比べると時代劇の本数も減りました。時代劇は日本の文化だと思いますので、それが少なくなってきているのは非常にさみしいですね。着物の美しさや、日本人の持つ美徳、精神的なものを含めた美しさを兼ね備えた人間が育つように、文化を大切にする国であってほしいと思います。

最後に視聴者へのメッセージをお願いします。

とてもすばらしい作品に仕上がると思います。また、私が悪人をやるという意味では、珍しい作品になると思います。すばらしい映像と、若くて素敵な仕事人たちと、「悪い」高橋英樹をぜひ楽しんでご覧ください。(了)